イノベーションの創出 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その122)

更新日

投稿日

技術マネジメント

 

前回に引き続き、今回も「切り取った知識の重要部分を発想するフレームワークを使って、イノベーションを発想する」にもとづき、日々の活動の中でどうイノベーションを創出するかについて、解説します。

 

1.日々の活動の中で「小イノベーション」を量産する

前回解説したように、実際にはシュンペーターのイノベーションのモデルは階層構造になっていて、大きなイノベーション(大イノベーション)が生まれると考えられます。すなわち、日々の小イノベーションの創出・蓄積、さらにそれら間の新結合が重層構造的になされ、さらに小イノベーションが創出・蓄積され、最終的に大イノベーションが起こされるというものです。

 

したがって、毎日いくつの小イノベーションを創出し、それを蓄積できるかが、将来の大イノベーションの量と質を決めると言って良いと思います。それでは、毎日多くの小イノベーションを創出するにはどうしたら良いのでしょうか。

 

2.日々様々なもの・ことに関心や興味を持つ

人間というのは、毎日「継続的」にAとBを組合せて C、すなわち小イノベーションを創出するということを「主体的」な意思に基づき行うことは大変困難です。なぜなら「主体的」な強い意志に頼って思考するのでは、エネルギーを消耗してしまい、長続きしません。

 

それでは小イノベーションを「継続的」に創出するには、どうしたら良いのでしょうか。

 

人間は、外からの何かの刺激により、頭の中で「!」が付くようなこと(A)を認識すると、脳はそのAと関連しそうな、これまで創出もしくは認識して頭の中もしくはその片隅にある小イノベーションや思い出深い情報を、短時間でスキャンしてBを見つけます。そしてそれらAとBから、小イノベーションを起こすということをやっているのではないかと思います。

 

すなわち「!」が小イノベーションのきっかけとなります。「!」を頭の中で日々起こせるかが、重要なポイントとなります。

 

したがって、自分の意思で主体的にAとBを組合せて C、すなわち小イノベーションを創出しようとするのではなく、頭の中で「!」が付くようなきっかけとなる刺激を「外から与えてくれる」環境に身を置くということです。それは、自分自身の内部から自然に湧き上がる「関心」や「興味」を持ち、それを維持することと思います。...

技術マネジメント

 

前回に引き続き、今回も「切り取った知識の重要部分を発想するフレームワークを使って、イノベーションを発想する」にもとづき、日々の活動の中でどうイノベーションを創出するかについて、解説します。

 

1.日々の活動の中で「小イノベーション」を量産する

前回解説したように、実際にはシュンペーターのイノベーションのモデルは階層構造になっていて、大きなイノベーション(大イノベーション)が生まれると考えられます。すなわち、日々の小イノベーションの創出・蓄積、さらにそれら間の新結合が重層構造的になされ、さらに小イノベーションが創出・蓄積され、最終的に大イノベーションが起こされるというものです。

 

したがって、毎日いくつの小イノベーションを創出し、それを蓄積できるかが、将来の大イノベーションの量と質を決めると言って良いと思います。それでは、毎日多くの小イノベーションを創出するにはどうしたら良いのでしょうか。

 

2.日々様々なもの・ことに関心や興味を持つ

人間というのは、毎日「継続的」にAとBを組合せて C、すなわち小イノベーションを創出するということを「主体的」な意思に基づき行うことは大変困難です。なぜなら「主体的」な強い意志に頼って思考するのでは、エネルギーを消耗してしまい、長続きしません。

 

それでは小イノベーションを「継続的」に創出するには、どうしたら良いのでしょうか。

 

人間は、外からの何かの刺激により、頭の中で「!」が付くようなこと(A)を認識すると、脳はそのAと関連しそうな、これまで創出もしくは認識して頭の中もしくはその片隅にある小イノベーションや思い出深い情報を、短時間でスキャンしてBを見つけます。そしてそれらAとBから、小イノベーションを起こすということをやっているのではないかと思います。

 

すなわち「!」が小イノベーションのきっかけとなります。「!」を頭の中で日々起こせるかが、重要なポイントとなります。

 

したがって、自分の意思で主体的にAとBを組合せて C、すなわち小イノベーションを創出しようとするのではなく、頭の中で「!」が付くようなきっかけとなる刺激を「外から与えてくれる」環境に身を置くということです。それは、自分自身の内部から自然に湧き上がる「関心」や「興味」を持ち、それを維持することと思います。

 

そうすれば、エネルギーをあまり消費せず、毎日常に小イノベーションを創出する姿勢を維持できるのではないでしょうか。

 

どうしたら、関心や興味が沸きあがり、それを継続させることができるかは、まさにKETICモデルの最後のC(Curiosity)の部分で、これはこれで極めて重要なことなので、また別のところでまとめて考えてみたいと思います。

 

次回に続きます。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
知識・経験を物理量で整理する 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その67)

 前回までは、知識や経験を時系列で整理するという話をしてきましたが、当然時系列以外の物理量という軸があります。今回からは「知識・経験を物理量で整理する...

 前回までは、知識や経験を時系列で整理するという話をしてきましたが、当然時系列以外の物理量という軸があります。今回からは「知識・経験を物理量で整理する...


知識・経験を物理量で整理する 4要素 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その68)

 前回から「知識・経験を物理量で整理する」解説を始めていますが、今回は前回の解説を整理します。 ◆関連解説記事『技術マネジメントとは』 1. 要素...

 前回から「知識・経験を物理量で整理する」解説を始めていますが、今回は前回の解説を整理します。 ◆関連解説記事『技術マネジメントとは』 1. 要素...


取り組みへの意思決定 普通の組織をイノベーティブにする処方箋(その90)

   今回も引き続き、エドワード・デシが内発的動機付けに必要と主張している2つの要素「自律性」と「有能感」の内、後者の「有能感獲得に向けて...

   今回も引き続き、エドワード・デシが内発的動機付けに必要と主張している2つの要素「自律性」と「有能感」の内、後者の「有能感獲得に向けて...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
作業要素の進捗分析2 プロジェクト管理の仕組み (その19)

  前回のその18:作業要素の進捗分析1に続いて解説します。    図50は製品構造の観点から管理単位にブレークダウンした例です。製品がどの...

  前回のその18:作業要素の進捗分析1に続いて解説します。    図50は製品構造の観点から管理単位にブレークダウンした例です。製品がどの...


生産性向上の鍵、イノベーションへの挑戦

 今回は、マクロ的な視点でみたイノベーションの意味について、解説します。2016年は、グローバリゼーションに対する変化が顕在化した年でした。イギリスのEU...

 今回は、マクロ的な視点でみたイノベーションの意味について、解説します。2016年は、グローバリゼーションに対する変化が顕在化した年でした。イギリスのEU...


設計工程の進捗管理とは

    今回は、設計の進捗管理の方法についてみていきます。設計の進捗管理は、どの企業においても難しいという意見をお聞きします。その理...

    今回は、設計の進捗管理の方法についてみていきます。設計の進捗管理は、どの企業においても難しいという意見をお聞きします。その理...