データ活用はPoVでデータビジネスはPoBで データ分析講座(その268)

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データ分析

 

DXやAI、機械学習、データサイエンスというキーワードとともに、企業で実施されるようになったものの1つに、PoC(Proof of Concept、概念実証)というものがあります。PoCという名のもとに、実現可能性やそこで生み出される価値の見極め、ビジネス的な有効性を検証するために実施されているようです。似たような用語に、PoV(Proof of Value)とPoB(Proof of Business)があります。今回は「データ活用は『PoV』でデータビジネスは『PoB』で」というお話しをします。

 

【目次】
1. PoC(Proof of Concept)
2. PoV(Proof of Value)
3. PoB(Proof of Business)

 

【この連載の前回:(その267)データ分析と収穫逓減の法則と果汁理論へのリンク】

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

◆データ分析講座の注目記事紹介

1.PoC(Proof of Concept)

PoCは、文字通り解釈すれば、新たなコンセプトが実現可能かどうかを検証する、ということでしょう。ということは、この新しいコンセプトは実現可能か分からないぐらい未知なものである必要があります。それは、他社や他人にとって実現可能なものであっても、自社や自分にとって実現可能かどうか分からなければ、未知のものになります。

 

子どもの勉強法で考えると、A君の成績アップ方法はA君にとって実現可能な既知の方法ですが、その方法を取り入れようとしているB君にとっては自分が実現できるかどうかは未知です。

 

  • 新しいコンセプト:A君の成績アップ方法を自分に試す
  • 実現可能性:A君の成績アップ方法を実際に実行できる

 

コンセプトというとモヤッとし分かり難いですし、実現可能と言っても何の実現が??? と思う方もいることでしょう。

 

DXやAI、機械学習、データサイエンスなどという観点で言い換えると、新しいアイデアが技術的に可能かどうかを確かめる、ということでしょう。何はともあれ、PoCは実現可能性を検証しているということです。仮に実現可能であっても、そこで価値が生まれるかどうかは分かりません。

 

先程のB君が、A君の成績アップ方法を試してみた結果、問題なく行うことができたとしても、B君の成績が本当にあがるかどうかは別問題、ということです。

 

2.PoV(Proof of Value)

PoV(Proof of Value)とは、文字通り解釈すると、価値がでるかどうかを検証するということでしょう。

 

先程のB君が、A君の成績アップ方法を試してみた結果、B君の成績が本当にあがるかどうかを検証するということです。PoC貧乏という言葉がある通り、実現可能性を確かめるためにPoCばかり実施し、利益創出といった成果が出ず疲弊してしまう怪奇現象です。

 

たくさんのPoCの中で、1つでも当たればいいですが、なかなかそうもいきません。最初から価値を出すことを想定し、その価値がでそうかどいうかを見極めるといいでしょう。それが、PoVです。

 

DXやAI、機械学習、データサイエンスなどのデータ活用という観点でお話しすると、データ活用のテーマを選ぶ段階で、おいくら万円の価値がでそうかを想定する、ということです。要するに、実現可能かどうかではなく、1億円コストダウンできそうかどうかを、テーマ設定段階で考えるということです。

 

このDXの取り組みで1億円コストダウンできそう、この機械学習のモデルを導入すると1億円コストダウンできそう、といったことです。ポイントは、PoCのように技術的に実現できるかなぁ~ ではなく、最初から頭の中では1億円コストダウンできるけどどうだろうか、という感じで売上目標を立てるように、金額目標を考えることです。

 

3.PoB(Proof of Business)

PoB(Proof of Business)とは、文字通り解釈すると、事業的な有効性を検証するということでしょう。PoCやPoVとは話しのスケールが大きくな...

