生産スピード向上と品質管理

 
品質管理
電子メールやインターネットの普及により、ビジネスのグローバル化が大きく進みましたが、IT技術の進歩は、品質管理の方法も進歩させました。20数年前は製造条件や設備のステータスの確認は、人による目視チェックでした。チェックシートを用いたマニュアル管理が主で、情報収集はマンパワーに頼っていたと言えます。今は通信機能を用いる事で設備から多種多様なステータスデータのログを取ることができ、直接PCへ電子データとして取り組み事が可能となっています。
 
 単なる採取の簡便さだけでなく、採取と同時に情報処理を行う事でリアルタイムSPCとして品質管理技術の向上にも大きく貢献しています。生産ラインの自動化で生産速度が飛躍的に向上した為、工程異常をタイムリーに検知しなければ不具合品を造り続け手直しや廃棄作業及びその為のコストがかかります。
 
 よって検知の迅速化だけでなく、異常範囲の特定や異常品の流出防止、生産再開の判断基準も適切に決めておく必要があります。 また実際に行った対処記録もエビデンス(証拠)として残しておく必要があります。
 
 品質システムにフォーカスした顧客監査では一つの工程異常を追いかけ、検知、暫定対処、不適合品の流出防止、恒久対策、再発防止、標準への反映などの一連のリアクションがきちんと取れているか、即ち品質管理システムが有効に機能しているか厳しく観察され、一つでも不明瞭な点があれば多数の宿題を頂く事もあります。
 
 膨大なデータが採取可能な一方で情報を得る事に満足せず、データをどの様に活用し、サービスの拡充や利益へ還元させるか吟味しないとITコストのムダとなります。
 
 例えば最近の宅配サービスは手続き後の荷物の状態をウェブ上から参照できるようなサービスが展開されています。これは自分たちが用いるIT情報の一部を顧客にも利用可能にしてサービスの付加価値を高めている良い事例です。
 
 元々は配送トラブルが生じてから提供すべき情報を平素でも公開する事により利用者に信頼感や安心感が生まれ利用促進に繋がっているのは間違い無いでしょう。
 
 また少し前は採取・加工されたデータの閲覧にはPCを介す必要があったので気軽に情報を活用する側面では問題を残していたのですが、近年のスマートフォンや電子パッドの普及で収集したデータを簡便に引き出し参照する事が出来るようになりました。
 
 医療ドラマで検査データを電子パッドで確認しているスマートなシーンが見られますが、これも情報シェアの利便性向上の一つの事例です。製造現場では作業標準や手順書の閲覧や作業帳票への入力が頻繁に行われていますが、これも電子パッドで行うことで持ち場を離れずに行うことが可能となり作業効率改善に貢献しています。
 
 品質管理技術の進歩はCOPQ(Cost of Poor Quality)の抑制にも貢献出来ます。 COPQとは低品質が引き起こすムダなコストの事で、典型的例としては低歩留りよる廃棄や手直しコストが挙げられます。品質とコストは切り離して考えるものでは無く、共存共栄を目的としてテクノロジーを活用していくことが不可欠な時代に入ったと言えます。
 

この記事の著者

眞名子 和義

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します

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