生産性の高め方 儲かるメーカー改善の急所101項(その8)

更新日

投稿日

 

生産性

1.モノづくり〈基本の基本〉

◆ 生産性の高め方

 私は1974年に日産自動車に就職して18年間勤務しました。そしてその間ずっと改善の仕事をしておりました。その後、同社を円満退職し改善コンサルタントになり、気が付くと既に28年間が経っています。自分でも驚きですが、46年間も改善の仕事をしてきているのです。そしてその間ずっと、モノづくりの現場にいて改善をし、モノができる様子を自分の目でジーッと見てきています。

 そうするとどうなるか…ですが、かなりいろいろなことが分かるようになりました。例えば生産性が高い工場かどうかはひと目で分かります。もしそこで作業をしている人たちがムダに動き回っているようであれば、生産性は間違いなく低いです。

 基本的にいくら足を動かしても付加価値が上がることはまずありません。足を使うということは、移動や運搬が行われているということであり、人やモノの位置は変わっていても、付加価値がそれに合わせて付くことはないでしょう。

 工場では、立って仕事をする時もあれば、座って仕事をする時もあります。しかしどちらにしても「作業者の移動を最小限にすること」が原則です。ナゼ作業者が動かなければならないのか? それは工具や器具の配置、設備のレイアウトなどにムダがあるからにほかなりません。そして足が動いている間は、手は止まっています。

 1歩にかかるコストは1円です。1時間に100歩移動しなければならない作業者が50人いたら、年間の歩行にかけるコストはいくらになるでしょうか? 1年間の稼働日数を250日1日の稼働時間を8時間とすると何と1000万円となります!すごい額ですよね。歩行は大きなコストです。それも付加価値が付かないムダ...

 

生産性

1.モノづくり〈基本の基本〉

◆ 生産性の高め方

 私は1974年に日産自動車に就職して18年間勤務しました。そしてその間ずっと改善の仕事をしておりました。その後、同社を円満退職し改善コンサルタントになり、気が付くと既に28年間が経っています。自分でも驚きですが、46年間も改善の仕事をしてきているのです。そしてその間ずっと、モノづくりの現場にいて改善をし、モノができる様子を自分の目でジーッと見てきています。

 そうするとどうなるか…ですが、かなりいろいろなことが分かるようになりました。例えば生産性が高い工場かどうかはひと目で分かります。もしそこで作業をしている人たちがムダに動き回っているようであれば、生産性は間違いなく低いです。

 基本的にいくら足を動かしても付加価値が上がることはまずありません。足を使うということは、移動や運搬が行われているということであり、人やモノの位置は変わっていても、付加価値がそれに合わせて付くことはないでしょう。

 工場では、立って仕事をする時もあれば、座って仕事をする時もあります。しかしどちらにしても「作業者の移動を最小限にすること」が原則です。ナゼ作業者が動かなければならないのか? それは工具や器具の配置、設備のレイアウトなどにムダがあるからにほかなりません。そして足が動いている間は、手は止まっています。

 1歩にかかるコストは1円です。1時間に100歩移動しなければならない作業者が50人いたら、年間の歩行にかけるコストはいくらになるでしょうか? 1年間の稼働日数を250日1日の稼働時間を8時間とすると何と1000万円となります!すごい額ですよね。歩行は大きなコストです。それも付加価値が付かないムダなコストです。

 これまでお話しした「動作経済の4原則」と合わせて改善してください。よろしくお願いします。

 今回の言葉

****************
手は使っても、足は動かすな。
****************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善(その41)

 前回のその40に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方 【3.9 必要なデータは取れているか、活用出来ているか】  ...

 前回のその40に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方 【3.9 必要なデータは取れているか、活用出来ているか】  ...


生産管理とコストダウン  (その1)

 生産管理システムとコストダウンについて、3回に分けて解説します。第1回は、生産管理について整理します。   ◆生産管理についての整理-生産管理は、情...

 生産管理システムとコストダウンについて、3回に分けて解説します。第1回は、生産管理について整理します。   ◆生産管理についての整理-生産管理は、情...


メトリクスによる実践的進捗管理の仕組みとは 【連載記事紹介】

【目次】 ◆ メトリクスの意味 メトリクスとは、様々な活動を定量化し、その定量化したデータを管理に使えるように加工した指標のことで...

【目次】 ◆ メトリクスの意味 メトリクスとは、様々な活動を定量化し、その定量化したデータを管理に使えるように加工した指標のことで...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
生産現場作業者の作り易さと図面の基準

   前回、図面指示とは違う寸法で生産していた中国工場の事例を紹介しました。その工場には、生産を開始するときに生産部及び品管部が正しく加工...

   前回、図面指示とは違う寸法で生産していた中国工場の事例を紹介しました。その工場には、生産を開始するときに生産部及び品管部が正しく加工...


機械加工現場の管理者の業務とは(その1)

  ◆ 機械加工現場の管理者(班長/主任)になったら何をするべきか  今回は、機械加工現場での仕事を題材に、班長や主任になったらどのよう...

  ◆ 機械加工現場の管理者(班長/主任)になったら何をするべきか  今回は、機械加工現場での仕事を題材に、班長や主任になったらどのよう...


自動車メーカー金型部門の診断事例

 今回は、金型における3D加工面の品質問題、その原因と対策についての診断事例です。 1、診断の内容  加工現場の見学及び、現状プロセスのヒアリング...

 今回は、金型における3D加工面の品質問題、その原因と対策についての診断事例です。 1、診断の内容  加工現場の見学及び、現状プロセスのヒアリング...