過去を整理し未来を創造する データ分析講座(その10)

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情報マネジメント

◆ 社内随一のデータ分析の達人は、経営層に必ずいるという驚愕の事実

 「うちの会社に、データ分析人財が不足しているというか、いないんだが……」、最近、このような問題意識をもつ経営者が増えているように感じます。確かに、ビッグデータ・ブームやデータサイエンス・ブーム、AI(人工知能)ブームなどの影響で、データ分析に興味をもつ経営者が増え、単に興味を持つだけでなく自社でやってみようと考える経営者も少なからずいます。そして、最初の壁が人財の壁です。少なくとも、そのように感じるようです。

1. データ分析:人財の壁は「たいしたことない」という事実

 「何かしらデータ分析をやりたい」という企業の最初の壁は、人財の壁です。少なくとも、多くの企業はそのように感じます。確かに、データ分析のできる人財は、そう多くはありません。そもそも、データ分析と言われて、何を思い浮かべるでしょうか?

 多くの方が思い浮かべるデータ分析は、「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力する」ことです。このようなデータ分析は、教育を受け実務経験を積めば、ある程度は身に付きます。理系・文系は関係ありません。例えば、私の知り合いの中には、哲学科出身のすごいデータ分析者や高校教育を受けていないデータ分析者などがいます。

 つまり、データ分析の「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力する」の部分は、ビジネススキルの一つであるため、誰でも身に着けることができます。もちろん、数学やIT技術などが得意な方が、高度な分析手法を使える可能性が広がります。しかし、多くの場合は、あえて高度な分析手法を使う必要はありません。簡単な分析手法で十分です。

2. データ分析:誰が一番数字(データ)を気にするのか

 ちなみに、「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力する」はデータ分析の一部分にすぎません。当然ですが、出力した分析結果をビジネスに活かさないことには、データ分析は完結しません。つまり、データ分析は「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力し、その出力した分析結果をもとに、ビジネスに活かし収益を拡大する」ということになります。

 少なくとも、ビジネス上でデータ分析をするならば、収益を左右するようなデータ分析でないと意味はありません。そして、データ分析で一番難しいのが、「その出力した分析結果をもとに、ビジネスに活かし収益を拡大する」の部分です。データ分析の結果の多くは数字(データ)です。その数字(データ)は、実際に起こった営業活動や顧客行動などの結果の一面を表しているに過ぎません。

 ビジネスにおいて一番お目にかかる数字(データ)は「売上」や「利益」、「コスト」に関するものでしょう。この数字(データ)を一番気にするのは誰でしょうか?「売上」や「利益」、「コスト」を一番気にするのは経営者でしょう。多くの企業では、社長だと思います。社員の中には、自社の売上規模すら知らない人も、少なからずいることでしょう。しかし、多くの経営者(とくに社長)の中に、自社の売上規模を知らない人は皆無だと思います。

3. データ分析:すべては安定した収益へつながる

 多くの経営者(とくに社長)は、常に売上を気にし、さらに入金や支払いの時期を上手くコントロールしながら、経営していることでしょう。黒字倒産などになったら、しゃれになりません。「売上」や「利益」、「コスト」に関連する数字(データ)を日々気にしながら、結局のところ収益を安定化させようと苦心しています。単に売上規模を大きくするのではなく、できれば毎月安定した売上が計上できるようにしたい。

 私も何度か経験がありますが、ベンチャー企業などは売上は、ジェットコースターのようです。ある月に億単位の売上を上げたと思ったら、次の月から数か月間、売上がほぼゼロなんてこともざらにあります。受注のムラが非常に大きいのです。売上が安定するのに、数年(5年ほど)かかったことを覚えています。結局のところ、受注のムラを無くすために、「売上」や「利益」、「コスト」に関連する数字(データ)を穴のあくほど見つめ、どのような営業・販売促進活動をするのかをシミュレーションし考えたことを覚えています。

 自分の実体験から考えると、多くの経営者(とくに社長)が、「売上」や「利益」、「コスト」に関連する数字(データ)を見て考えるのは、安定した収益拡大を実現するためでしょう。つまり、「安定」と「拡大」です。

4. 数字(データ)で考えるということ

 「売上」や「利益」、「コスト」に関連する数字(データ)を見て考えることこそ、まさにデータ分析そのものです。データ分析は、「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力し、その出力した分析結果をもとに、ビジネスに活かし収益を拡大する」することです。その中で一番難しいのが、「その出力した分析結果をもとに、ビジネスに活かし収益を拡大する」の部分です。

 この一番難しいことを日々しているのが、多くの経営者(とくに社長)なのです。「データを集め、その集めた...

 

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◆ 社内随一のデータ分析の達人は、経営層に必ずいるという驚愕の事実

 「うちの会社に、データ分析人財が不足しているというか、いないんだが……」、最近、このような問題意識をもつ経営者が増えているように感じます。確かに、ビッグデータ・ブームやデータサイエンス・ブーム、AI(人工知能)ブームなどの影響で、データ分析に興味をもつ経営者が増え、単に興味を持つだけでなく自社でやってみようと考える経営者も少なからずいます。そして、最初の壁が人財の壁です。少なくとも、そのように感じるようです。

1. データ分析:人財の壁は「たいしたことない」という事実

 「何かしらデータ分析をやりたい」という企業の最初の壁は、人財の壁です。少なくとも、多くの企業はそのように感じます。確かに、データ分析のできる人財は、そう多くはありません。そもそも、データ分析と言われて、何を思い浮かべるでしょうか?

