営業データ分析で冒険的なチャレンジをやり続ける データ分析講座(その14)

更新日

投稿日

 

情報マネジメント

◆ 営業データ分析で冒険的なチャレンジができるからワクワクする

 「データから何か新しい発見したいのだけど」よくこのような質問をされることがあります。データを分析することで、今まで気付かなかった知見を得られるのではないかと、期待しているのです。正直、データをいくら分析しても、ビックリするような知見を得られることは少ないのです。感のいい人は、データから得られるような知見は、営業データ分析をする前から、何となく薄々気付いています。では、データから何を得られるのでしょうか。

1. データ分析で、収益は拡大し安定化する

 営業や販売促進などのマーケティング系のデータ分析で得られことは、収益かもしくは効率性です。収益とは、売上のことです。効率性とは、少ないコストで、より多くの売上をあげることです。マーケティングに限定すれば、マーケティングROI(Return On Investment)などと呼ばれ、要するに費用対効果のことです。データ分析では、この収益を拡大するか、もしくは収益を安定化することができます。収益の拡大とは、文字通り売上を増やすこと。収益を安定化させるとは、例えば受注の波を平準化すること。つまり、営業データ分析のメリットとして、収益を拡大し安定化するということと、効率性を高めマーケティングROI(Return On Investment)を改善することがあげられます。

 要するに、このようなデータ分析には、今まで気付かなかった知見を得られることはありません。どちらかというと、堅実に収益を拡大し安定化させることができるのです。さらに、効率性を高めることで、企業の生産性をどんどん良くしていきます。

2. データ分析で収益は安定化する

 事業を経営する上では、収益は安定した方が良いでしょう。毎月の売上がジェットコースターのように、上がったり下がったりしたのでは、心が休まりません。このような売上のジェットコースター状態(収益のむら)を緩和させることが、データ分析で実現できます。さらに、月別の収益のむらを緩和するだけでなく、組織や個人の収益のむらを緩和することが、データ分析では可能になります。

<例えば、営業部や営業課の組織単位>

 組織間で比較することで、成績の良い組織とそうでない組織が分かります。組織間で、成績の良い悪いという「収益のむら」が起こっています。その原因をデータに基づいて調べれば、改善に向かって進むことができます。もしかしたら、扱っている商材の問題かもしれないし、その組織の習慣の問題なのかもしれない。ある一つの営業課の中でも、個人間で比較することで、成績の良い人とそうでない人が分かります。同じ課であれば、扱っている商材などはほぼ同じです。それでも、成績の良い悪いという「収益のむら」が起こっています。その原因をデータに基づいて調べれば、改善に向かって進むことができます。個人のスキルの問題かもしれないし、ちょっとした工夫の問題かもしれない。

 このような「収益のむら」の原因をデータに基づいて調べれば、収益のむらが緩和され安定化してきます。単に安定化するのではなく、収益が拡大する方に安定化します。なぜならば、成績の良し悪しという「収益のむら」を緩和するのに、通常は「成績の良い」ほうを目指し改善していくからです。要するに、「成績の良い」ほうに寄せていくため収益は拡大するということです。しかしながら、そう考えるとデータ分析は「手堅い」やり方なのかもしれません。けど「面白味がない」ような気もします。

3. 収益が拡大し安定化すると、冒険的なチャレンジがしやすい

 データを分析することで、今まで気付かなかった知見を得ることはまれです。営業データ分析も同様です。営業データ分析方法を変えても、営業データ分析の進め方を工夫しても、この呪縛からは逃れられません。感の良い人であれば、営業データ分析から導き出されたことは、何となく分かっていたことのケースが多いです。何となく分かっていたことを、データで証明してくれるため、自信をもって動ける、というメリットはあります。さらに、営業データ分析で未来予測ができるので、手探りで動くよりも動きやすい、というメリットもあります。

 要するに、収益を拡大し安定化させるのが営業データ分析です。さらに、効率性を改善し生産性をあげることもできます。しかし、今まで気付かなかった知見を得ることはまれ。つまり、営業データ分析は手堅い。

 確かに、今まで気付かなかった知見を得ることは、わくわくします。営業データ分析がもたらすわくわくは、新たな知見を得ることではなく、冒険的なチャレンジがしやすいことです。もちろん、営業データ分析で今まで気付かなかった知見を得ることもありますが、たまにしかありません。冒険的なチャレンジがし...

