テーマ設定のすれ違い データ分析講座(その239)

更新日

投稿日

データ分析

 

 

データ活用の為のテーマ設定は、現場で上手くいっていないこと、現場で出来ていないことが設定されます。しかし、設定されたテーマ(現場で出来ていないこと)を見て、出来ていないことを示す明らかなファクト(事実)を示しても「そんなこと出来ている」と言う方がたまにいます。今回は「テーマ設定で発生する現場とエライ人のすれ違い」というお話しです。

 

【目次】
1.こんなこと出来ている
2.明らかなファクト(事実)を示しても無駄なこともある
3.現場を知らない
4.視座の高さが違う
5.思いを言葉にできない

 

【この連載の前回:データ分析講座(その238)データサイエンティストに必要な鈍感力へのリンク】

1.こんなこと出来ている

現場の方と一緒に、よくデータサイエンスなどのデータ活用のテーマ設定をしているときのお話しです。

 

テーマ設定をするとき、現場のお困りごと(問題)から始めることが多いです。当然ですが、現場で上手く出来ていることが、現場からお困りごと(問題)として提示されることは、まずないです。たまに、そのお困りごと(問題)を元に設定されたテーマ(現場が出来ていないこと)に対し、エライ人が一言……「この程度のことは出来ている」

 

どういうことでしょうか。現場から上がって来た声を無視するかのようです。

 

2.明らかなファクト(事実)を示しても無駄なこともある

そこで、データにもとづいたファクト(事実)を示すこともあります。それでも一言……「そんなことはない」

 

見たくないファクト(事実)に蓋をするかのような言いぐさです。そんな人、本当にいるの??? と思われるかもしれませんが確実にいます。

 

3.現場を知らない

あまりにも強情だと、単に現場を知らないエライ人、というレッテルが張られ信用が落ちるばかりです。

 

現場の人が出来ていないと言っているのに、出来ているはずだ、と言うのですから意味不明です。そのエライ人は、本当に現場を知らないどころか、現場の声を無視し、見たくないファクト(事実)に蓋をする、どうしようもない人なのでしょうか?

 

4.視座の高さが違う

現場をよく知らないというのは確かでしょう。現場から離れて久しいからです。もしかしたら、そのエライ人は物足りなさや違和感を感じ、現場のお困りごと(問題)を元に設定されたテーマに対し拒否反応を示したのかもしれません。

 

現場とエライ人では、視座の高さが異なります。当然、エライ人の視座は現場の視座よりも高く、見える範囲が異なります。その高い視座から見て感じた違和感が、現場から上がって来たテーマに感じたのかもしれません。そのあたりを意識してみると、そのすれ違いの原因が見えてくることがあります。

 

5.思いを言葉にできない

物足りなさや違和感は、言葉にして語らないと現場から見たら意味不明です。

 

現場から見たら、そのエライ人は、現場の声を無視し、見たくないファクト(事実)に蓋をする、信用のない肩書だけの人になり下がってしまいます。お互い視座の高さの違いを意識し、歩み寄る必要があります。ただ、視座を上げる...

データ分析

 

 

データ活用の為のテーマ設定は、現場で上手くいっていないこと、現場で出来ていないことが設定されます。しかし、設定されたテーマ(現場で出来ていないこと)を見て、出来ていないことを示す明らかなファクト(事実)を示しても「そんなこと出来ている」と言う方がたまにいます。今回は「テーマ設定で発生する現場とエライ人のすれ違い」というお話しです。

 

【目次】
1.こんなこと出来ている
2.明らかなファクト(事実)を示しても無駄なこともある
3.現場を知らない
4.視座の高さが違う
5.思いを言葉にできない

 

【この連載の前回:データ分析講座(その238)データサイエンティストに必要な鈍感力へのリンク】

1.こんなこと出来ている

現場の方と一緒に、よくデータサイエンスなどのデータ活用のテーマ設定をしているときのお話しです。

 

テーマ設定をするとき、現場のお困りごと(問題)から始めることが多いです。当然ですが、現場で上手く出来ていることが、現場からお困りごと(問題)として提示されることは、まずないです。たまに、そのお困りごと(問題)を元に設定されたテーマ(現場が出来ていないこと)に対し、エライ人が一言……「この程度のことは出来ている」

 

どういうことでしょうか。現場から上がって来た声を無視するかのようです。

 

2.明らかなファクト(事実)を示しても無駄なこともある

そこで、データにもとづいたファクト(事実)を示すこともあります。それでも一言……「そんなことはない」

 

見たくないファクト(事実)に蓋をするかのような言いぐさです。そんな人、本当にいるの??? と思われるかもしれませんが確実にいます。

 

3.現場を知らない

あまりにも強情だと、単に現場を知らないエライ人、というレッテルが張られ信用が落ちるばかりです。

 

現場の人が出来ていないと言っているのに、出来ているはずだ、と言うのですから意味不明です。そのエライ人は、本当に現場を知らないどころか、現場の声を無視し、見たくないファクト(事実)に蓋をする、どうしようもない人なのでしょうか?

