普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その170) 動物を深く知る

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普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その170) 動物を深く知る

これまでアナロジーと体感についての解説を行い「アナロジーは新しい思考空間へのドア/体感は新しい思考空間で発想を多いに広げるツール」と述べました。しかし、それまで体感を経由して得た経験・知識を活用して新しい思考空間で発想を広げる機会は、アナロジーだけではないように思えます。アナロジーを含めて体感を活用して「思考の扉を増やす」様々な機会について考えています。

 

この連載の (その168)からイノベーションを起こすために、動物や生き物について知ることが役に立つという解説をしています。今回も、どうしたら動物を深く知ることができるかについて、解説を続けます。

 

1. 動物に関するテレビ番組を見る

極めててっとり早い方法が、動物に関するテレビ番組を見ることです。書籍や文献を読む以上に簡単です。特にNHKのBSの番組は、動物の番組に力を入れているようで、面白い番組が多数あります。これら番組を見ることで、人間も動物の一種類ですので、当然と言えば当然なのですが、動物はその活動やその細かい志向(気持ち)において、本当に人間に似ているなと感じることは多いものです。

 

動物の活動や志向は、そもそも生きるため、また種の保存や他の同じ動物との関係性において、人間より強烈な形で現れますので、人間も心の奥底で、このようなことを考えるのだなとハットすることもあります。

 

これら番組は明確なメッセージの基に作られていますので、そもそも人間とはを、説得力を持って知ることができるという面から、有用な情報源です。

 

2. 動物園や水族館に行く

皆さんも、小さい頃、幼稚園の遠足や家族と一緒に動物園や水族館に行った経験があるのではないでしょうか。また子供ができて子供が小さい頃は、動物園や水族館に子供と一緒に行く機会があります。しかし、年齢を重ねると、これら場所に行く機会がほとんどなくなります。私自身も、もう何十年もこのような場所には行っていません。

 

しかし、これら場所は、ペットを飼っている人を別にして、一般の人にとって、唯一生身の動物を身近に感じる場所です。これらの場所に行けば、動物の大きさ、匂い、声、毛並みや皮膚、表情などを五感を持ってありありと感じることができます。ライオンや虎、熊といった獰猛な動物については、襲われる恐怖など、普段感じる機会がない感覚も経験することもできます。

 

3. 動物と戯れる機会を持つ

実際に動物に触れる機会を持つことで、より深く動物を理解することができます。ペットを飼っている人達は普段からこのようなことをしているわけですが、その他の人にとってはこのような機会は通常ありません。動物園や水族館で、動物に触れる機会を提供してくれる場所もあります。たとえば、水族館の中ではイルカに触れる機会がある、もしくは更にイルカと一緒に水槽に入り一緒に泳ぐなどの経験をさせてくれるところもあります。

 

4. 自然環境の中で動物を観察し、更に実際に触れる機会を持つ

サル、ゴリラ、ライオン、チータなどの動物研究者は、実際の自然活況の中で、動物の生態を観察し、さらには実際に動物に触れ、コミュニケーションするというようなことを行っています。一般の人にとってはほとんど不可能にも思えますが、完全に不可能というわけではありません。

 

アフリカでのサファリツアーなどはこの例ですが、必要な金額、期間から言って、簡単ではありません。もう少し身近な方法もあります。たとえば、長野県に地獄谷野猿公苑という場所があり、野生の猿が群れで温泉に...

普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その170) 動物を深く知る

これまでアナロジーと体感についての解説を行い「アナロジーは新しい思考空間へのドア/体感は新しい思考空間で発想を多いに広げるツール」と述べました。しかし、それまで体感を経由して得た経験・知識を活用して新しい思考空間で発想を広げる機会は、アナロジーだけではないように思えます。アナロジーを含めて体感を活用して「思考の扉を増やす」様々な機会について考えています。

 

この連載の (その168)からイノベーションを起こすために、動物や生き物について知ることが役に立つという解説をしています。今回も、どうしたら動物を深く知ることができるかについて、解説を続けます。

 

1. 動物に関するテレビ番組を見る

極めててっとり早い方法が、動物に関するテレビ番組を見ることです。書籍や文献を読む以上に簡単です。特にNHKのBSの番組は、動物の番組に力を入れているようで、面白い番組が多数あります。これら番組を見ることで、人間も動物の一種類ですので、当然と言えば当然なのですが、動物はその活動やその細かい志向(気持ち)において、本当に人間に似ているなと感じることは多いものです。

 

動物の活動や志向は、そもそも生きるため、また種の保存や他の同じ動物との関係性において、人間より強烈な形で現れますので、人間も心の奥底で、このようなことを考えるのだなとハットすることもあります。

 

これら番組は明確なメッセージの基に作られていますので、そもそも人間とはを、説得力を持って知ることができるという面から、有用な情報源です。

 

2. 動物園や水族館に行く

皆さんも、小さい頃、幼稚園の遠足や家族と一緒に動物園や水族館に行った経験があるのではないでしょうか。また子供ができて子供が小さい頃は、動物園や水族館に子供と一緒に行く機会があります。しかし、年齢を重ねると、これら場所に行く機会がほとんどなくなります。私自身も、もう何十年もこのような場所には行っていません。

 

しかし、これら場所は、ペットを飼っている人を別にして、一般の人にとって、唯一生身の動物を身近に感じる場所です。これらの場所に行けば、動物の大きさ、匂い、声、毛並みや皮膚、表情などを五感を持ってありありと感じることができます。ライオンや虎、熊といった獰猛な動物については、襲われる恐怖など、普段感じる機会がない感覚も経験することもできます。

 

3. 動物と戯れる機会を持つ

実際に動物に触れる機会を持つことで、より深く動物を理解することができます。ペットを飼っている人達は普段からこのようなことをしているわけですが、その他の人にとってはこのような機会は通常ありません。動物園や水族館で、動物に触れる機会を提供してくれる場所もあります。たとえば、水族館の中ではイルカに触れる機会がある、もしくは更にイルカと一緒に水槽に入り一緒に泳ぐなどの経験をさせてくれるところもあります。

 

4. 自然環境の中で動物を観察し、更に実際に触れる機会を持つ

サル、ゴリラ、ライオン、チータなどの動物研究者は、実際の自然活況の中で、動物の生態を観察し、さらには実際に動物に触れ、コミュニケーションするというようなことを行っています。一般の人にとってはほとんど不可能にも思えますが、完全に不可能というわけではありません。

 

アフリカでのサファリツアーなどはこの例ですが、必要な金額、期間から言って、簡単ではありません。もう少し身近な方法もあります。たとえば、長野県に地獄谷野猿公苑という場所があり、野生の猿が群れで温泉に浸かっています。日本を訪れる外国人にも人気のスポットであるらしく、近年注目を集めています。その他、日本では猿や鹿に触れる機会はあります。

 

5. 自然環境の中で動物と一緒に生活する

現代人にとっては、不可能なことですが、何千年もの前の人類はこのような生活をしていました。神話や物語の世界の話ですが、人間が動物に育てられた(狼に育てられたロムルスとレムス、類人猿に育てられたターザンなど)例があります。妄想の世界ではありますが、もしこのようなことが実現できれば、動物を深く理解することができます。

 

次回に続きます。

 

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この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

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