最近多いケーススタディ⑥「モニタリング指標の異常検知」 データ分析講座(その193)

更新日

投稿日

 

 

データを使い販売力を効率的に高めるセールスアナリティクスには、3つの典型的なテーマがあります。

  • 新規顧客の獲得
  • 既存顧客の離反阻止
  • 既存顧客の取引額拡大

もしくは、3つを区別せず「売上」や「利益」、「コスト」という感じで合算して数字を分析する感じになるかもしれません。そういう意味では、典型的なテーマは3つではなく4つと言えるかもしれません。その中で、最近多いケーススタディを何回かに分けて紹介していきます。今回は、「モニタリング指標の異常検知」のお話しをします。

【目次】

1.新規顧客と既存顧客が区別できないデータもある
(1)そもそも、「売上」や「利益」、「コスト」という感じで合算して数字を分析するケースも多い
(2)注目すべき指標を見える化しモニタリングするケースは多い
(3)目的変数Yだけでも始められる
2.イノベーションが起こったと表現することもある

 

1.新規顧客と既存顧客が区別できないデータもある

データの状況によっては、3つの典型的なテーマである「新規顧客の獲得」「既存顧客の離反阻止」「既存顧客の取引額拡大」が難しい場合もあります。

 

例えば、小売店のPOSデータなどは売上までは分かりますが、誰が購入したのかまでは追えない場合が多いので、「新規顧客の獲得」「既存顧客の離反阻止」「既存顧客の取引額拡大」といったデータ分析・活用が明確にできないかもしれません。

 

3つを区別するのが難しい場合には、3つを区別せず合算した数字で分析するしかありません。

 

(1)そもそも、「売上」や「利益」、「コスト」という感じで合算して数字を分析するケースも多い

そもそも、「新規顧客の獲得」「既存顧客の離反阻止」「既存顧客の取引額拡大」の前に、3つを区別せず「売上」や「利益」、「コスト」という感じで合算して数字を分析するケースも多いでしょう。

 

例えば.……

  • 昨年と今年の売上を比較する
  • 日々モニタリングしている売上に異常がないか監視する
  • 先月のキャンペーンに効果があったのかを評価する
  • 売上に異常が起こりそうかを予知する

……などです。

 

(2)注目すべき指標を見える化しモニタリングするケースは多い


注目すべき指標(例:売上やコスト、利益、客数、客単価など)を、年度・半期・四半期・月などの単位で評価をしたり、日々モニタリングし監視したりすることはあると思います。このようなデータ分析・活用を「モニタリング指標の異常検知」と言います。

 

(3)目的変数Yだけでも始められる

 

データ分析

 

このデータ分析・活用の特徴は、注目すべき指標(例:売上やコスト、利益、客数、客単価など)のデータだけでも実施できるため、すぐにでも始められるという点です。もちろん、注目すべき指標(例:売上やコスト、利益、客数、客単価など)のデータ以外の、注目すべき指標に影響を与える要因に関するデータもあれば、より精緻なデータ分析・活用になります。

 

「注目すべき指標」を「目的変数Y」、「注目すべき指標に影響を与える要因」を「説明変数X」という表現することもあります。

 

2.イノベーションが起こったと表現することもある

「注目すべき指標」である「目的変数Y」が異常かどうかを評価するとき、通常は「目...

 

 

データを使い販売力を効率的に高めるセールスアナリティクスには、3つの典型的なテーマがあります。

  • 新規顧客の獲得
  • 既存顧客の離反阻止
  • 既存顧客の取引額拡大

もしくは、3つを区別せず「売上」や「利益」、「コスト」という感じで合算して数字を分析する感じになるかもしれません。そういう意味では、典型的なテーマは3つではなく4つと言えるかもしれません。その中で、最近多いケーススタディを何回かに分けて紹介していきます。今回は、「モニタリング指標の異常検知」のお話しをします。

【目次】

1.新規顧客と既存顧客が区別できないデータもある
(1)そもそも、「売上」や「利益」、「コスト」という感じで合算して数字を分析するケースも多い
(2)注目すべき指標を見える化しモニタリングするケースは多い
(3)目的変数Yだけでも始められる
2.イノベーションが起こったと表現することもある

 

1.新規顧客と既存顧客が区別できないデータもある

データの状況によっては、3つの典型的なテーマである「新規顧客の獲得」「既存顧客の離反阻止」「既存顧客の取引額拡大」が難しい場合もあります。

 

例えば、小売店のPOSデータなどは売上までは分かりますが、誰が購入したのかまでは追えない場合が多いので、「新規顧客の獲得」「既存顧客の離反阻止」「既存顧客の取引額拡大」といったデータ分析・活用が明確にできないかもしれません。

 

