「開発手法」で完璧を目指さない 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その34)

更新日

投稿日

 
  技術マネジメント
 
 今回は、「アジャイル開発」の話題です。システム開発の手法として、「ウォーターフォール」から「アジャイル開発」に移行した方が効率的だという文章をよく目にします。
 
 数年前に比べて、実際に施行した組織の成功談や失敗談が語られ、より身近なものになってきたのかもしれません。
 
 開発者の多くは今までやってきた開発手法を変えようとはしません。なぜなら「面倒だから」「どうせうまくいきっこないと思う」「時間が惜しい」などの理由があるからです。
 
 私の開発経験からも「アジャイル開発」の基本方針はとても効率的に効果を生み出せると感じています。そして、「アジャイル開発」というなんだか特別な開発手法、複雑な開発手法だと感じている方が非常に多いなとも感じています。
 
 今回は「アジャイル開発とはなんぞや」というお話ではなく、新しい開発手法の取り扱いについての注意点をご紹介します。
 
 結論から申しますと、タイトル通り「開発手法で完璧を目指さない」ことです。新しい開発手法やルールを適用したいと思ったら、いきなり導入しようとせずに小さなステップで試すことです。そして、マニュアル通りの完璧を目指さないことです。
 
 導入時には、必ずデメリットがあり、導入マニュアルを自社に適合するよう改善することが必要です。
 
 では、どのステップで施行したら良いのでしょうか。
 
 新しい開発手法は量産設計で導入するにはリスクが高く、適していません。反面、開発ステップは、研究ステップよりも現実的なステップであり、具体的な改善につながる見込みがあります。
 
 また開発ステップの中でも、ある一つのテーマをモデルケースとして施行し、PDCAを回しながら、自社に合う開発手法であれば、段階的に量産ステッ...
 
  技術マネジメント
 
 今回は、「アジャイル開発」の話題です。システム開発の手法として、「ウォーターフォール」から「アジャイル開発」に移行した方が効率的だという文章をよく目にします。
 
 数年前に比べて、実際に施行した組織の成功談や失敗談が語られ、より身近なものになってきたのかもしれません。
 
 開発者の多くは今までやってきた開発手法を変えようとはしません。なぜなら「面倒だから」「どうせうまくいきっこないと思う」「時間が惜しい」などの理由があるからです。
 
 私の開発経験からも「アジャイル開発」の基本方針はとても効率的に効果を生み出せると感じています。そして、「アジャイル開発」というなんだか特別な開発手法、複雑な開発手法だと感じている方が非常に多いなとも感じています。
 
 今回は「アジャイル開発とはなんぞや」というお話ではなく、新しい開発手法の取り扱いについての注意点をご紹介します。
 
 結論から申しますと、タイトル通り「開発手法で完璧を目指さない」ことです。新しい開発手法やルールを適用したいと思ったら、いきなり導入しようとせずに小さなステップで試すことです。そして、マニュアル通りの完璧を目指さないことです。
 
 導入時には、必ずデメリットがあり、導入マニュアルを自社に適合するよう改善することが必要です。
 
 では、どのステップで施行したら良いのでしょうか。
 
 新しい開発手法は量産設計で導入するにはリスクが高く、適していません。反面、開発ステップは、研究ステップよりも現実的なステップであり、具体的な改善につながる見込みがあります。
 
 また開発ステップの中でも、ある一つのテーマをモデルケースとして施行し、PDCAを回しながら、自社に合う開発手法であれば、段階的に量産ステップに導入するという方法を取ることがベストです。
 
 新しい開発手法をむやみに毛嫌いしたり、大企業が導入しているからと盲目的に信頼したりせず、自社に合うかを客観的に判断することを重要視してください。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
リーダー層の技術者倫理教育とは、組織の未来を築く誠実な判断力

【目次】  ▼さらに深く学ぶなら!「技術者倫理」に関するオンデマンドセミナーはこちら! 1. はじめに 前回の「新入社...

【目次】  ▼さらに深く学ぶなら!「技術者倫理」に関するオンデマンドセミナーはこちら! 1. はじめに 前回の「新入社...


設計の信頼性・安全性を考える

 設計のしくみ確立と設計品質作り込み法として、今回は、設計ミスと信頼性・安全性について考えてみます。新製品を開発する場合、お客様の要求を理解して、デザイン...

 設計のしくみ確立と設計品質作り込み法として、今回は、設計ミスと信頼性・安全性について考えてみます。新製品を開発する場合、お客様の要求を理解して、デザイン...


試作から量産に向けての課題解決

   新規製品の立ち上げで、試作から量産に向けて様々な課題を解決しなければなりません。今回は、この部分を解説します。考慮するポイントは次のよう...

   新規製品の立ち上げで、試作から量産に向けて様々な課題を解決しなければなりません。今回は、この部分を解説します。考慮するポイントは次のよう...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
成功体験が重荷となる製品開発プロセス(その2)

◆ 解決策    成功体験が重荷となる製品開発プロセス(その1:現状の課題)では、スマートフォンで起きていることを例にして、従来の組み込みソ...

◆ 解決策    成功体験が重荷となる製品開発プロセス(その1:現状の課題)では、スマートフォンで起きていることを例にして、従来の組み込みソ...


進捗管理可能なソフト開発計画 プロジェクト管理の仕組み (その6)

 前回のその5:ソフト開発計画の作成方法に続いて解説します。    製品機能に対するソフトウェアの各モジュールが実装すべき処理(内部機能)が...

 前回のその5:ソフト開発計画の作成方法に続いて解説します。    製品機能に対するソフトウェアの各モジュールが実装すべき処理(内部機能)が...


スーパーマンではなくプロフェッショナルな技術者に(その3)

【プロフェッショナルな技術者 連載目次】 1. 製品開発現場が抱えている問題 2. プロフェッショナルによる製品開発 3. 設計組織がねらい通り...

【プロフェッショナルな技術者 連載目次】 1. 製品開発現場が抱えている問題 2. プロフェッショナルによる製品開発 3. 設計組織がねらい通り...