新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その93)企画作成前に定義すること

プログラムマネジメント

 

【この連載の前回へのリンク】

今回は「新規事業のアイディアを出し、企画を作成する際は、前提条件と制約条件をまとめる」についてです。新規事業のアイディアを出し、企画を作成するにあたって、事前に決めておくべき項目があります。今回は、その中でも重要な2つの項目、制約条件と前提条件について解説します。

 

新規事業開発を成功へと導くためには、プロジェクトが掲げるビジョンや主要目標を設定することが必要です。なぜなら、プロジェクトに参加するメンバーそれぞれの置かれている立場が違うことで、判断基準や価値観が異なり、開発の方向性がぶれるケースが目立つからです。

 

これを解決するためにビジョン・目標の設定が必要ですが、その前に前提条件と制約条件を明らかにすることで、具体的かつ納得性がある目標を決めることができます。

 

1.プロジェクトマネジメントにおける前提条件と制約条件

【前提条件】

プロジェクト遂行にあたり、「成立すると仮定できる要素」を示します。

 

例えばターゲットとする業界や製品形態、開発に必要な人員や費用が十分に用意される、プロジェクトマネジャーの裁量権が想定どおり与えられるなど、明示化されない条件です。これらはプロジェクトマネジャーが期待する要素であり、前提条件が崩壊することで重大なリスクに転じる可能性があります。これを予防するために、事前に前提条件を抽出し確認することが必要です。

 

【制約条件】

プロジェクトチームの力では変更できない条件を示します。

 

例えば開発を担当する組織や法律、規制やプロジェクト予算、納期などが該当します。これらを明示することで、詳細な企画立案が可能となります。

 

以上がプロジェクトの前提条件と制約条件です。

 

2.新規事業開発:事業そのものに対する前提条件・制約条件

【必須5項目】

・ターゲット

アマゾフのマトリックスの2軸:市場/顧客、商品/技術において対象製品が既存事業の延長戦上にあるか、もしくは自社にとって新規性が高い事業かによって前者を「隣接」、後者を「飛び地」と明確にします。加えて製品形態は製造物(ハード)に限定するか、サービスを含むソリューションとするかを明らかにします。

 

・市場規模

売上規模や市場占有率について目標値を設定します。目指す事業規模が決裁者とプロジェクトマネジャー間で乖離がある状態では、開発の後戻りとなる事例が目立つため、必ず実施してください。

 

・時間

製品の販売予定時期を設定します。市場投入時期が5年後か10年後かにより、市場ニーズや技術シーズは大きく変化します。ゆえに必須の条件とします。

 

・市場

ターゲットとする業...

プログラムマネジメント

 

【この連載の前回へのリンク】

今回は「新規事業のアイディアを出し、企画を作成する際は、前提条件と制約条件をまとめる」についてです。新規事業のアイディアを出し、企画を作成するにあたって、事前に決めておくべき項目があります。今回は、その中でも重要な2つの項目、制約条件と前提条件について解説します。

 

新規事業開発を成功へと導くためには、プロジェクトが掲げるビジョンや主要目標を設定することが必要です。なぜなら、プロジェクトに参加するメンバーそれぞれの置かれている立場が違うことで、判断基準や価値観が異なり、開発の方向性がぶれるケースが目立つからです。

 

これを解決するためにビジョン・目標の設定が必要ですが、その前に前提条件と制約条件を明らかにすることで、具体的かつ納得性がある目標を決めることができます。

 

1.プロジェクトマネジメントにおける前提条件と制約条件

【前提条件】

プロジェクト遂行にあたり、「成立すると仮定できる要素」を示します。

 

例えばターゲットとする業界や製品形態、開発に必要な人員や費用が十分に用意される、プロジェクトマネジャーの裁量権が想定どおり与えられるなど、明示化されない条件です。これらはプロジェクトマネジャーが期待する要素であり、前提条件が崩壊することで重大なリスクに転じる可能性があります。これを予防するために、事前に前提条件を抽出し確認することが必要です。

 

【制約条件】

プロジェクトチームの力では変更できない条件を示します。

 

例えば開発を担当する組織や法律、規制やプロジェクト予算、納期などが該当します。これらを明示することで、詳細な企画立案が可能となります。

 

以上がプロジェクトの前提条件と制約条件です。

 

2.新規事業開発:事業そのものに対する前提条件・制約条件

【必須5項目】

・ターゲット

アマゾフのマトリックスの2軸:市場/顧客、商品/技術において対象製品が既存事業の延長戦上にあるか、もしくは自社にとって新規性が高い事業かによって前者を「隣接」、後者を「飛び地」と明確にします。加えて製品形態は製造物(ハード)に限定するか、サービスを含むソリューションとするかを明らかにします。

 

・市場規模

売上規模や市場占有率について目標値を設定します。目指す事業規模が決裁者とプロジェクトマネジャー間で乖離がある状態では、開発の後戻りとなる事例が目立つため、必ず実施してください。

 

・時間

製品の販売予定時期を設定します。市場投入時期が5年後か10年後かにより、市場ニーズや技術シーズは大きく変化します。ゆえに必須の条件とします。

 

・市場

ターゲットとする業界、理想の顧客像を決めます。理想の顧客像はペルソナとして設定します。具体的には顔写真(絵でも構わない)や名前、年齢、住んでいる場所や職業、趣味や抱えている悩みなどを予測します。これによりステークホルダー間で共通のターゲット像をイメージすることができます。

 

・注力分野

コア技術として、長期にわたり開発を継続する技術分野を設定します。事業戦略と照らし合わせ、競合優位性・独自性といった評価を行い決定します。

 

次回に続きます。

 

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この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


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