3つを区別するのが難しい場合には、3つを区別せず合算した数字で分析するしかありません。

 

(1)そもそも、「売上」や「利益」、「コスト」という感じで合算して数字を分析するケースも多い

そもそも、「新規顧客の獲得」「既存顧客の離反阻止」「既存顧客の取引額拡大」の前に、3つを区別せず「売上」や「利益」、「コスト」という感じで合算して数字を分析するケースも多いでしょう。

 

例えば.……

  • 昨年と今年の売上を比較する
  • 日々モニタリングしている売上に異常がないか監視する
  • 先月のキャンペーンに効果があったのかを評価する
  • 売上に異常が起こりそうかを予知する

……などです。

 

(2)注目すべき指標を見える化しモニタリングするケースは多い


注目すべき指標(例:売上やコスト、利益、客数、客単価など)を、年度・半期・四半期・月などの単位で評価をしたり、日々モニタリングし監視したりすることはあると思います。このようなデータ分析・活用を「モニタリング指標の異常検知」と言います。

 

(3)目的変数Yだけでも始められる

 

データ分析

 

このデータ分析・活用の特徴は、注目すべき指標(例:売上やコスト、利益、客数、客単価など)のデータだけでも実施できるため、すぐにでも始められるという点です。もちろん、注目すべき指標(例:売上やコスト、利益、客数、客単価など)のデータ以外の、注目すべき指標に影響を与える要因に関するデータもあれば、より精緻なデータ分析・活用になります。

 

「注目すべき指標」を「目的変数Y」、「注目すべき指標に影響を与える要因」を「説明変数X」という表現することもあります。

 

2.イノベーションが起こったと表現することもある

「注目すべき指標」である「目的変数Y」が異常かどうかを評価するとき、通常は「目的変数Y」を予測し、その予測値と実測値に顕著な乖離がある場合に、異常と判断をします。構築する「数理モデル」(予測モデル)は「今までを表現したもの」です。

 

この場合の「予測値」は「今までであればどうなるのか」という値です。今までと異なることが起こると、予測値と実測値が乖離します。

 

そのため、「今までとは異なる何かが起こった」ということで、「異常が起こった」とは言わずに「イノベーションが起こった」という表現をすることがあります。

 

 

次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)


「情報マネジメント一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
やったことのないデータ活用を率先してやる データ分析講座(その229)

  【この連載の前回:データ分析講座(その228)上手くいかないと思ったらデータで裏付けへのリンク】 ◆関連解説『情報マネジメントとは』...

  【この連載の前回:データ分析講座(その228)上手くいかないと思ったらデータで裏付けへのリンク】 ◆関連解説『情報マネジメントとは』...


データドリブンとは「データ用いた継続的改善」である データ分析講座(その186)

  データ活用で重要なのは、続けることです。打ち上げ花火のような一発ドカンと何かをするのではなく、地味に続けることが重要です。打ち上げ花火...

  データ活用で重要なのは、続けることです。打ち上げ花火のような一発ドカンと何かをするのではなく、地味に続けることが重要です。打ち上げ花火...


金額に近い定量的な指標とは データ分析講座(その144)

◆ データ分析・活用の成果を金額で示せばインパクト大  頑張って出したデータ分析・活用の成果を、どう表現するのかは重要です。少なくとも、データ分析・...

◆ データ分析・活用の成果を金額で示せばインパクト大  頑張って出したデータ分析・活用の成果を、どう表現するのかは重要です。少なくとも、データ分析・...


「情報マネジメント一般」の活用事例

もっと見る
現場のExcel依存に注意しよう

 マイクロソフトの「Excel」は企業の業務遂行にとって欠かせないツールになりました。数字の集計、グラフの作成にとどまらず、作業伝票の発行、作業の管理、資...

 マイクロソフトの「Excel」は企業の業務遂行にとって欠かせないツールになりました。数字の集計、グラフの作成にとどまらず、作業伝票の発行、作業の管理、資...


ソーシャルメディアデータの解析事例:異分野研究から得られる共通した目的とは

 2020年、コロナウィルス感染の問題が大きくなり始めた頃、少人数の開催ということで、ソーシャルメディアデータ解析を専門にされている先生の講演会を聞く...

 2020年、コロナウィルス感染の問題が大きくなり始めた頃、少人数の開催ということで、ソーシャルメディアデータ解析を専門にされている先生の講演会を聞く...


中小製造業とIoTの波

 「IoT(アイオーティー)」の波が、中小製造業にどのような影響をおよぼすのか、具体的にどのような変化がこの業界に訪れるのかについて、解説します。   ...

 「IoT(アイオーティー)」の波が、中小製造業にどのような影響をおよぼすのか、具体的にどのような変化がこの業界に訪れるのかについて、解説します。   ...