アクション系のデータとは データ分析講座(その105)

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◆ 必ず整備されていないデータは“アクション系”

 積極的にデータ分析がなされていない企業で、必ずと言っていいほど整備されていないデータがあります。それは、アクション系のデータです。一方で、それなりに蓄積し整備されているのが結果系のデータです。両方揃わないとデータ分析を活用する時、スムーズにいかないことでしょう。今回は「必ず整備されていないデータはアクション系のデータ」というお話しをします。

1. データ分析:アクション系データとは

 アクション系のデータとは何でしょうか。それは実施した施策のデータです。例えば営業の訪問に関するもののほかキャンペーンやイベントデータなど営業・販促に関する活動データです。

 このようなデータは決まって整備されていません。厳密にはデータ分析ですぐ使えるほどには整備されていません。電子データとして蓄積されていても、分析で使えるわけではありません。

 データ分析で使えるデータとは、きちんと構造化されているデータです。列にデータ項目(例:顧客ID、受注ID、日付、商品名、売上点数、単価、売上高)、行にケース(例:個々の受注)といったものです。

2. データ分析:パワポやPDFという名のデータ

 営業訪問やキャンペーン・イベントのデータぐらいならあるというケースでも、よくよく調べてみるとパワーポイントの資料として残っているだけの場合があったりします。例えばイベントの企画書がパワーポイントの資料としてまとめられ、イベント開催案内のDMはExcelファイルに格納されている。DMではなくメールによる案内はメール配信ツールという名のシステムに残っている。

 確かに電子的なデータとして蓄積されていますが、このままでは分析では使えませんので使える形に整備する必要があります。特にパワポやPDFという形ですと非常に厄介で、目で見ながら分析用データを作るという非常に手間の掛かる作業が発生します。

3. データ分析:結果系のデータとは

 結果系のデータとは何でしょうか。それはビジネス成果を数値で表したものです。営業であれば受注系のデータです。キャンペーンなら反応数や売上、イベントの場合は参加者数などでしょう。

 ホームページなどのサイトであれば、アクセス解析ツールで見られるページビューやセッション、訪問者、コンバージョン数などのWebログです。このようなデータはWebログなどほぼ自動的に蓄積されるものもあれば、営業活動の成果である受注系のデータなど手動で入力したものもあります。手動であっても多くの場合それなりの状態で蓄積されています。そうしないとビジネス活動に支障が出るからです。

4. データ分析:なぜアクション系データが必要?

 なぜアクション系のデータが必要なのでしょうか。結果系のデータだけで分析をすることはできないのでしょうか。結論からいうと分析することは可能です。

 しかし、アクション系のデータがあることで、その結果(ビジネス成果)を生み出すのに何が効果的だったのかが分かります。そのアクションを生み出すコストが分かれば、どの程度効率的であったのかも分かります。その結果、営業生産性や販促効率が上がります。

5. データ分析:結果系のデータだけで分析する

 アクション系のデータの整備には意外と時間がかかります。そのため、スピードを求めるならば結果系のデータだけで分析をすることになります。例えば売上を時系列でグラフ化したり、エリア別、顧客属性、前年と比較してみたりします。恐らくこの程度のことしかできないことでしょう。その結果「最近は売上がやや上昇してきている」、「昨年同月比では北関東の売上が大きく伸びている」、「例年通り1月の売上が跳ねる」など…。なぜ北関東の売上が伸びたのか、本当に例年通り1月の売上が跳ねているのか、このようなことは結果系データからは分かりません。

 アクション系のデータがあれば分かることがあるかもしれませんが結果系のデータだけで分析をした場合、その先...

