アクションを導くために考えるべきこと   データ分析講座(その285)

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情報マネジメント

 

データ活用全般にいえることですが、データは「過去」の「ある事象」(例:受注や生産、購買など)の「1面の1部分」だけを表したものに過ぎません。例えば「受注件数」というデータは「成果」という側面を表したデータにすぎず「成果を得るためのプロセス」や「顧客の心理状態」「営業パーソンの性格」なども、「受注」という事象の一側面です。この過去の一部分でしかないデータを使い、これから何をすべきかを考えるのですから、容易ではありません。今回は「アクションを導くために考えるべき3つのこと」というお話しをします。

 

【目次】
1. データを分析し考えていく3つのこと
 (1) 何が起こっていたのか(過去)
 (2) どうなりそうか(未来)
 (3) 何をすればよいのか(アクション)
2. 3つすべてを、データを使い実施するわけではない

【この連載の前回:(その284)データで出来ることとテーマ選定の難しさへのリンク】

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1. データを分析し考えていく3つのこと

データを使いより良いアクションを導き出すために、次の「3つのこと」を、データ分析して考えていきます。

  • (1) 何が起こっていたのか(過去)
  • (2) どうなりそうか(未来)
  • (3) 何をすればよいのか(アクション)

 

この順番で実施していきます。要は、過去を振り返り、未来を見通し、今何をすべきかを知る、という流れです。それぞれについて、説明します。

 

(1) 何が起こっていたのか(過去)

先ずは「何が起こっていたのか(過去)」を検討することから始めます。データ活用を考えたとき、多くの人が実施するのがこのデータ分析です。簡単そうに見えますが、実は難しい側面があります。データは過去の一部でしかないため、データだけで知り得る以上の何かを、分析者自らがデータから読み取る必要があるからです。

 

(2) どうなりそうか(未来)

「何が起こっていたのか(過去)」を検討後、次に「どうなりそうか(未来)」を検討します。過去のデータから未来を考えるのですから、一筋縄には行きません。工夫が必要になります。工夫の1つが、過去から未来を予測する数理モデルなどを構築するということです。

 

(3) 何をすればよいのか(アクション)

「どうなりそうか(未来)」を検討後、次に「何をすればよいのか(アクション)」を検討します。ここまで到達して初めて「データ分析を実施した」ことになります。データ分析は単に過去を語たり未来を見通すだけではなく「何をすべきか」というアクションまで提示する必要があります。提示とまでいかなくとも、アクションが見えるとこまでデータを分析する必要があります。

 

2. 3つすべてを、データを使い実施するわけではない

データを分析して考えていく3つのことを、簡単に説明しました。

  • (1) 何が起こっていたのか(過去)
  • (2) どうなりそうか(未来)
  • (3) 何をすればよいのか(アクション)

 

理想は、データを使い、この3つを実施することですが、そう簡単でもありません。予測モデルを構築し...

 

情報マネジメント

 

データ活用全般にいえることですが、データは「過去」の「ある事象」(例:受注や生産、購買など)の「1面の1部分」だけを表したものに過ぎません。例えば「受注件数」というデータは「成果」という側面を表したデータにすぎず「成果を得るためのプロセス」や「顧客の心理状態」「営業パーソンの性格」なども、「受注」という事象の一側面です。この過去の一部分でしかないデータを使い、これから何をすべきかを考えるのですから、容易ではありません。今回は「アクションを導くために考えるべき3つのこと」というお話しをします。

 

【目次】
1. データを分析し考えていく3つのこと
 (1) 何が起こっていたのか(過去)
 (2) どうなりそうか(未来)
 (3) 何をすればよいのか(アクション)
2. 3つすべてを、データを使い実施するわけではない

【この連載の前回:(その284)データで出来ることとテーマ選定の難しさへのリンク】

◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

◆データ分析講座の注目記事紹介

 

1. データを分析し考えていく3つのこと

データを使いより良いアクションを導き出すために、次の「3つのこと」を、データ分析して考えていきます。

  • (1) 何が起こっていたのか(過去)
  • (2) どうなりそうか(未来)
  • (3) 何をすればよいのか(アクション)

 

この順番で実施していきます。要は、過去を振り返り、未来を見通し、今何をすべきかを知る、という流れです。それぞれについて、説明します。

 

(1) 何が起こっていたのか(過去)

先ずは「何が起こっていたのか(過去)」を検討することから始めます。データ活用を考えたとき、多くの人が実施するのがこのデータ分析です。簡単そうに見えますが、実は難しい側面があります。データは過去の一部でしかないため、データだけで知り得る以上の何かを、分析者自らがデータから読み取る必要があるからです。

 

(2) どうなりそうか(未来)

「何が起こっていたのか(過去)」を検討後、次に「どうなりそうか(未来)」を検討します。過去のデータから未来を考えるのですから、一筋縄には行きません。工夫が必要になります。工夫の1つが、過去から未来を予測する数理モデルなどを構築するということです。

 

(3) 何をすればよいのか(アクション)

「どうなりそうか(未来)」を検討後、次に「何をすればよいのか(アクション)」を検討します。ここまで到達して初めて「データ分析を実施した」ことになります。データ分析は単に過去を語たり未来を見通すだけではなく「何をすべきか」というアクションまで提示する必要があります。提示とまでいかなくとも、アクションが見えるとこまでデータを分析する必要があります。

 

2. 3つすべてを、データを使い実施するわけではない

データを分析して考えていく3つのことを、簡単に説明しました。

  • (1) 何が起こっていたのか(過去)
  • (2) どうなりそうか(未来)
  • (3) 何をすればよいのか(アクション)

 

理想は、データを使い、この3つを実施することですが、そう簡単でもありません。予測モデルを構築したり、そのためのデータを整備したりと大変です。必ず実施すべきは「(1) 何が起こっていたのか(過去)」です。

 

その後の「(2) どうなりそうか(未来)」と「(3) 何をすればよいのか(アクション)」は、ベストエフォートな感じになることでしょう。多くはデータが不十分なことが原因です。データを使い実施できない場合、データ分析などの定量的なアプローチではなく、ロジカルシンキングブレストなどの定性的なアプローチをとることになります。

 

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この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

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