 

情報マネジメント

◆ 営業データ分析で冒険的なチャレンジができるからワクワクする

 「データから何か新しい発見したいのだけど」よくこのような質問をされることがあります。データを分析することで、今まで気付かなかった知見を得られるのではないかと、期待しているのです。正直、データをいくら分析しても、ビックリするような知見を得られることは少ないのです。感のいい人は、データから得られるような知見は、営業データ分析をする前から、何となく薄々気付いています。では、データから何を得られるのでしょうか。

1. データ分析で、収益は拡大し安定化する

 営業や販売促進などのマーケティング系のデータ分析で得られことは、収益かもしくは効率性です。収益とは、売上のことです。効率性とは、少ないコストで、より多くの売上をあげることです。マーケティングに限定すれば、マーケティングROI(Return On Investment)などと呼ばれ、要するに費用対効果のことです。データ分析では、この収益を拡大するか、もしくは収益を安定化することができます。収益の拡大とは、文字通り売上を増やすこと。収益を安定化させるとは、例えば受注の波を平準化すること。つまり、営業データ分析のメリットとして、収益を拡大し安定化するということと、効率性を高めマーケティングROI(Return On Investment)を改善することがあげられます。

 要するに、このようなデータ分析には、今まで気付かなかった知見を得られることはありません。どちらかというと、堅実に収益を拡大し安定化させることができるのです。さらに、効率性を高めることで、企業の生産性をどんどん良くしていきます。

2. データ分析で収益は安定化する

 事業を経営する上では、収益は安定した方が良いでしょう。毎月の売上がジェットコースターのように、上がったり下がったりしたのでは、心が休まりません。このような売上のジェットコースター状態(収益のむら)を緩和させることが、データ分析で実現できます。さらに、月別の収益のむらを緩和するだけでなく、組織や個人の収益のむらを緩和することが、データ分析では可能になります。

<例えば、営業部や営業課の組織単位>

 組織間で比較することで、成績の良い組織とそうでない組織が分かります。組織間で、成績の良い悪いという「収益のむら」が起こっています。その原因をデータに基づいて調べれば、改善に向かって進むことができます。もしかしたら、扱っている商材の問題かもしれないし、その組織の習慣の問題なのかもしれない。ある一つの営業課の中でも、個人間で比較することで、成績の良い人とそうでない人が分かります。同じ課であれば、扱っている商材などはほぼ同じです。それでも、成績の良い悪いという「収益のむら」が起こっています。その原因をデータに基づいて調べれば、改善に向かって進むことができます。個人のスキルの問題かもしれないし、ちょっとした工夫の問題かもしれない。

 このような「収益のむら」の原因をデータに基づいて調べれば、収益のむらが緩和され安定化してきます。単に安定化するのではなく、収益が拡大する方に安定化します。なぜならば、成績の良し悪しという「収益のむら」を緩和するのに、通常は「成績の良い」ほうを目指し改善していくからです。要するに、「成績の良い」ほうに寄せていくため収益は拡大するということです。しかしながら、そう考えるとデータ分析は「手堅い」やり方なのかもしれません。けど「面白味がない」ような気もします。

3. 収益が拡大し安定化すると、冒険的なチャレンジがしやすい

 データを分析することで、今まで気付かなかった知見を得ることはまれです。営業データ分析も同様です。営業データ分析方法を変えても、営業データ分析の進め方を工夫しても、この呪縛からは逃れられません。感の良い人であれば、営業データ分析から導き出されたことは、何となく分かっていたことのケースが多いです。何となく分かっていたことを、データで証明してくれるため、自信をもって動ける、というメリットはあります。さらに、営業データ分析で未来予測ができるので、手探りで動くよりも動きやすい、というメリットもあります。

