行動の価値 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その149)

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技術マネジメント

 

◆イノベーションにおける5つめの行動の価値

現在イノベーションにおける行動の重要性を解説していますが、前回までは、イノベーションにおける4つの行動の価値を解説しました。今回はさらに加えて、5つめの行動の価値を解説します。

【この連載の前回:普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その148)へのリンク】

 

1. 本格的行動を起こす・続けるには能動的に思考をしなければならない

そもそも後の本格的行動を起こしたり、その行動を継続するためには、準備段階として計画を立てるなど、能動的な思考を伴う活動(それ自体も、正確に言うと「行動」ではありますが)が必要です。その準備段階では、それぞれを明確に意識するレベルで思考するかは別にして「調査」「行動計画策定」「準備作業」のような事項について、さまざまな思考を含む活動するものです。そのような事前作業も、それ自体今後行う本格的行動を効果的・効率的に行うために重要な思考活動であると同時に、それ自体が思考の塊ですので、イノベーションを起こすことに多いに貢献します。

 

(1)調査

私事で恐縮ですが、先日一週間の台湾一周旅行をしてきました。ところどころ、持参する自転車を使って移動するというものです。普通の旅行とは多少異なるため、ガイドブックに載っている情報では不十分で、事前にかなり調査をしなければなりませんでした。台湾を一周するには通常どのくらいの期間が必要か、自転車で移動する区間はどこが適当か、宿泊はどうするか、自転車以外の移動手段はどうするか、など決めなければならないことは沢山あります。そのため、台湾についてかなりいろいろなことを調べました。

 

その調査の結果、すでにこの調査の段階でも、前回のメルマガで解説したさまざまなパターンの発見がありました。たとえば、台湾の国鉄の料金はかなり安い、台湾一周の鉄道のルートで自転車がそのまま載せられる列車も複数ある、東海岸の道路はかなりアップダウンがあるなどです。

 

後の本格的な行動を予想を超えた楽しい旅行にするためには(イノベーションを起こすには)、このようなパターン思考を通じて事前に発見し、またそこからさらに思考する(これは面白いな。是非これを活用しよう!など)ことも重要です。

 

(2)行動計画策定

調査の結果を踏まえて、次は計画を策定します。思考は、行動計画策定の作業のほとんどの部分を占めます。その行動の目的を効率的に達成するには、どのような行動(次の項目の準備作業を含め)が必要で、どのようなタイミングで行うかを決めるものです。この段階で情報が足りなければ、調査に戻る必要もあります。

 

この段階では、今後行う本格的な行動を頭の中でシミュレーションしながらおこなうものですので、頭の中では行動に関するさまざまな仮説が浮かび上がってきます。頭の中では、過去に経験したこと、収集した情報などを、映像や音声など五感をもってかなりリアルに、これからする行動の環境や文脈を想定し、策定中の作業(計画)が、どの環境や文脈の中でどういう効果や結果をもたらすかを想像する作業を行います。そしてその策定中の作業が適切なのかを判断し、適切ではない、もしくは不十分と思えば、その点を策定中の計画作業に反映させ、計画を進化させます。

 

(3)準備作業

次に策定した計画に基づき、本格的な行動を起こすための準備作業を行います。上述の台湾旅行で言えば、航空券を購入したり、宿泊先の予約をしたり、旅行のために必要なものを購入したりということです。現実には、上で計画した準備作業が現実...

技術マネジメント

 

◆イノベーションにおける5つめの行動の価値

現在イノベーションにおける行動の重要性を解説していますが、前回までは、イノベーションにおける4つの行動の価値を解説しました。今回はさらに加えて、5つめの行動の価値を解説します。

【この連載の前回:普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その148)へのリンク】

 

1. 本格的行動を起こす・続けるには能動的に思考をしなければならない

そもそも後の本格的行動を起こしたり、その行動を継続するためには、準備段階として計画を立てるなど、能動的な思考を伴う活動(それ自体も、正確に言うと「行動」ではありますが)が必要です。その準備段階では、それぞれを明確に意識するレベルで思考するかは別にして「調査」「行動計画策定」「準備作業」のような事項について、さまざまな思考を含む活動するものです。そのような事前作業も、それ自体今後行う本格的行動を効果的・効率的に行うために重要な思考活動であると同時に、それ自体が思考の塊ですので、イノベーションを起こすことに多いに貢献します。

 

(1)調査

私事で恐縮ですが、先日一週間の台湾一周旅行をしてきました。ところどころ、持参する自転車を使って移動するというものです。普通の旅行とは多少異なるため、ガイドブックに載っている情報では不十分で、事前にかなり調査をしなければなりませんでした。台湾を一周するには通常どのくらいの期間が必要か、自転車で移動する区間はどこが適当か、宿泊はどうするか、自転車以外の移動手段はどうするか、など決めなければならないことは沢山あります。そのため、台湾についてかなりいろいろなことを調べました。

 

その調査の結果、すでにこの調査の段階でも、前回のメルマガで解説したさまざまなパターンの発見がありました。たとえば、台湾の国鉄の料金はかなり安い、台湾一周の鉄道のルートで自転車がそのまま載せられる列車も複数ある、東海岸の道路はかなりアップダウンがあるなどです。

 

後の本格的な行動を予想を超えた楽しい旅行にするためには(イノベーションを起こすには)、このようなパターン思考を通じて事前に発見し、またそこからさらに思考する(これは面白いな。是非これを活用しよう!など)ことも重要です。

 

(2)行動計画策定

調査の結果を踏まえて、次は計画を策定します。思考は、行動計画策定の作業のほとんどの部分を占めます。その行動の目的を効率的に達成するには、どのような行動(次の項目の準備作業を含め)が必要で、どのようなタイミングで行うかを決めるものです。この段階で情報が足りなければ、調査に戻る必要もあります。

 

この段階では、今後行う本格的な行動を頭の中でシミュレーションしながらおこなうものですので、頭の中では行動に関するさまざまな仮説が浮かび上がってきます。頭の中では、過去に経験したこと、収集した情報などを、映像や音声など五感をもってかなりリアルに、これからする行動の環境や文脈を想定し、策定中の作業(計画)が、どの環境や文脈の中でどういう効果や結果をもたらすかを想像する作業を行います。そしてその策定中の作業が適切なのかを判断し、適切ではない、もしくは不十分と思えば、その点を策定中の計画作業に反映させ、計画を進化させます。

 

(3)準備作業

次に策定した計画に基づき、本格的な行動を起こすための準備作業を行います。上述の台湾旅行で言えば、航空券を購入したり、宿泊先の予約をしたり、旅行のために必要なものを購入したりということです。現実には、上で計画した準備作業が現実に作業をしてみると、計画通りいかないということは良く起こることで(たとえば自転車の航空会社のカウンターでの預け入れ制限条件などで、そのままでは預入できないなどを発見など)、その際、行動計画そのものを変更するなどの事態も現実には十分ありえます。したがって、ここでもかなりの強度の思考も必要となります。

 

以上のように本格的行動を行うためには、かなりの思考を必要とする準備段階を経なければなりません。そう言う意味でも行動は、沢山の思考を生み出します。

 

次回に続きます。

 

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この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

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