知識・経験を物理量で整理する 4要素 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その68)

更新日

投稿日

技術マネジメント

 前回から「知識・経験を物理量で整理する」解説を始めていますが、今回は前回の解説を整理します。

1. 要素1:分析の対象の領域を定義する

 集めた知識や経験に基づき、分析の対象となる領域を定義します。

 定義するのは、後に要素2から要素4を進めて、まさに事業や技術の対象とするより狭いセグメントを見つけるためのものですので、後のプロセスを意識しそのようやセグメントの発見につながるような領域を対象とします。

2. 要素2:物理量の大小で対象をセグメントに分割

 集めた知識や経験に基づき、対象となる領域を、複数のセグメントに分割します。

 その際、どういう切り口で対象領域を分割するかポイントになる訳ですが、それは重要な物理量の高低、すなわちこのセグメントはその物理量が高い、こちらのセグメントは低いとなるような、物理量と切り口のセットを選択する必要があります。

3. 要素3:選択する物理量は高収益を生み出す「3つの視点」への貢献

 しかし、その物理量は、意味のあるもの、すなわちイノベーションに結び付く可能性の高い物理量を選ばなければなりません。この物理量の高、低のいずれかが、イノベーションに結びつくものである必要があります。

 ここで問題は、イノベーションに結びつく可能性が高い物理量を見つける視点はどのようなものかですが、この連載では収益を目的としている企業ですので、高収益に貢献する物理量と考えるのが適当であると思います。

【高収益を生み出す「3つの視点」】

 私は以下に貢献する視点と考えています。

(1) 大きな顧客価値

 最終的な成果物(製品、技術、仕事の進め方等)が大きな顧客価値を生み出せば、顧客は大きな対価を払ってくれます。

(2) 競争の回避

 しかし、いくら顧客が高い対価を払ってくれる用意があっても、そこに競争が存在すると、値段が下がってしまします。なぜなら、競争があるとそれぞれの提供者は、各社受注を目指し値段を下げてしまうからです。ミクロ経済学の理論からは、完全競争においては、価格は変動費まで下がってしまいます。

(3) 大きなコスト低減

 上の2点、すなわち大きな顧客価値と競争の回避により、顧客は高い対価を払ってくれるようになるわけですが、高収益を実現するもう一つの要素として、コスト低減があります。大きなコスト低減に結び付くので...

技術マネジメント

 前回から「知識・経験を物理量で整理する」解説を始めていますが、今回は前回の解説を整理します。

1. 要素1:分析の対象の領域を定義する

 集めた知識や経験に基づき、分析の対象となる領域を定義します。

 定義するのは、後に要素2から要素4を進めて、まさに事業や技術の対象とするより狭いセグメントを見つけるためのものですので、後のプロセスを意識しそのようやセグメントの発見につながるような領域を対象とします。

2. 要素2:物理量の大小で対象をセグメントに分割

 集めた知識や経験に基づき、対象となる領域を、複数のセグメントに分割します。

 その際、どういう切り口で対象領域を分割するかポイントになる訳ですが、それは重要な物理量の高低、すなわちこのセグメントはその物理量が高い、こちらのセグメントは低いとなるような、物理量と切り口のセットを選択する必要があります。

3. 要素3:選択する物理量は高収益を生み出す「3つの視点」への貢献

 しかし、その物理量は、意味のあるもの、すなわちイノベーションに結び付く可能性の高い物理量を選ばなければなりません。この物理量の高、低のいずれかが、イノベーションに結びつくものである必要があります。

 ここで問題は、イノベーションに結びつく可能性が高い物理量を見つける視点はどのようなものかですが、この連載では収益を目的としている企業ですので、高収益に貢献する物理量と考えるのが適当であると思います。

【高収益を生み出す「3つの視点」】

 私は以下に貢献する視点と考えています。

(1) 大きな顧客価値

 最終的な成果物(製品、技術、仕事の進め方等)が大きな顧客価値を生み出せば、顧客は大きな対価を払ってくれます。

(2) 競争の回避

 しかし、いくら顧客が高い対価を払ってくれる用意があっても、そこに競争が存在すると、値段が下がってしまします。なぜなら、競争があるとそれぞれの提供者は、各社受注を目指し値段を下げてしまうからです。ミクロ経済学の理論からは、完全競争においては、価格は変動費まで下がってしまいます。

(3) 大きなコスト低減

 上の2点、すなわち大きな顧客価値と競争の回避により、顧客は高い対価を払ってくれるようになるわけですが、高収益を実現するもう一つの要素として、コスト低減があります。大きなコスト低減に結び付くのであれば、収益の拡大を実現することができます。

 

4. 要素4:同じ水準の物理量でも、物理量をドライブする要因が異なればセグメントを分割する

 更にある物理量を実現する要因が、異なれば、そのセグメントはその要因別に分割する必要があります。なぜなら、その物理量が自社でコントロール可能なものであれば、その物理量を高める、あるいは低める方法が異なってきますし、またその物理量が自社ではコントロールできないものであれば、その要因の影響度や確からしさを前提に対応をしなければならないからです。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その185) 図書館を活用する

  ・見出しの番号は、前回からの連番です。 【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「技術マネジメント」に関するセミナーはこちら!...

  ・見出しの番号は、前回からの連番です。 【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「技術マネジメント」に関するセミナーはこちら!...


10年後のロードマップの考え方 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その14)

        今回は、「10年後のロードマップの考え方」について解説します。    事業や組...

        今回は、「10年後のロードマップの考え方」について解説します。    事業や組...


オープン・イノベーションを社内で実現する方法  研究テーマの多様な情報源(その29)

1.自社のコア技術を外部に発信する理由    前回のその28に続いて解説します。それでは、まず自社のコア技術を外部に発信する理由は何なのでし...

1.自社のコア技術を外部に発信する理由    前回のその28に続いて解説します。それでは、まず自社のコア技術を外部に発信する理由は何なのでし...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
‐企業内に発生している問題点を徹底的に追求 ‐  製品・技術開発力強化策の事例(その3)

 前回の事例その2に続いて解説します。企業内では解決が容易でない様々な問題が生じています。しかし、これらの問題解決に取り組まない限り、競争に勝つことが出来...

 前回の事例その2に続いて解説します。企業内では解決が容易でない様々な問題が生じています。しかし、これらの問題解決に取り組まない限り、競争に勝つことが出来...


材料研究、最適化のワナと温故知新の事例

  1.  材料研究と最適化  材料研究の場合、「最適化」という言葉でモノを考えない方がいいでしょう。  若い人、時にはおじ...

  1.  材料研究と最適化  材料研究の場合、「最適化」という言葉でモノを考えない方がいいでしょう。  若い人、時にはおじ...


技術プラットフォームの重要性

【ものづくり企業のR&Dと経営機能 記事目次】 管理力より技術力を磨け 技術プラットフォームの重要性 手段としてのオープンイノベーション...

【ものづくり企業のR&Dと経営機能 記事目次】 管理力より技術力を磨け 技術プラットフォームの重要性 手段としてのオープンイノベーション...