バリューチェーン・サプライチェーンとその普遍化 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その62)

更新日

投稿日

 

技術マネジメント

 今回も、前回に引き続き、「思い付く」ための「知識・経験を整理するフレームワーク」です。今回は、バリューチェーン・サプライチェーンとその普遍化について解説します。

1. バリューチェーン・サプライチェーン

 バリューチェーン(VC)は、ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーターが1985年に「競争優位の戦略」の中で著わした概念で、企業のアウトプットである価値は、社内にある
様々の機能の連鎖が生み出したものの集積であるとの考えから生まれたものです。

 転じて、社内の機能の連鎖を示します。社内の機能とは、技術開発、商品企画、製品設計、調達、生産、販売、配送、アフターサービスといった企業が持つ機能を言います。

 サプライチェーン(SC)は、更に社外に目を向け、最終的な価値が自社を含め、原料調達から市場に届けるまでの機能の連鎖により実現されるものと考え、SCとはその連鎖を示したものです。通常このVCやSCは、各機能の役割が発生する順番に記述されるため、活動や思考が時系列で表されている典型例です。

2. VC・SCの考え方を普遍化

 このVCやSCのアウトプットは企業や企業のエコシステムが生み出す価値ですが、全ての人間や企業の意図的な活動には、何等かのその目的、すなわちその活動や思考の結果である「成果」があります(この成果は「イノベーション」と言い換えても良いようなものです)。

 したがって、全ての活動は、「成果」に向かって、様々な活動や思考が時系列で行われているわけで、このようにVCやSCと同様に、「成果」に向けての複数の独立した活動や思考の連鎖として、様々な対象を表し、それら活動や思考毎に問題点や課題を整理することができます。

 例えば、事業戦略を策定し、その事業戦略を実行し、目指す成果(例えばより良い事業戦略)を得るには、活動や思考の連鎖の例として以下があります。

  • 3C分析...

 

技術マネジメント

 今回も、前回に引き続き、「思い付く」ための「知識・経験を整理するフレームワーク」です。今回は、バリューチェーン・サプライチェーンとその普遍化について解説します。

1. バリューチェーン・サプライチェーン

 バリューチェーン(VC)は、ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーターが1985年に「競争優位の戦略」の中で著わした概念で、企業のアウトプットである価値は、社内にある
様々の機能の連鎖が生み出したものの集積であるとの考えから生まれたものです。

 転じて、社内の機能の連鎖を示します。社内の機能とは、技術開発、商品企画、製品設計、調達、生産、販売、配送、アフターサービスといった企業が持つ機能を言います。

 サプライチェーン(SC)は、更に社外に目を向け、最終的な価値が自社を含め、原料調達から市場に届けるまでの機能の連鎖により実現されるものと考え、SCとはその連鎖を示したものです。通常このVCやSCは、各機能の役割が発生する順番に記述されるため、活動や思考が時系列で表されている典型例です。

2. VC・SCの考え方を普遍化

 このVCやSCのアウトプットは企業や企業のエコシステムが生み出す価値ですが、全ての人間や企業の意図的な活動には、何等かのその目的、すなわちその活動や思考の結果である「成果」があります(この成果は「イノベーション」と言い換えても良いようなものです)。

 したがって、全ての活動は、「成果」に向かって、様々な活動や思考が時系列で行われているわけで、このようにVCやSCと同様に、「成果」に向けての複数の独立した活動や思考の連鎖として、様々な対象を表し、それら活動や思考毎に問題点や課題を整理することができます。

 例えば、事業戦略を策定し、その事業戦略を実行し、目指す成果(例えばより良い事業戦略)を得るには、活動や思考の連鎖の例として以下があります。

  • 3C分析
  • 戦略仮説(例えば4P)の設定
  • 戦略仮説の検証
  • 戦略の具体的施策への展開
  • 戦略施策の実行

 これらそれぞれの活動や思考毎に

  • 現状の問題点
  • ベストプラクティス
  • 自社がやるべきと思われること
  • 実行上の課題や制約
  • 課題・制約への対処法

 などについて情報や経験を整理する必要があると思います。それが狙うより良い戦略という「成果」を生み出すことにつながります。次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
潜在ニーズをとらえる仮説検証の3ステップ、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その99)

【この連載の前回、継続的に保有技術の用途探索をする理由とポイント、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その98)へのリンク】 【目次】 ...

【この連載の前回、継続的に保有技術の用途探索をする理由とポイント、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その98)へのリンク】 【目次】 ...


普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その164) 体感での思考とアナロジーとの関係

  これまで五感を一つ一つとりあげ、それぞれの感覚のイノベーション創出における意義と、そこに向けての強化の方法について解説してきましたが、...

  これまで五感を一つ一つとりあげ、それぞれの感覚のイノベーション創出における意義と、そこに向けての強化の方法について解説してきましたが、...


機能とは 設計機能(その1)

【設計機能 連載目次】 設計機能(その1)機能とは  設計機能(その2)設計上の機会損失  設計機能(その3)機能の分類&n...

【設計機能 連載目次】 設計機能(その1)機能とは  設計機能(その2)設計上の機会損失  設計機能(その3)機能の分類&n...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
プリウスの開発事例から学ぶ画期的挑戦

トヨタ・プリウスが1997年に世界初の量産ハイブリッド車として市場に出た時は大きな衝撃を社会にもたらしました。2009年に20万8876台を売り上げ、...

トヨタ・プリウスが1997年に世界初の量産ハイブリッド車として市場に出た時は大きな衝撃を社会にもたらしました。2009年に20万8876台を売り上げ、...


プロジェクトの問題を見極める1 プロジェクト管理の仕組み (その23)

 進捗管理のための基本メトリクスセットのひとつである開発工数メトリクスについて解説していますが、前回は、プロジェクト構造(WBS)軸とアクティビティ軸のそ...

 進捗管理のための基本メトリクスセットのひとつである開発工数メトリクスについて解説していますが、前回は、プロジェクト構造(WBS)軸とアクティビティ軸のそ...


CS-T法を起点とした技術開発プロセスとは、乗用車用エンジンの技術開発事例

▼さらに深く学ぶなら!「品質工学」に関するセミナーはこちら! 機能を起点に形を考案するというプロセスの成功例として,品質工学会でも多くの方々に大きな...

▼さらに深く学ぶなら!「品質工学」に関するセミナーはこちら! 機能を起点に形を考案するというプロセスの成功例として,品質工学会でも多くの方々に大きな...