データ分析

 

DXやAI、機械学習、データサイエンスというキーワードとともに、企業で実施されるようになったものの1つに、PoC(Proof of Concept、概念実証)というものがあります。PoCという名のもとに、実現可能性やそこで生み出される価値の見極め、ビジネス的な有効性を検証するために実施されているようです。似たような用語に、PoV(Proof of Value)とPoB(Proof of Business)があります。今回は「データ活用は『PoV』でデータビジネスは『PoB』で」というお話しをします。

 

【目次】
1. PoC(Proof of Concept)
2. PoV(Proof of Value)
3. PoB(Proof of Business)

 

【この連載の前回:(その267)データ分析と収穫逓減の法則と果汁理論へのリンク】

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

◆データ分析講座の注目記事紹介

1.PoC(Proof of Concept)

PoCは、文字通り解釈すれば、新たなコンセプトが実現可能かどうかを検証する、ということでしょう。ということは、この新しいコンセプトは実現可能か分からないぐらい未知なものである必要があります。それは、他社や他人にとって実現可能なものであっても、自社や自分にとって実現可能かどうか分からなければ、未知のものになります。

 

子どもの勉強法で考えると、A君の成績アップ方法はA君にとって実現可能な既知の方法ですが、その方法を取り入れようとしているB君にとっては自分が実現できるかどうかは未知です。

 

  • 新しいコンセプト:A君の成績アップ方法を自分に試す
  • 実現可能性:A君の成績アップ方法を実際に実行できる

 

コンセプトというとモヤッとし分かり難いですし、実現可能と言っても何の実現が??? と思う方もいることでしょう。

 

DXやAI、機械学習、データサイエンスなどという観点で言い換えると、新しいアイデアが技術的に可能かどうかを確かめる、ということでしょう。何はともあれ、PoCは実現可能性を検証しているということです。仮に実現可能であっても、そこで価値が生まれるかどうかは分かりません。

 

先程のB君が、A君の成績アップ方法を試してみた結果、問題なく行うことができたとしても、B君の成績が本当にあがるかどうかは別問題、ということです。

 

2.PoV(Proof of Value)

PoV(Proof of Value)とは、文字通り解釈すると、価値がでるかどうかを検証するということでしょう。

 

先程のB君が、A君の成績アップ方法を試してみた結果、B君の成績が本当にあがるかどうかを検証するということです。PoC貧乏という言葉がある通り、実現可能性を確かめるためにPoCばかり実施し、利益創出といった成果が出ず疲弊してしまう怪奇現象です。

 

たくさんのPoCの中で、1つでも当たればいいですが、なかなかそうもいきません。最初から価値を出すことを想定し、その価値がでそうかどいうかを見極めるといいでしょう。それが、PoVです。

 

DXやAI、機械学習、データサイエンスなどのデータ活用という観点でお話しすると、データ活用のテーマを選ぶ段階で、おいくら万円の価値がでそうかを想定する、ということです。要するに、実現可能かどうかではなく、1億円コストダウンできそうかどうかを、テーマ設定段階で考えるということです。

 

このDXの取り組みで1億円コストダウンできそう、この機械学習のモデルを導入すると1億円コストダウンできそう、といったことです。ポイントは、PoCのように技術的に実現できるかなぁ~ ではなく、最初から頭の中では1億円コストダウンできるけどどうだろうか、という感じで売上目標を立てるように、金額目標を考えることです。

 

3.PoB(Proof of Business)

PoB(Proof of Business)とは、文字通り解釈すると、事業的な有効性を検証するということでしょう。PoCやPoVとは話しのスケールが大きくなります。

 

  • 例えば、DXやAI、機械学習、データサイエンスなどの技術を組み込んだ新規サービスを考えたとき、そのビジネスの有効性を検証するということです。
  • 例えば、DXやAI、機械学習、データサイエンスなどの技術を社内プロセスに組み込んだとき、社内にどのような良い影響が実現できたのかを数値的に検証することです。

 

BS(貸借対照表)やPL(損益計算書)などにどうヒットしたかとか、労働時間や従業員満足度がどう変化したのかとかを確かめるということです。最悪なのは、DXという名のもとに導入検討した、なぞのITシステムシステムを、PoCという形で導入検討し、価値検証も事業インパクトも数値で検証せずに導入してみたら、何かと面倒になっただけで、時間はかかるは、モチベーションは下がるはで、誰も幸せにならない何かです。

 

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この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

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