 要するに、収益を拡大し安定化させるのが営業データ分析です。さらに、効率性を改善し生産性をあげることもできます。しかし、今まで気付かなかった知見を得ることはまれ。つまり、営業データ分析は手堅い。

 確かに、今まで気付かなかった知見を得ることは、わくわくします。営業データ分析がもたらすわくわくは、新たな知見を得ることではなく、冒険的なチャレンジがしやすいことです。もちろん、営業データ分析で今まで気付かなかった知見を得ることもありますが、たまにしかありません。冒険的なチャレンジがしやすいという営業データ分析のわくわくに比べれば、あまり期待できないことです。

 ところで、なぜ営業データ分析をすると、冒険的なチャレンジがしやすいのでしょうか。

 それは、営業データ分析をすると、収益が拡大し安定化するからです。収益が拡大し安定化することで、経営基盤が安定化します。決まった売上は計算できるようになります。その結果、経営に余裕が出てきます。その出てきた余裕を、新しい冒険的なチャレンジするために割り当てるのです。だから、営業データ分析で冒険的なチャレンジができるので、営業データ分析でワクワクするのです。新しい冒険的なチャレンジの多くは失敗することでしょう。

 しかし、チャレンジのいくつかはそれなりの売上をもたらしてくれることでしょう。それなりの売上をもたらしてくれた新しい冒険的なチャレンジを、営業データ分析の方法を使い、その収益を拡大させ安定化させ、効率性を改善し生産性をあげることで、あらたな収益の柱にします。そして、また新しい冒険的なチャレンジに挑んでいきます。つまり、営業データ分析で冒険的なチャレンジをやり続けることができるのです。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)


「情報マネジメント一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
立場によって意味合いが異なる見える化 データ分析講座(その126)

◆ 「データによる見える化」で見たいものが異なる人々  データ分析・活用の第一歩として「見える化」というキーワードがあります。まずはデータを収集し現...

◆ 「データによる見える化」で見たいものが異なる人々  データ分析・活用の第一歩として「見える化」というキーワードがあります。まずはデータを収集し現...


データ活用には製販分離は大きな壁 データ分析講座(その70)

◆ 製造業のデータ活用の壁 : 製販分離の効率化が壁になり不効率を生み出す  製造業であれ ITベンダーであれ、ある一定規模の企業体になると、どうし...

◆ 製造業のデータ活用の壁 : 製販分離の効率化が壁になり不効率を生み出す  製造業であれ ITベンダーであれ、ある一定規模の企業体になると、どうし...


MPUとは何か?

  電子機器の多くには、マイコンが用いられていますが、マイコンは、それらの機器の内部で部品として何をしているのでしょうか。 マイコンはそ...

  電子機器の多くには、マイコンが用いられていますが、マイコンは、それらの機器の内部で部品として何をしているのでしょうか。 マイコンはそ...


「情報マネジメント一般」の活用事例

もっと見る
‐販路開拓に関する問題事例‐ 製品・技術開発力強化策の事例(その19)

 前回の事例その18に続いて解説します。多額の資金と労力を費やして開発した知的財産をどのように活用して販路開拓に結びつけるのか、大変重要な問題ですが、販売...

 前回の事例その18に続いて解説します。多額の資金と労力を費やして開発した知的財産をどのように活用して販路開拓に結びつけるのか、大変重要な問題ですが、販売...


‐技術開発の目標について 第1回‐  製品・技術開発力強化策の事例(その15)

 前回の事例その14に続いて解説します。製品開発を目指している企業の中には、テ-マが見つかったら、または、アイデアが閃いたら開発に取り組む。そのような淡い...

 前回の事例その14に続いて解説します。製品開発を目指している企業の中には、テ-マが見つかったら、または、アイデアが閃いたら開発に取り組む。そのような淡い...


‐技術開発の目標について 第2回‐  製品・技術開発力強化策の事例(その16)

 技術開発の目標を解説する以下の項目4点について、前回は、1と2を解説しましたので、今回は、第2回として、3と4を記述します。          1....

 技術開発の目標を解説する以下の項目4点について、前回は、1と2を解説しましたので、今回は、第2回として、3と4を記述します。          1....