データ分析

◆ 必ず整備されていないデータは“アクション系”

 積極的にデータ分析がなされていない企業で、必ずと言っていいほど整備されていないデータがあります。それは、アクション系のデータです。一方で、それなりに蓄積し整備されているのが結果系のデータです。両方揃わないとデータ分析を活用する時、スムーズにいかないことでしょう。今回は「必ず整備されていないデータはアクション系のデータ」というお話しをします。

1. データ分析:アクション系データとは

 アクション系のデータとは何でしょうか。それは実施した施策のデータです。例えば営業の訪問に関するもののほかキャンペーンやイベントデータなど営業・販促に関する活動データです。

 このようなデータは決まって整備されていません。厳密にはデータ分析ですぐ使えるほどには整備されていません。電子データとして蓄積されていても、分析で使えるわけではありません。

 データ分析で使えるデータとは、きちんと構造化されているデータです。列にデータ項目(例:顧客ID、受注ID、日付、商品名、売上点数、単価、売上高)、行にケース(例:個々の受注)といったものです。

2. データ分析:パワポやPDFという名のデータ

 営業訪問やキャンペーン・イベントのデータぐらいならあるというケースでも、よくよく調べてみるとパワーポイントの資料として残っているだけの場合があったりします。例えばイベントの企画書がパワーポイントの資料としてまとめられ、イベント開催案内のDMはExcelファイルに格納されている。DMではなくメールによる案内はメール配信ツールという名のシステムに残っている。

 確かに電子的なデータとして蓄積されていますが、このままでは分析では使えませんので使える形に整備する必要があります。特にパワポやPDFという形ですと非常に厄介で、目で見ながら分析用データを作るという非常に手間の掛かる作業が発生します。

3. データ分析:結果系のデータとは

 結果系のデータとは何でしょうか。それはビジネス成果を数値で表したものです。営業であれば受注系のデータです。キャンペーンなら反応数や売上、イベントの場合は参加者数などでしょう。

 ホームページなどのサイトであれば、アクセス解析ツールで見られるページビューやセッション、訪問者、コンバージョン数などのWebログです。このようなデータはWebログなどほぼ自動的に蓄積されるものもあれば、営業活動の成果である受注系のデータなど手動で入力したものもあります。手動であっても多くの場合それなりの状態で蓄積されています。そうしないとビジネス活動に支障が出るからです。

4. データ分析:なぜアクション系データが必要?

 なぜアクション系のデータが必要なのでしょうか。結果系のデータだけで分析をすることはできないのでしょうか。結論からいうと分析することは可能です。

 しかし、アクション系のデータがあることで、その結果(ビジネス成果)を生み出すのに何が効果的だったのかが分かります。そのアクションを生み出すコストが分かれば、どの程度効率的であったのかも分かります。その結果、営業生産性や販促効率が上がります。

5. データ分析:結果系のデータだけで分析する

 アクション系のデータの整備には意外と時間がかかります。そのため、スピードを求めるならば結果系のデータだけで分析をすることになります。例えば売上を時系列でグラフ化したり、エリア別、顧客属性、前年と比較してみたりします。恐らくこの程度のことしかできないことでしょう。その結果「最近は売上がやや上昇してきている」、「昨年同月比では北関東の売上が大きく伸びている」、「例年通り1月の売上が跳ねる」など…。なぜ北関東の売上が伸びたのか、本当に例年通り1月の売上が跳ねているのか、このようなことは結果系データからは分かりません。

 アクション系のデータがあれば分かることがあるかもしれませんが結果系のデータだけで分析をした場合、その先は解釈の力に頼ることになります。例えば「北関東だけ試しに新規のキャンペーンを実施したからであろう」ということになります。

6. データ分析:日ごろからアクション系データを綺麗に蓄積

 アクション系のデータを、分析できる状態にまで整備するのは大変です。それなりに時間がかかることでしょう。分析する段階になって、一気にアクション系のデータを整備すると抜け漏れが発生したりします。

 そのため、日ごろからアクション系のデータを綺麗に蓄積しておくといいでしょう。キャンペーンの企画書をパワーポイントで作るより、かなり楽です。難しいことはありません。Excelで十分です。その時データ分析で使いやすい形、列にデータ項目、行にケースといったデータにしておくことです。DBやデータ分析ツールにインポートできる形がいいでしょう。あらかじめExcelでフォーマットを作っておくと便利です。

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この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)


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