普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その59) 思考の構成要素

 

技術マネジメント

 前回まではKETICモデルの2つ目、経験(Experience)の解説をし、また前回は経験(Experience)と他の要素、すなわち知識(Knowledge)、思考(Thought)、意思(Intention)、好奇心(Curiosity)の関係を述べました。今回からKETICモデルの3つ目の要素、思考(Thought)について解説します。

1. 思考の構成要素

 それまで得た知識や経験を、最終的にイノベーション(革新的なアイデア)に転換するには、そこに当然のこと、思考が必要となります。私は、この思考は大きくはふたつの要素から構成されるプロセスと考えるのが、良いのではと思っています。

(1) 思考の要素(その1):思い付く

 それまで得た知識や経験から、なにかしら考えが浮かぶ、思い付くということを人間はしています(そこには思い付きのドライバーとして意思や好奇心が存在する点は、前回述べた通りです)。ここで言う思い付いた考えは「どうなっているんだろう」という疑問というレベルに止まるかもしれませんし、更にもっと具体的な何か「こうかもしれない」というアイデアかもしれません。更に「◯◯をしなければならないな」という、より意思を持った考えかもしれません。

 この思い付くは、頭の中の知識や経験の海の混沌の中から、何の兆しもなく突然思い付くと言ったものかもしれませんし、何かそこで遭遇した情報をきっかけとして起こることもあります。この場合、頭の中の知識や経験からなぜその思い付いた内容に行き着いたかは、必ずしも明確ではありません。

(2) 思考の要素(その2):思い付いたことの発展

 人間の思考は、思い付くではとどまりません。その思いついたことから、芋蔓式に他の思考に発展、連鎖するということをしています。つまり「それだけか?」や「それはなぜだろう?」、「その本質はなんだろう?」といったような思考の発展です。この(その2)は、その思考活動において、(その1)とは大きく異なります。

 なぜなら、(その1)は混沌とした自分の知識や経験から突然思い付くのに比べて、(その2)は思い付いたことからの発展ですので、その思考プロセスはかなり明確で、それをたどろうと思えばたどることができます。

2. ふたつの構成要素での異なった思考活動の必要性

 したがって、この思考のふたつの要素を行うには、異なった思考活動が必要と思います。また、このふたつの視点を明確に分けて考え、思考活動を行うことで、より革新的なアイデアを創出することができます。

 また、そのふたつの異なった構成要素での思考活動を促進するために、このふたつの構成要素毎に、異なる思考のフレームワークがあると便利です。

 次回に続きます。


この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

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