 

4.視座の高さが違う

現場をよく知らないというのは確かでしょう。現場から離れて久しいからです。もしかしたら、そのエライ人は物足りなさや違和感を感じ、現場のお困りごと(問題)を元に設定されたテーマに対し拒否反応を示したのかもしれません。

 

現場とエライ人では、視座の高さが異なります。当然、エライ人の視座は現場の視座よりも高く、見える範囲が異なります。その高い視座から見て感じた違和感が、現場から上がって来たテーマに感じたのかもしれません。そのあたりを意識してみると、そのすれ違いの原因が見えてくることがあります。

 

5.思いを言葉にできない

物足りなさや違和感は、言葉にして語らないと現場から見たら意味不明です。

 

現場から見たら、そのエライ人は、現場の声を無視し、見たくないファクト(事実)に蓋をする、信用のない肩書だけの人になり下がってしまいます。お互い視座の高さの違いを意識し、歩み寄る必要があります。ただ、視座を上げるのは非常に大変なため、エライ人が現場理解をするという気持ちで、歩み寄った方がいい気がします。

 

エライ人から歩み寄る気配がない場合、そのエライ人が感じている物足りなさや違和感を、誰かがヒアリングし明らかにする手間が発生します。明らかにすべきは、見ているポイントや評価軸(多くの場合、無意識)、それを元にどう考えたのか、という思考過程です。

 

次回に続きます。

◆データ分析講座の注目記事紹介

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)


「情報マネジメント一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
分析対象データのクセを知るとは データ分析講座(その64)

◆ 高度な「売上分析手法」を使う前にすべきな「基礎分析」  どうしてもデータ分析と聞くと、高度な統計モデルや、今流行りの機械学習モデルをイメージする...

◆ 高度な「売上分析手法」を使う前にすべきな「基礎分析」  どうしてもデータ分析と聞くと、高度な統計モデルや、今流行りの機械学習モデルをイメージする...


営業に「行くべき顧客」とは データ分析講座(その37)

◆ 営業が「行きたがる顧客」ではなく「行くべき顧客」を、ちょっとしたデータで明らかにする方法  どの企業にでもあるのが、過去の取引データです。いつど...

◆ 営業が「行きたがる顧客」ではなく「行くべき顧客」を、ちょっとしたデータで明らかにする方法  どの企業にでもあるのが、過去の取引データです。いつど...


時系列データに対するクロスバリデーション法、データ分析講座(その307)

    ビジネスの世界では、売上などの時系列データを使い予測モデルを構築し、近未来を予測しながらビジネス活動する人や組織があり...

    ビジネスの世界では、売上などの時系列データを使い予測モデルを構築し、近未来を予測しながらビジネス活動する人や組織があり...


「情報マネジメント一般」の活用事例

もっと見る
‐販路開拓に関する問題事例‐ 製品・技術開発力強化策の事例(その19)

 前回の事例その18に続いて解説します。多額の資金と労力を費やして開発した知的財産をどのように活用して販路開拓に結びつけるのか、大変重要な問題ですが、販売...

 前回の事例その18に続いて解説します。多額の資金と労力を費やして開発した知的財産をどのように活用して販路開拓に結びつけるのか、大変重要な問題ですが、販売...


簡易版DX/IoTから機械学習への移行

  DX(デジタル・トランスフォーメーション)を使えばコスト削減と納期短縮が可能に 産業界のニュースなどをインターネットで読んでいると、DX...

  DX(デジタル・トランスフォーメーション)を使えばコスト削減と納期短縮が可能に 産業界のニュースなどをインターネットで読んでいると、DX...


生産スピード向上と品質管理

 電子メールやインターネットの普及により、ビジネスのグローバル化が大きく進みましたが、IT技術の進歩は、品質管理の方法も進歩させました。20数年前は製造条...

 電子メールやインターネットの普及により、ビジネスのグローバル化が大きく進みましたが、IT技術の進歩は、品質管理の方法も進歩させました。20数年前は製造条...