ホメオスタシスな現場を動かすのは大変 データ分析講座(その235)

更新日

投稿日

データ分析

 

【この連載の前回:データ分析講座(その234)現場に寄り添い過ぎる危険へのリンク】

 

人は変化を嫌がるものです。人体は、環境変化に対し身体の状態を一定に保つ働きがあり、ホメオスタシス(恒常性維持)と呼ばれています。気温が上がれば発汗作用を起こし体温上昇を押さえます。同様のことが心理面でもあり、今のやり方やライフスタイルなど維持しようという働きとして出てきます。データ活用上、非常に困ったことになります。今回は、「ホメオスタシスな現状維持願望の強い現場を動かすのは大変」というお話しをします。

 

【目次】
1.基本、データ活用は嫌がられる
2.DXが進まない原因の1つかもしれない
3.強制力でどうにかなるか?
4.納得と理解
5.変化の小さなデータ活用から始めよう

 

1.基本、データ活用は嫌がられる

何かしらデータ活用をするとき、現場では何かしらの行動変容が必要になります。従来のやり方の一部もしくは全部を変える必要がでてきます。そのため、データ活用により変化を強いられる現場からみたら「データ活用は恐らく嫌なこと」になります。実際、非常に嫌がられます。

 

明確に「嫌だ!」と言われることもありますが、言葉としてではなく、行動として示される場合も多々あります。データを活用した行動をしない、ということです。基本、データ活用は嫌がられると思った方がいいでしょう。

 

2.DXが進まない原因の1つかもしれない

最近叫ばれているDX(デジタルトランスフォーメーション)では、当然のこととしてデータ活用は登場します。データ活用が無ければ、デジタイゼーションと呼ばれる単なるデジタル化(業務の一部をITで置き換えただけ)に過ぎません。ということは、DXという観点で見たとき、いかに現場を動かしデータ活用を浸透させるのかが非常に重要になってきます。

 

そう考えると、このことがDXが進まない原因の1つかもしれません。

 

3.強制力でどうにかなるか?

強制的にデータ活用を推進する、というやり方もあります。

 

このような場合……

  • やっているふり
  • 完全無視
  • ちょっとだけやる

……といった感じでしょう。

 

現場は納得したり理解しないと、現場は動きません。

 

4.納得と理解

「納得と理解、どちらが重要か?」というと、私の経験から言うと「理解」の方が重要です。

 

なぜならば……

  • 心の底から納得させるのは非常に大変
  • 納得してても理解していないと上手くいかない

……からです。

 

理想は「納得し理解してもらうこと」ですが、二兎追うのは大変なので、先ずは「データ活用の理解を得ること」を目指した方がいいでしょう。「データ活用の理解を得ること」とは、データ活用の目的や長所と短所の理解と、データを使った行動の仕方の理解です。

 

納得してても理解していないと上手くいかないというのは、納得しててもデータを使った行動の仕方が分からないと動けないので、そのデータ活用は上手くいかない、ということです。

 

5.変化の小さなデータ活用から始めよう

一気に変えたい! と思うかもしれませんが、一気に変えるには、...

データ分析

 

【この連載の前回:データ分析講座(その234)現場に寄り添い過ぎる危険へのリンク】

 

人は変化を嫌がるものです。人体は、環境変化に対し身体の状態を一定に保つ働きがあり、ホメオスタシス(恒常性維持)と呼ばれています。気温が上がれば発汗作用を起こし体温上昇を押さえます。同様のことが心理面でもあり、今のやり方やライフスタイルなど維持しようという働きとして出てきます。データ活用上、非常に困ったことになります。今回は、「ホメオスタシスな現状維持願望の強い現場を動かすのは大変」というお話しをします。

 

【目次】
1.基本、データ活用は嫌がられる
2.DXが進まない原因の1つかもしれない
3.強制力でどうにかなるか?
4.納得と理解
5.変化の小さなデータ活用から始めよう

 

1.基本、データ活用は嫌がられる

何かしらデータ活用をするとき、現場では何かしらの行動変容が必要になります。従来のやり方の一部もしくは全部を変える必要がでてきます。そのため、データ活用により変化を強いられる現場からみたら「データ活用は恐らく嫌なこと」になります。実際、非常に嫌がられます。

 

明確に「嫌だ!」と言われることもありますが、言葉としてではなく、行動として示される場合も多々あります。データを活用した行動をしない、ということです。基本、データ活用は嫌がられると思った方がいいでしょう。

 

2.DXが進まない原因の1つかもしれない

最近叫ばれているDX(デジタルトランスフォーメーション)では、当然のこととしてデータ活用は登場します。データ活用が無ければ、デジタイゼーションと呼ばれる単なるデジタル化(業務の一部をITで置き換えただけ)に過ぎません。ということは、DXという観点で見たとき、いかに現場を動かしデータ活用を浸透させるのかが非常に重要になってきます。

 

そう考えると、このことがDXが進まない原因の1つかもしれません。

 

3.強制力でどうにかなるか?

