開発テーマの設定プロセス 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その7)

更新日

投稿日

 
  技術マネジメント
 
 今回は新規事業・新商品を生み出すためタネとなる「開発テーマ」の設定プロセスについて解説します。
 

 ◆開発テーマの設定プロセスは、次の3つのステップで行います。

 

【ステップ1】情報収集

 
 新規事業・新商品のアイディアの源泉となる、情報を可能な限り収集することです。このブログでも何度かご紹介しているとおり、業界や分野を問わず、あらゆるものに興味を持ち、気になった出来事や商品などをメモに残します。
 
 組織の中でシェアしたり、データベースに残すことが有効です。
 

【ステップ2】アイディア発散と収束

 
 取集した情報を元にあらゆる角度から見て、アイディアを出し合います。この時に注意するべきことは、批判しないことです。
 
 アイディアを出す「発散」のフェーズは、とにかくタネを広げること、出てきたアイディアとアイディアを組み合わせて、可能性を存分に出し合うことが重要です。そして「収束」のフェーズは、「発散」したアイディアを選定した場合を想定し、その効果と実現性を評価します。
 
 この時、単に評価することだけにとらわれず、更なるアイディアの深掘りをすることも有効です。また、特に気をつけるべきことは、「出来ない」、「やっても無駄」といったネガティブな方向に討議をさせないことです。
 
 ここは、組織職やリーダーがリーダーシップをとって場のコントロールしながら進めてください。
 

【ステップ3】仮説検証

 
 最後に仮説検証です。アイディア収束のフェーズで決めた開発テーマの「候補」をより深く仮説し、検証します。
 
 具体的な開発の進め方や資源、技術的なハードルなどを細かく調査し、検証します。この仮説検証は、一度だけでなく、小さなプロジェクト形式で何度も回すことで新規事業・新商品への確度を徐々に高めことができます。
 
 開発テーマの大きさにもよりますが、会社の資源(人・もの・金)を使う規模に合わせ、複数回の仮説検証を経て開...
 
  技術マネジメント
 
 今回は新規事業・新商品を生み出すためタネとなる「開発テーマ」の設定プロセスについて解説します。
 

 ◆開発テーマの設定プロセスは、次の3つのステップで行います。

 

【ステップ1】情報収集

 
 新規事業・新商品のアイディアの源泉となる、情報を可能な限り収集することです。このブログでも何度かご紹介しているとおり、業界や分野を問わず、あらゆるものに興味を持ち、気になった出来事や商品などをメモに残します。
 
 組織の中でシェアしたり、データベースに残すことが有効です。
 

【ステップ2】アイディア発散と収束

 
 取集した情報を元にあらゆる角度から見て、アイディアを出し合います。この時に注意するべきことは、批判しないことです。
 
 アイディアを出す「発散」のフェーズは、とにかくタネを広げること、出てきたアイディアとアイディアを組み合わせて、可能性を存分に出し合うことが重要です。そして「収束」のフェーズは、「発散」したアイディアを選定した場合を想定し、その効果と実現性を評価します。
 
 この時、単に評価することだけにとらわれず、更なるアイディアの深掘りをすることも有効です。また、特に気をつけるべきことは、「出来ない」、「やっても無駄」といったネガティブな方向に討議をさせないことです。
 
 ここは、組織職やリーダーがリーダーシップをとって場のコントロールしながら進めてください。
 

【ステップ3】仮説検証

 
 最後に仮説検証です。アイディア収束のフェーズで決めた開発テーマの「候補」をより深く仮説し、検証します。
 
 具体的な開発の進め方や資源、技術的なハードルなどを細かく調査し、検証します。この仮説検証は、一度だけでなく、小さなプロジェクト形式で何度も回すことで新規事業・新商品への確度を徐々に高めことができます。
 
 開発テーマの大きさにもよりますが、会社の資源(人・もの・金)を使う規模に合わせ、複数回の仮説検証を経て開発テーマの企画提案を行う方がよい場合もあります。ご自身の組織の性格に合わせて取り組んでください。
 
 次回は、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その8)新規事業開発には創発的戦略を使うを解説します。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
製品設計:ミス防止対策(その5)

【製品設計:ミス防止対策 連載目次】 1.  お客様目線で行う製品設計、「未然防止の品質管理」 2.  過去のトラブル、フィー...

【製品設計:ミス防止対策 連載目次】 1.  お客様目線で行う製品設計、「未然防止の品質管理」 2.  過去のトラブル、フィー...


製品開発部へのカンバン導入とは 【連載記事紹介】

       製品開発部へのカンバン導入の連載が無料でお読みいただけます。   ビジネスの世界...

       製品開発部へのカンバン導入の連載が無料でお読みいただけます。   ビジネスの世界...


技術者倫理とは?

  技術者倫理、倫理綱領は知っているが、何となく腑に落ちないというあなたに、技術者倫理の考え方とその必要性を解説します。 ◆関連解説『人...

  技術者倫理、倫理綱領は知っているが、何となく腑に落ちないというあなたに、技術者倫理の考え方とその必要性を解説します。 ◆関連解説『人...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
マトリクス体制での品質保証1 プロジェクト管理の仕組み (その30)

 適切な品質管理を実施できるような仕組みを構築し、運用することが品質保証であることを前回説明しました。品質管理を正しく実施するポイントは、製品(ここではサ...

 適切な品質管理を実施できるような仕組みを構築し、運用することが品質保証であることを前回説明しました。品質管理を正しく実施するポイントは、製品(ここではサ...


成功体験が重荷となる製品開発プロセス(その2)

◆ 解決策    成功体験が重荷となる製品開発プロセス(その1:現状の課題)では、スマートフォンで起きていることを例にして、従来の組み込みソ...

◆ 解決策    成功体験が重荷となる製品開発プロセス(その1:現状の課題)では、スマートフォンで起きていることを例にして、従来の組み込みソ...


女性視点の製品アイデア発想事例

 「女性活躍推進」に優れた「なでしこ銘柄」と呼ばれる上場企業が、平成25年度で26社存在します。しかし、私もソニー時代からハードウェアエンジニアですが、モ...

 「女性活躍推進」に優れた「なでしこ銘柄」と呼ばれる上場企業が、平成25年度で26社存在します。しかし、私もソニー時代からハードウェアエンジニアですが、モ...