行動の重要性 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その146)

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技術マネジメント

 

前回まで「失敗のコストのマネジメント」を考えてきました。失敗のコストを低減して、多くの失敗をし、そこから多くを学ぼうという内容でした。今回からは、イノベーションを起こすには、思考の内容もさることながら、その頻度を高めることが必要でそのための方法について解説します。

 

【この連載の前回:普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その145)へのリンク】

 

1.思考の頻度を高める2つの重要要素

私は、思考の頻度を高めるには、そのための機会を拡大するために「行動を増やすことで思考を促進する機会を拡大する」と、その与えられた機会において「同じ一つの行動をするにしても思考の頻度を増やす」の2つに因数分解し、そのための有効は活動とは何かを考えることが有効と考えます。

 

2.行動を増やすことで思考を促進する機会を拡大する

まず「行動を増やすことで思考を促進する機会を拡大する」ですが、思考を促進する方法として有効な方法が、思考を促すもしくは思考を強制する環境に自ら身を置く頻度を高めることが重要で、そのような環境に身を置くには、そもそも行動を増やすことが最も有効と思います。
 
なぜ行動が思考を促進するのかについては、3つの要因があると思います。

 

  • 行動を起こすことで様々な情報や刺激を受け思考が促される
  • 行動を起こす・行動を続けるには能動的に思考をしなければならない
  • この2つの要因が好循環を始め行動と思考を継続的に生み出す

 

3.同じ一つの行動をするにしても思考の頻度を増やす

そして、同じ行動から得られる情報や刺激に基づき、いろいろ数多く思考をするために、多面的な視点を持って、受ける情報や刺激を観察したり感じたりし、それらを整理し、さらにはそこから思考を拡大することが重要と思います。

 

〇多面的な視点を持って受ける情報や刺激を観察・感じたりし、またそこから思考する

多面的な視点とは、以下があると思います。

 

-分析的に見る

五感を研ぎ澄まし、最大限に活用することで、細部まで観察する・感じる。

 

-俯瞰的に見る

得られた情報や受けた刺激から、それらの部分から全体像を想像し、その構造を考えて見る。

 

-妄想する

そして、その構造を構成する他の部分について、想像力を発揮して、深く想像・妄想してみる。またその構造の全体像の現状での境界を認識して、その構造の外の世界について思いをはせてみる。

 

〇多面的な視点での思考のための学習・訓練を常日頃から行う

常日頃多面的な視点での思考を行うためには、その裏で、そのための学習や訓練を行うことが有効であると思います。たとえば、五感を高める活動として、デッサンをするや楽器を弾くといったことがあります。また、得られた情報や経験を総合化し、ある思考の結果であるあるイメー...

技術マネジメント

 

前回まで「失敗のコストのマネジメント」を考えてきました。失敗のコストを低減して、多くの失敗をし、そこから多くを学ぼうという内容でした。今回からは、イノベーションを起こすには、思考の内容もさることながら、その頻度を高めることが必要でそのための方法について解説します。

 

【この連載の前回:普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その145)へのリンク】

 

1.思考の頻度を高める2つの重要要素

私は、思考の頻度を高めるには、そのための機会を拡大するために「行動を増やすことで思考を促進する機会を拡大する」と、その与えられた機会において「同じ一つの行動をするにしても思考の頻度を増やす」の2つに因数分解し、そのための有効は活動とは何かを考えることが有効と考えます。

 

2.行動を増やすことで思考を促進する機会を拡大する

まず「行動を増やすことで思考を促進する機会を拡大する」ですが、思考を促進する方法として有効な方法が、思考を促すもしくは思考を強制する環境に自ら身を置く頻度を高めることが重要で、そのような環境に身を置くには、そもそも行動を増やすことが最も有効と思います。
 
なぜ行動が思考を促進するのかについては、3つの要因があると思います。

 

  • 行動を起こすことで様々な情報や刺激を受け思考が促される
  • 行動を起こす・行動を続けるには能動的に思考をしなければならない
  • この2つの要因が好循環を始め行動と思考を継続的に生み出す

 

3.同じ一つの行動をするにしても思考の頻度を増やす

そして、同じ行動から得られる情報や刺激に基づき、いろいろ数多く思考をするために、多面的な視点を持って、受ける情報や刺激を観察したり感じたりし、それらを整理し、さらにはそこから思考を拡大することが重要と思います。

 

〇多面的な視点を持って受ける情報や刺激を観察・感じたりし、またそこから思考する

多面的な視点とは、以下があると思います。

 

-分析的に見る

五感を研ぎ澄まし、最大限に活用することで、細部まで観察する・感じる。

 

-俯瞰的に見る

得られた情報や受けた刺激から、それらの部分から全体像を想像し、その構造を考えて見る。

 

-妄想する

そして、その構造を構成する他の部分について、想像力を発揮して、深く想像・妄想してみる。またその構造の全体像の現状での境界を認識して、その構造の外の世界について思いをはせてみる。

 

〇多面的な視点での思考のための学習・訓練を常日頃から行う

常日頃多面的な視点での思考を行うためには、その裏で、そのための学習や訓練を行うことが有効であると思います。たとえば、五感を高める活動として、デッサンをするや楽器を弾くといったことがあります。また、得られた情報や経験を総合化し、ある思考の結果であるあるイメージを作りあげる活動として、例えば作曲する、絵を描く、小説を書くなどもあります。これら活動は、一見皆さんの活動分野や専門分野とは関係がなさそうに思えるかもしれませんが、イノベーションを起こすために、これら活動が重要と考える人たちは少なからずいます。

 

次回からこれらについて、個別に解説をしていきます。

 

◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 
 

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この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

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