開発リーダーが気をつけるべき口ぐせとは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その25)

更新日

投稿日

 
  技術マネジメント
 
 今回は「開発リーダーが気をつけるべき口ぐせ」をテーマにしました。この記事では、口ぐせが及ぼす脅威とありがちな口ぐせ、その対処法を解説します。
 
 新規事業・新商品の開発リーダーは、発言に責任を持つ必要があることは十分にご理解されているかと思います。では、無意識に発している口ぐせに気を使っていらっしゃるでしょうか?
 
 あえて、「無意識」という単語を使いましたが、口ぐせとは正に意識的に発するものではなく各人の潜在的な習慣から出てくるものです。そして、だからこそ注意する必要があるのです。
 
 口ぐせは、思っている以上に強烈なパワーを持って相手に伝わるものです。その具体例をご紹介します。
 
 技術者として就職して間もない頃の私の口ぐせの中に「忙しい」というワードがありました。当時は開発スキルもなく、アサインされた業務をうまくこなせず、毎日が深夜の残業続き…精神的に全く余裕がない状態でした。
 
 このような状況が続く中、上司からの新しい案件の依頼や友人からの遊びの誘いに全て「忙しいので無理です」と返事をしていました。そして、何かにつけて「忙しい」「忙しい」を連呼していた時に知人から、「いつも、忙しいって言ってばかり。幸せが逃げていくよ。」とうんざりされながら言われたことで、ようやく口ぐせになってしまっていることに気づいたのです。
 
 今から思えば、当時の周りの方々も辟易していたでしょう。
 
 若手社員であっても周りを暗くしてしまうネガティブな口ぐせ、これを開発リーダーが無意識に連呼していたとしたらどうでしょう?そんなリーダーに付いて行きたい、一緒に頑張りたいと思う部下はいなくなります。また、開発プロジェクトに悪影響を及ぼす可能性が大きいことも覚えておいてください。
 
 代表的な口ぐせにこんな例があります。
 
  • どうせ、この開発プロジェクトはうまくいかない
  • だって、いずれは世の中から必要とされない事業だから続ける意味がない
  • うちの会社には〇〇という技術しか強みがない
 
 などなど、具体的な内容を聞かずともネガティブな印象を与えるワードです。
 
 一度くらいなら流して聞くことができますが、こんなワードを毎日聴いていたら段々と本当にそんな気持ちになってしまいそうです。同様にご自身も発言した言葉を聞くことになり、出来ないイメージが広がり、結果が出せないことにつながります。
 
 では、どのように修正したらよいのでしょうか?
 
 習慣化されている口ぐせを直すには、突発的な発言を避けることからはじめます。発言する際に一呼吸置き、ご自分の発言を頭に浮かべると口ぐせをいう前に気づくことが出来ます。口ぐせを言いそう事に気づいたら、ネガティブからポジティブへと発言内容を修正します。
 
例えば「どうせ、この開発プロ...
 
  技術マネジメント
 
 今回は「開発リーダーが気をつけるべき口ぐせ」をテーマにしました。この記事では、口ぐせが及ぼす脅威とありがちな口ぐせ、その対処法を解説します。
 
 新規事業・新商品の開発リーダーは、発言に責任を持つ必要があることは十分にご理解されているかと思います。では、無意識に発している口ぐせに気を使っていらっしゃるでしょうか?
 
 あえて、「無意識」という単語を使いましたが、口ぐせとは正に意識的に発するものではなく各人の潜在的な習慣から出てくるものです。そして、だからこそ注意する必要があるのです。
 
 口ぐせは、思っている以上に強烈なパワーを持って相手に伝わるものです。その具体例をご紹介します。
 
 技術者として就職して間もない頃の私の口ぐせの中に「忙しい」というワードがありました。当時は開発スキルもなく、アサインされた業務をうまくこなせず、毎日が深夜の残業続き…精神的に全く余裕がない状態でした。
 
 このような状況が続く中、上司からの新しい案件の依頼や友人からの遊びの誘いに全て「忙しいので無理です」と返事をしていました。そして、何かにつけて「忙しい」「忙しい」を連呼していた時に知人から、「いつも、忙しいって言ってばかり。幸せが逃げていくよ。」とうんざりされながら言われたことで、ようやく口ぐせになってしまっていることに気づいたのです。
 