 多くの方が思い浮かべるデータ分析は、「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力する」ことです。このようなデータ分析は、教育を受け実務経験を積めば、ある程度は身に付きます。理系・文系は関係ありません。例えば、私の知り合いの中には、哲学科出身のすごいデータ分析者や高校教育を受けていないデータ分析者などがいます。

 つまり、データ分析の「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力する」の部分は、ビジネススキルの一つであるため、誰でも身に着けることができます。もちろん、数学やIT技術などが得意な方が、高度な分析手法を使える可能性が広がります。しかし、多くの場合は、あえて高度な分析手法を使う必要はありません。簡単な分析手法で十分です。

2. データ分析:誰が一番数字(データ)を気にするのか

 ちなみに、「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力する」はデータ分析の一部分にすぎません。当然ですが、出力した分析結果をビジネスに活かさないことには、データ分析は完結しません。つまり、データ分析は「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力し、その出力した分析結果をもとに、ビジネスに活かし収益を拡大する」ということになります。

 少なくとも、ビジネス上でデータ分析をするならば、収益を左右するようなデータ分析でないと意味はありません。そして、データ分析で一番難しいのが、「その出力した分析結果をもとに、ビジネスに活かし収益を拡大する」の部分です。データ分析の結果の多くは数字(データ)です。その数字(データ)は、実際に起こった営業活動や顧客行動などの結果の一面を表しているに過ぎません。

 ビジネスにおいて一番お目にかかる数字(データ)は「売上」や「利益」、「コスト」に関するものでしょう。この数字(データ)を一番気にするのは誰でしょうか?「売上」や「利益」、「コスト」を一番気にするのは経営者でしょう。多くの企業では、社長だと思います。社員の中には、自社の売上規模すら知らない人も、少なからずいることでしょう。しかし、多くの経営者(とくに社長)の中に、自社の売上規模を知らない人は皆無だと思います。

3. データ分析:すべては安定した収益へつながる

 多くの経営者(とくに社長)は、常に売上を気にし、さらに入金や支払いの時期を上手くコントロールしながら、経営していることでしょう。黒字倒産などになったら、しゃれになりません。「売上」や「利益」、「コスト」に関連する数字(データ)を日々気にしながら、結局のところ収益を安定化させようと苦心しています。単に売上規模を大きくするのではなく、できれば毎月安定した売上が計上できるようにしたい。

 私も何度か経験がありますが、ベンチャー企業などは売上は、ジェットコースターのようです。ある月に億単位の売上を上げたと思ったら、次の月から数か月間、売上がほぼゼロなんてこともざらにあります。受注のムラが非常に大きいのです。売上が安定するのに、数年(5年ほど)かかったことを覚えています。結局のところ、受注のムラを無くすために、「売上」や「利益」、「コスト」に関連する数字(データ)を穴のあくほど見つめ、どのような営業・販売促進活動をするのかをシミュレーションし考えたことを覚えています。

 自分の実体験から考えると、多くの経営者(とくに社長)が、「売上」や「利益」、「コスト」に関連する数字(データ)を見て考えるのは、安定した収益拡大を実現するためでしょう。つまり、「安定」と「拡大」です。

4. 数字(データ)で考えるということ

 「売上」や「利益」、「コスト」に関連する数字(データ)を見て考えることこそ、まさにデータ分析そのものです。データ分析は、「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力し、その出力した分析結果をもとに、ビジネスに活かし収益を拡大する」することです。その中で一番難しいのが、「その出力した分析結果をもとに、ビジネスに活かし収益を拡大する」の部分です。

 この一番難しいことを日々しているのが、多くの経営者(とくに社長)なのです。「データを集め、その集めたデータを分析し、その結果を出力する」までのデータ分析人財は、教育と実務経験で、なんとかなります。私は、他社に依頼することはお勧めしませんが、他社に依頼しても良いでしょう。しかし、「その出力した分析結果をもとに、ビジネスに活かし収益を拡大する」の部分は、他社に依頼しても、より良い回答は得られないでしょう。自社内でどうにかする必要があります。なぜならば、数字(データ)に表れない部分を想像しながら、「その出力した分析結果」を読み解く必要があるからです。この「その出力した分析結果」を読み解く達人が、多くの経営者(とくに社長)なのです。

5. 社内随一のデータ分析の達人は社長

 つまり、「うちの会社に、データ分析人財が不足しているというか、いないんだが……」などと言っている経営者自身が、社内随一のデータ分析の達人なのです。多くの企業では、社長です。「数字(データ)で考えるということ」は、単にデータ分析結果を出すことで過去どうであったのかを考えるだけでなく、その結果をもとにどうすべきかという「未来」を考えることなのです。要するに、「過去」を整理し「未来」を創造する活動です。

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この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

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