強制的にデータ活用を推進する、というやり方もあります。

 

このような場合……

  • やっているふり
  • 完全無視
  • ちょっとだけやる

……といった感じでしょう。

 

現場は納得したり理解しないと、現場は動きません。

 

4.納得と理解

「納得と理解、どちらが重要か?」というと、私の経験から言うと「理解」の方が重要です。

 

なぜならば……

  • 心の底から納得させるのは非常に大変
  • 納得してても理解していないと上手くいかない

……からです。

 

理想は「納得し理解してもらうこと」ですが、二兎追うのは大変なので、先ずは「データ活用の理解を得ること」を目指した方がいいでしょう。「データ活用の理解を得ること」とは、データ活用の目的や長所と短所の理解と、データを使った行動の仕方の理解です。

 

納得してても理解していないと上手くいかないというのは、納得しててもデータを使った行動の仕方が分からないと動けないので、そのデータ活用は上手くいかない、ということです。

 

5.変化の小さなデータ活用から始めよう

一気に変えたい! と思うかもしれませんが、一気に変えるには、それなりのパワーとものすごいエネルギーが必要になります。変化が大きいほど、現場の「嫌がる度」が増すからです。お勧めなのが、データ活用のやり始めの頃は、「データは活用するけれども、現場の動きがあまり変化することがない」というちょっとしたデータ活用です。そこでメリットを感じてもらえれば、もっとデータ活用してもいいかも、と思ってくれるかもしれません。

 

次回に続きます。

◆データ分析講座の注目記事紹介

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)


「情報マネジメント一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
営業データ分析の良し悪しとは データ分析講座(その8)

  ◆ 営業データ分析の事始めは、「見える化」で失敗し「指標作り」で成功する  「どのようなデータを集めれば、営業力を上げられるのか」こ...

  ◆ 営業データ分析の事始めは、「見える化」で失敗し「指標作り」で成功する  「どのようなデータを集めれば、営業力を上げられるのか」こ...


理解されやすく成果の出やすいデータ分析 データ分析講座(その95)

◆ 「それなりにデータはあるが、まともなデータがない」時にすべきこと  私は仕事柄、次のような質問をよくします。「データの状況どうですか?」。当然な...

◆ 「それなりにデータはあるが、まともなデータがない」時にすべきこと  私は仕事柄、次のような質問をよくします。「データの状況どうですか?」。当然な...


ビジネスの現場で時系列データに遭遇したときに、押さえておくべき3つの視点とは データ分析講座(その53)

◆ ビジネス系のデータは、時系列が多い。そこで、先ず3つの視点で分析。  今どきの高校生は、統計学やデータ分析を普通に授業で学んでいます。私が高校時...

◆ ビジネス系のデータは、時系列が多い。そこで、先ず3つの視点で分析。  今どきの高校生は、統計学やデータ分析を普通に授業で学んでいます。私が高校時...


「情報マネジメント一般」の活用事例

もっと見る
中小企業のセキュリティ対策を考える

◆ 企業の情報セキュリティと新型コロナウィルス対策の今  先日、駅のプラットフォ-ムで並んでいる時に、控えめに咳をしたら、前に並んでいた人にすかさず...

◆ 企業の情報セキュリティと新型コロナウィルス対策の今  先日、駅のプラットフォ-ムで並んでいる時に、控えめに咳をしたら、前に並んでいた人にすかさず...


人的資源マネジメント:製品開発の滞留を引き起こすファイルとは(その2)

 今回は、PDM/PLMに代表される製品開発業務のIT化をどのように考え、進めるのがよいのかについて解説します。    前回まで続けていたテ...

 今回は、PDM/PLMに代表される製品開発業務のIT化をどのように考え、進めるのがよいのかについて解説します。    前回まで続けていたテ...


ソーシャルメディアデータの解析事例:異分野研究から得られる共通した目的とは

 2020年、コロナウィルス感染の問題が大きくなり始めた頃、少人数の開催ということで、ソーシャルメディアデータ解析を専門にされている先生の講演会を聞く...

 2020年、コロナウィルス感染の問題が大きくなり始めた頃、少人数の開催ということで、ソーシャルメディアデータ解析を専門にされている先生の講演会を聞く...