商品開発におけるタイムマネジメント 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その80)

更新日

投稿日

技術マネジメント 

 

 今回は「商品開発におけるタイムマネジメント」について解説します。

 私のもとには技術戦略や研究開発ロードマップの作成について相談がきますが、同時に必ずといっていいほど「メンバーが不足している」、「工数が取れない」といった「時間」に関する悩みを耳にします。

 「時間がない」。これはビジネスパーソンに限らず、現代の人類にとって最も切実な悩みの一つとなっているかもしれません。特に販売商品が市場で不具合を起こした場合や客先で故障が頻発した際、当然ながら新規事業開発の手を止めて、緊急対応を行うことになるでしょう。

 このような突発的な業務と限らずとも、既存事業の商品開発・設計と新規事業開発という2つのミッションを持つ組織が増えてきました。しかし頭も体も1つしかありません。2つの大きなミッションをどのように進めればよいのか、これからタイムマネジメント=時間管理に注目して3つのコツを紹介します。

 

 1、一日の計画を既存・新規事業に分けて書き込む

 例えば、午前中は新規事業開発。午後は既存事業開発と決め、スケジュール帳に記載します。スケジュールは組織メンバー間でシェアすることで、周りのメンバーからも協力が得られやすいというメリットがあります。

 

 2、新規・既存の業務の間に小休憩を組み込む

 これは私自身の経験からもいえますが、頭の切り替えは決めた時間でスパッと行うことは至難の業です。必ずといっていいほど前の業務が頭の片隅に残り「あれ?、こうすれば、よかったのかな?」と思いめぐり、気づけば前の業務に戻ってしまうということもあります。頭(心)を切り替えるために、新規と既存の業務の間には、意図的に小休止を5~10分程度、組み込むことをお勧めします。

 

 3、タイムマネジメント+タスク管理をする

 時間で区切る管理は、ある程度、工数を見積もることができる業務やルーチンワークにおいて活用しやすい方法です。

 反対に新規事業開発のように、通常業務とは異なる、始めて挑戦する業務が複数ある場合では、時間管理を徹底するだけではいけません。進捗があったのか、なかったのか不明なまま、時間だけが過ぎ去ってしまうことに陥り兼ねないからです。

 新規事業の開発が失敗する原因として多いのが、こ...

技術マネジメント 

 

 今回は「商品開発におけるタイムマネジメント」について解説します。

 私のもとには技術戦略や研究開発ロードマップの作成について相談がきますが、同時に必ずといっていいほど「メンバーが不足している」、「工数が取れない」といった「時間」に関する悩みを耳にします。

 「時間がない」。これはビジネスパーソンに限らず、現代の人類にとって最も切実な悩みの一つとなっているかもしれません。特に販売商品が市場で不具合を起こした場合や客先で故障が頻発した際、当然ながら新規事業開発の手を止めて、緊急対応を行うことになるでしょう。

 このような突発的な業務と限らずとも、既存事業の商品開発・設計と新規事業開発という2つのミッションを持つ組織が増えてきました。しかし頭も体も1つしかありません。2つの大きなミッションをどのように進めればよいのか、これからタイムマネジメント=時間管理に注目して3つのコツを紹介します。

 

 1、一日の計画を既存・新規事業に分けて書き込む

 例えば、午前中は新規事業開発。午後は既存事業開発と決め、スケジュール帳に記載します。スケジュールは組織メンバー間でシェアすることで、周りのメンバーからも協力が得られやすいというメリットがあります。

 

 2、新規・既存の業務の間に小休憩を組み込む

 これは私自身の経験からもいえますが、頭の切り替えは決めた時間でスパッと行うことは至難の業です。必ずといっていいほど前の業務が頭の片隅に残り「あれ?、こうすれば、よかったのかな?」と思いめぐり、気づけば前の業務に戻ってしまうということもあります。頭(心)を切り替えるために、新規と既存の業務の間には、意図的に小休止を5~10分程度、組み込むことをお勧めします。

 

 3、タイムマネジメント+タスク管理をする

 時間で区切る管理は、ある程度、工数を見積もることができる業務やルーチンワークにおいて活用しやすい方法です。

 反対に新規事業開発のように、通常業務とは異なる、始めて挑戦する業務が複数ある場合では、時間管理を徹底するだけではいけません。進捗があったのか、なかったのか不明なまま、時間だけが過ぎ去ってしまうことに陥り兼ねないからです。

 新規事業の開発が失敗する原因として多いのが、この「進んでいるのかよくわからない状況が続く状態」です。進捗が分かるようにするためには、小さなタスクに分けて管理するとよいでしょう。業務を細分化し、30分から1時間程度に分割しておくことで、例え突発的にスケジュールが大きく変わっても、タスク1つは進められるはずです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 既存事業と新規事業を並行して開発するためには、タイムマネジメントから取り掛かることが重要です。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
開発効率を上げるには【連載記事紹介】開発コスト低下とスピード向上

  ◆開発効率向上の重要性 製造業は企画、開発・設計、生産、物流、営業、サービスの各業務から成り立っており、企業の生産性はその総合力の表...

  ◆開発効率向上の重要性 製造業は企画、開発・設計、生産、物流、営業、サービスの各業務から成り立っており、企業の生産性はその総合力の表...


開発現場の仕組み見直しとグローバル化とは【連載記事紹介】 

    ◆ 開発現場の仕組み見直し、目指すべき開発体制 「擦り合わせ型」の文化は、日本企業文化ととして形成されてきたもので、...

    ◆ 開発現場の仕組み見直し、目指すべき開発体制 「擦り合わせ型」の文化は、日本企業文化ととして形成されてきたもので、...


製品ライフサイクルとサプライチェーン

 新製品を開発した後、市場に投入(上市)して売上を伸ばしていく過程で、短期的に増減があったとしても、大きなトレンドとしては上昇過程があってピークに達し、そ...

 新製品を開発した後、市場に投入(上市)して売上を伸ばしていく過程で、短期的に増減があったとしても、大きなトレンドとしては上昇過程があってピークに達し、そ...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
テンプレート方式・データベース方式の図面管理とは

     今回は、金型メーカー・機械装置製造メーカーなど、社内で継続的に図面を更新していく場合の管理方法について解説します...

     今回は、金型メーカー・機械装置製造メーカーなど、社内で継続的に図面を更新していく場合の管理方法について解説します...


設計部門と組織政治の影響(その1)

 これまで数回にわたって、設計部門における仕組み構築の考え方や手順を解説してきました。仕組み構築のためのシステム化計画作成は、頂上を目指す登山ルートを設計...

 これまで数回にわたって、設計部門における仕組み構築の考え方や手順を解説してきました。仕組み構築のためのシステム化計画作成は、頂上を目指す登山ルートを設計...


‐顧客の難しい要求に取り組む ‐  製品・技術開発力強化策の事例(その2)

 前回の事例その1に続いて解説します。顧客から難しい要求や相談があったとき、意欲的にその問題に取り組む企業がある。その取組みから他社では出来ないよ...

 前回の事例その1に続いて解説します。顧客から難しい要求や相談があったとき、意欲的にその問題に取り組む企業がある。その取組みから他社では出来ないよ...