 今から思えば、当時の周りの方々も辟易していたでしょう。
 
 若手社員であっても周りを暗くしてしまうネガティブな口ぐせ、これを開発リーダーが無意識に連呼していたとしたらどうでしょう?そんなリーダーに付いて行きたい、一緒に頑張りたいと思う部下はいなくなります。また、開発プロジェクトに悪影響を及ぼす可能性が大きいことも覚えておいてください。
 
 代表的な口ぐせにこんな例があります。
 
  • どうせ、この開発プロジェクトはうまくいかない
  • だって、いずれは世の中から必要とされない事業だから続ける意味がない
  • うちの会社には〇〇という技術しか強みがない
 
 などなど、具体的な内容を聞かずともネガティブな印象を与えるワードです。
 
 一度くらいなら流して聞くことができますが、こんなワードを毎日聴いていたら段々と本当にそんな気持ちになってしまいそうです。同様にご自身も発言した言葉を聞くことになり、出来ないイメージが広がり、結果が出せないことにつながります。
 
 では、どのように修正したらよいのでしょうか?
 
 習慣化されている口ぐせを直すには、突発的な発言を避けることからはじめます。発言する際に一呼吸置き、ご自分の発言を頭に浮かべると口ぐせをいう前に気づくことが出来ます。口ぐせを言いそう事に気づいたら、ネガティブからポジティブへと発言内容を修正します。
 
例えば「どうせ、この開発プロジェクトはうまくいかない」は、「この方法なら、このプロジェクトはうまくいくかもしれない」「このプロジェクトをもっとうまく進めるにはどうしたらいいか、一緒に考えてくれないか?」などです。
 
 不安に感じている業務や課題は、どうすればうまくいくかという文章に変換することでポジティブな方向に持っていくことが出来ます。ぜひ、日常の発言に取り入れてみてください。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
AI(人工知能)が加速させるモノづくりの進化

 1980年代、世界のIT業界で人工知能(AI)ブームが起きました。日本の通産省が人工知能を実現する次世代コンピューターの開発を目指して、第五世代コンピュ...

 1980年代、世界のIT業界で人工知能(AI)ブームが起きました。日本の通産省が人工知能を実現する次世代コンピューターの開発を目指して、第五世代コンピュ...


技術の棚卸し 技術企業の高収益化:実践的な技術戦略の立て方(その2)

   2020年、ビジネスの現場ではWEB会議が当然のようになり、ハンコもなくなろうとするなど、従来の価値観が大きく変わろうとしています。...

   2020年、ビジネスの現場ではWEB会議が当然のようになり、ハンコもなくなろうとするなど、従来の価値観が大きく変わろうとしています。...


夢商品開発七つ道具の総括 【快年童子の豆鉄砲】(その55)

  1.夢商品開発七つ道具の総括 「夢商品開発七つ道具(Y7)」の説明をしてきましたが、開発理念が共通することから「創造的魅力商品開発七...

  1.夢商品開発七つ道具の総括 「夢商品開発七つ道具(Y7)」の説明をしてきましたが、開発理念が共通することから「創造的魅力商品開発七...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
擦り合わせ型と組み合わせ型 目指すべき開発体制とは(その1)

  【目指すべき開発体制 連載目次】 目指すべき開発体制とは(その1)擦り合わせ型と組み合わせ型 目指すべき開発体制とは(その2)日本企業文化を...

  【目指すべき開発体制 連載目次】 目指すべき開発体制とは(その1)擦り合わせ型と組み合わせ型 目指すべき開発体制とは(その2)日本企業文化を...


CS-T法を起点とした技術開発プロセスとは、乗用車用エンジンの技術開発事例

▼さらに深く学ぶなら!「品質工学」に関するセミナーはこちら! 機能を起点に形を考案するというプロセスの成功例として,品質工学会でも多くの方々に大きな...

▼さらに深く学ぶなら!「品質工学」に関するセミナーはこちら! 機能を起点に形を考案するというプロセスの成功例として,品質工学会でも多くの方々に大きな...


進捗の見える化:第3回 プロジェクト管理の仕組み (その12)

 前回の進捗の見える化:第2回に続いて解説します。    最後は、プロジェクトの入力である開発工数です。これで、基本メトリクスセットすべてに...

 前回の進捗の見える化:第2回に続いて解説します。    最後は、プロジェクトの入力である開発工数です。これで、基本メトリクスセットすべてに...