現状を正しく認識するために必要なこと 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その3)

更新日

投稿日

 
 技術マネジメント
 
 商品や技術開発のロードマップを作るためには、様々なステップがあります。
 
 特に重要なステップであるにも関わらず、実はないがしろにされてしまいがちなものが何か、お分かりでしょうか?
 
 それは、「ベンチマーク」を徹底して行うことです。
 
 特に下記のいずれかに該当する組織は、今すぐベンチマーク活動をするべきです。
 
  •  一度も他社のベンチマークをしたことがない
  •  ここしばらく3年はベンチマークしていない
  •  開発担当者がベンチマークをしていない(担当部署の結果を閲覧するだけ)
 
 これも大手企業や既存事業が安定している(停滞気味)な企業でありがちな話です。「インターネットで分解写真と解説を見ているからそんなの無駄!」などとは、組織リーダーの方は絶対に言ってはいけません。
 
 それでは、頭でっかちで知っているつもり技術者の集団になってしまいます。過去に私が所属していた組織でもベンチマークを一切やらない、一部の興味があるメンバーが数年前に興味のある分野しかやらないということがありました。
 
 時間がないとそのまま新規事業の開発に取り組んでいましたが、戦う相手が見えていない状態では、勝てるはずもありません。
 
 そして案の定、思うように開発が進まず、設計のやり直しが繰り返され、苦労しました。組織の方針を独自で作ることも必要ですが、自己満足のロードマップを引くことは大変危険です。
 
 必ず、同じ土俵で一緒に戦う相手をしっかりベンチマークしてください。開発担当者が直に触ってテストするとインターネットなどの不特定多数に対して行う分析とは違い、あなたの企業・組織に必要な情報が得られます。
 
 なぜなら、あなたの企業・組織が大事にしている設計ノウハウや強み、また意識している弱みにフューチャーして分析するからです。また直に触ることで、今まで着目したこともない、思いもよらなかった発見をすることができます。
 
 そして分析した後にはどうしたら追いつけるか、追い...
 
 技術マネジメント
 
 商品や技術開発のロードマップを作るためには、様々なステップがあります。
 
 特に重要なステップであるにも関わらず、実はないがしろにされてしまいがちなものが何か、お分かりでしょうか?
 
 それは、「ベンチマーク」を徹底して行うことです。
 
 特に下記のいずれかに該当する組織は、今すぐベンチマーク活動をするべきです。
 
  •  一度も他社のベンチマークをしたことがない
  •  ここしばらく3年はベンチマークしていない
  •  開発担当者がベンチマークをしていない(担当部署の結果を閲覧するだけ)
 
 これも大手企業や既存事業が安定している(停滞気味)な企業でありがちな話です。「インターネットで分解写真と解説を見ているからそんなの無駄!」などとは、組織リーダーの方は絶対に言ってはいけません。
 
 それでは、頭でっかちで知っているつもり技術者の集団になってしまいます。過去に私が所属していた組織でもベンチマークを一切やらない、一部の興味があるメンバーが数年前に興味のある分野しかやらないということがありました。
 
 時間がないとそのまま新規事業の開発に取り組んでいましたが、戦う相手が見えていない状態では、勝てるはずもありません。
 
 そして案の定、思うように開発が進まず、設計のやり直しが繰り返され、苦労しました。組織の方針を独自で作ることも必要ですが、自己満足のロードマップを引くことは大変危険です。
 
 必ず、同じ土俵で一緒に戦う相手をしっかりベンチマークしてください。開発担当者が直に触ってテストするとインターネットなどの不特定多数に対して行う分析とは違い、あなたの企業・組織に必要な情報が得られます。
 
 なぜなら、あなたの企業・組織が大事にしている設計ノウハウや強み、また意識している弱みにフューチャーして分析するからです。また直に触ることで、今まで着目したこともない、思いもよらなかった発見をすることができます。
 
 そして分析した後にはどうしたら追いつけるか、追い越せるか、一人勝ちできるかを考え、対策を打つことができるのです。この結果が現状を正しく理解した、勝てる独自ロードマップにつながります。
 
 次回は、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その4)特許出願技術動向調査の簡単活用例を解説します。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
設計品質の作り込みと、人的設計ミス防止策(その3)

  【設計品質の作り込みと人的設計ミス防止策 連載目次】 1. 設計品質とはなにか 2. 設計プロセスと設計ミス回避策 3. 設計ミ...

  【設計品質の作り込みと人的設計ミス防止策 連載目次】 1. 設計品質とはなにか 2. 設計プロセスと設計ミス回避策 3. 設計ミ...


大学へのマーケティング 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その51)

        今回は新規事業のアイディアを出す上で、マーケティング対象となりえる大学へのアプローチについて...

        今回は新規事業のアイディアを出す上で、マーケティング対象となりえる大学へのアプローチについて...


「開発手法」で完璧を目指さない 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その34)

        今回は、「アジャイル開発」の話題です。システム開発の手法として、「ウォーターフォール」から「...

        今回は、「アジャイル開発」の話題です。システム開発の手法として、「ウォーターフォール」から「...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
技術資源の有効活用: 事例紹介 (その1)

 今回から2回に分けて、TRMによる活動の事例紹介をいたします。TRM(Technical Resource Management)は自社が保有する潜在的...

 今回から2回に分けて、TRMによる活動の事例紹介をいたします。TRM(Technical Resource Management)は自社が保有する潜在的...


‐現場観察のチェックポイント‐  製品・技術開発力強化策の事例(その8)

 前回の事例その7に続いて解説します。現場観察はどのような場合でも非常に大切です。 価値ある情報をくみ上げる観察力を絶えず自己啓発する必要があります。現場...

 前回の事例その7に続いて解説します。現場観察はどのような場合でも非常に大切です。 価値ある情報をくみ上げる観察力を絶えず自己啓発する必要があります。現場...


イノベーション戦略のキーツールとは

  1. 現代のワークショップ    ワークショップは元々、職人が集まって共同で何かを作るための「工房」「作業場」といった意味の...

  1. 現代のワークショップ    ワークショップは元々、職人が集まって共同で何かを作るための「工房」「作業場」といった意味の...