新規事業の目標設定 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その89)

更新日

投稿日

技術マネジメント

 

◆ 新規事業リーダーが行う目標設定

 昨今、研究開発の現場においても、自らが新規事業を立ち上げるというミッションが課せられるようになりました。この流れの中で、研究開発リーダーから次のような悩みを相談されることが多くあります。

 

  • 「どんな目標を設定すればよいのか?」
  • 「経営陣からは、成功を前提としたリスクがなく、利益を創出するテーマを設定してほしいとオーダーを受けるが、目標への落とし込みが難しい」
  • 「開発現場からは、斬新なアイディアが上がってくるが、リスクを考えると手が出せない」

 

 このようにリスクなく既存事業並みの売り上げを目指すテーマを創出する、従来の研究開発のミッションを超えることで発生した悩みです。

 特に新規性が高い商品とリスクゼロ商品の両立は、矛盾しているといっても過言ではないでしょう。このような場合、研究開発リーダーは組織目標をどのように設定すればよいのでしょうか。答えは「2つの視点で目標を設定する」ことです。次のように、難易度が高い目標と平均的な目標を設定することで、開発の全敗を抑止します。

 

1. 達成が難しい挑戦的な目標

 事業性が高く技術開発の新規性も高い、達成する可能性が比較的、低い(1%~50%)挑戦的な目標を設定します。うまくいけば成功事例として社内外にPRできますが、失敗するリスクを考えると躊躇するテーマが該当します。

 

2. 達成見込みが高い平均的な目標

 既存事業で既に活用しているコア技術など、達成する可能性が比較的高い目標を設定します。経営層、開発現場ともに安心してコミットできるテーマが該当します。また新規性が高いテーマであっても、ルールやフローといったプロセス構築を目標とするケースも該当します。

 

 このように新規事業開発リーダーは、挑戦的な目標のみを掲げるのではなく、ステークホルダー全員が安心して開発を進めるために平均的な目標を設定することを実践してください。ステークホルダーの中には、挑戦・改革...

技術マネジメント

 

◆ 新規事業リーダーが行う目標設定

 昨今、研究開発の現場においても、自らが新規事業を立ち上げるというミッションが課せられるようになりました。この流れの中で、研究開発リーダーから次のような悩みを相談されることが多くあります。

 

  • 「どんな目標を設定すればよいのか?」
  • 「経営陣からは、成功を前提としたリスクがなく、利益を創出するテーマを設定してほしいとオーダーを受けるが、目標への落とし込みが難しい」
  • 「開発現場からは、斬新なアイディアが上がってくるが、リスクを考えると手が出せない」

 

 このようにリスクなく既存事業並みの売り上げを目指すテーマを創出する、従来の研究開発のミッションを超えることで発生した悩みです。

 特に新規性が高い商品とリスクゼロ商品の両立は、矛盾しているといっても過言ではないでしょう。このような場合、研究開発リーダーは組織目標をどのように設定すればよいのでしょうか。答えは「2つの視点で目標を設定する」ことです。次のように、難易度が高い目標と平均的な目標を設定することで、開発の全敗を抑止します。

 

1. 達成が難しい挑戦的な目標

 事業性が高く技術開発の新規性も高い、達成する可能性が比較的、低い(1%~50%)挑戦的な目標を設定します。うまくいけば成功事例として社内外にPRできますが、失敗するリスクを考えると躊躇するテーマが該当します。

 

2. 達成見込みが高い平均的な目標

 既存事業で既に活用しているコア技術など、達成する可能性が比較的高い目標を設定します。経営層、開発現場ともに安心してコミットできるテーマが該当します。また新規性が高いテーマであっても、ルールやフローといったプロセス構築を目標とするケースも該当します。

 

 このように新規事業開発リーダーは、挑戦的な目標のみを掲げるのではなく、ステークホルダー全員が安心して開発を進めるために平均的な目標を設定することを実践してください。ステークホルダーの中には、挑戦・改革を好む人物も、安心・安全を最優先にする人物も混在しています。多彩な環境の中で、新規事業を成功させるためには両者が納得できる目標を設定することが、リーダーのミッションです。

 

 今回は「新規事業リーダーは決裁者の納得性を高め、メンバーの士気を上げるために2つの視点で目標を設定する」について解説しました。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
試作から量産に向けての課題解決

   新規製品の立ち上げで、試作から量産に向けて様々な課題を解決しなければなりません。今回は、この部分を解説します。考慮するポイントは次のよう...

   新規製品の立ち上げで、試作から量産に向けて様々な課題を解決しなければなりません。今回は、この部分を解説します。考慮するポイントは次のよう...


日本主導で起こりうる次のイノベーション【第1回】~機械部門技術士が予測する、3年以内の技術パラダイム転換~

【目次】 日本の製造業を支える現場起点の技術循環 設計・生産・自動化・人材が相互につながり、現場で磨かれた技術が次の価値を生み出し...

【目次】 日本の製造業を支える現場起点の技術循環 設計・生産・自動化・人材が相互につながり、現場で磨かれた技術が次の価値を生み出し...


ターゲット設定とは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その87)

  ◆ 新規事業のターゲット設定、かたよりは禁物  新規事業を目的としたターゲットを設定する時、どのような方法を採用していますか。ここで...

  ◆ 新規事業のターゲット設定、かたよりは禁物  新規事業を目的としたターゲットを設定する時、どのような方法を採用していますか。ここで...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
進捗管理の精度を上げる:第2回 プロジェクト管理の仕組み (その14)

 実際の進捗管理方法について、基本メトリクスセットの中の「作業成果物」から紹介します。作業成果物とは開発作業を進める中で出力されるもののことです。ハードウ...

 実際の進捗管理方法について、基本メトリクスセットの中の「作業成果物」から紹介します。作業成果物とは開発作業を進める中で出力されるもののことです。ハードウ...


IoT 時代の製品開発とは - カギとなるデータ指向とシステム設計 -

   今回は、BtoB のビジネスをベースにハードウェア開発を中心としていたメーカーが IoT に対応した製品開発にシフトする際のカギとなるデ...

   今回は、BtoB のビジネスをベースにハードウェア開発を中心としていたメーカーが IoT に対応した製品開発にシフトする際のカギとなるデ...


技術資源の有効活用: 事例紹介 (その2)

 TRM(Technology Resources Management)事例その2は、建築物の防食事業を営む企業の取り組みをご紹介いたします。   ...

 TRM(Technology Resources Management)事例その2は、建築物の防食事業を営む企業の取り組みをご紹介いたします。   ...