日本の中小企業が作るもの 儲かるメーカー改善の急所101項(その83)

更新日

投稿日

IE

 

7、これからのモノづくり経営

◆ いつの時代も、生身の人間のニーズはアナログ

 デジタル化が進む以前、多くの日本の製造業は「良いモノを速く安く作る」ことを追求してきました。それはアナログ製品の場合、日本が得意とする「すり合わせ」が不可欠で、マネが非常に難しかったことが背景にあったと思います。この時は速さと安さが大きな強みになったからです。

 しかし時代は変わってきています。今や金型もデータで地球の裏側に送れる時代です。デジタル化は、多くの製品のすり合わせを不要にし、設備さえそろえば誰でも作れる「雑貨化」を進めました。家電を見ると分かりますが、売れると分かると新興国の企業もすぐにマネて、一斉に参入できるようになっています。

 土地も人件費も安い新興国と安さを競っても勝ち目はありません。しかし相変わらず製造コストを下げることで売値を下げ、大量に売れば、利益率は下がるけれども利益は確保できるはず…といった昔ながらの経営をしている会社もまだたくさんあるようです。これは売り上げが伸びているときであればそれでも意味はあるのですが、売り上げが伸びない時代になったら考え方を変えるべきです。

 それではどうするか?ですが、すり合わせが必須の「お客様に密着して、ご要望に合わせて、喜んでいただけるものを丁寧(ていねい)に作る」モノづくりを行うことだと思います。いつの時代も、生身の人間のニーズはアナログだからです。

 そしてこれからの日本のモノづくりにおけるすり合わせは、アナログ時代での部品などをすり合わせ調整しながら丁寧に上手に作る「部品のすり合わせ」ではなく、お客様と丁寧に打ち合わせをしてご要望を理解して喜んでくれるもの、驚いてくれるものを作る「知のすり合わせ」だと考えています。お客様のご要望を多...

IE

 

7、これからのモノづくり経営

◆ いつの時代も、生身の人間のニーズはアナログ

 デジタル化が進む以前、多くの日本の製造業は「良いモノを速く安く作る」ことを追求してきました。それはアナログ製品の場合、日本が得意とする「すり合わせ」が不可欠で、マネが非常に難しかったことが背景にあったと思います。この時は速さと安さが大きな強みになったからです。

 しかし時代は変わってきています。今や金型もデータで地球の裏側に送れる時代です。デジタル化は、多くの製品のすり合わせを不要にし、設備さえそろえば誰でも作れる「雑貨化」を進めました。家電を見ると分かりますが、売れると分かると新興国の企業もすぐにマネて、一斉に参入できるようになっています。

 土地も人件費も安い新興国と安さを競っても勝ち目はありません。しかし相変わらず製造コストを下げることで売値を下げ、大量に売れば、利益率は下がるけれども利益は確保できるはず…といった昔ながらの経営をしている会社もまだたくさんあるようです。これは売り上げが伸びているときであればそれでも意味はあるのですが、売り上げが伸びない時代になったら考え方を変えるべきです。

 それではどうするか?ですが、すり合わせが必須の「お客様に密着して、ご要望に合わせて、喜んでいただけるものを丁寧(ていねい)に作る」モノづくりを行うことだと思います。いつの時代も、生身の人間のニーズはアナログだからです。

 そしてこれからの日本のモノづくりにおけるすり合わせは、アナログ時代での部品などをすり合わせ調整しながら丁寧に上手に作る「部品のすり合わせ」ではなく、お客様と丁寧に打ち合わせをしてご要望を理解して喜んでくれるもの、驚いてくれるものを作る「知のすり合わせ」だと考えています。お客様のご要望を多く取り入れて、付加価値の高いモノを作りましょう!

 

今回の言葉   

****************
 雑貨は新興国と大企業に任せよ。
****************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

 日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
識別管理の基本

      【目次】1. 識別管理とは2. 識別管理6つのポイント   1. 識別管理とは 識別管理と...

      【目次】1. 識別管理とは2. 識別管理6つのポイント   1. 識別管理とは 識別管理と...


中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善(その38)

 前回のその37に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方       【3.6 中国...

 前回のその37に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方       【3.6 中国...


新規開拓のどこを見ればよいか 中国工場の品質改善(その71)

 前回のその70に続いて解説します。 【第4章】中国新規取引先選定のポイント 【仕様書記述方法の注意点】 (1)図・写真を駆使する  図や写真...

 前回のその70に続いて解説します。 【第4章】中国新規取引先選定のポイント 【仕様書記述方法の注意点】 (1)図・写真を駆使する  図や写真...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
安定生産と特注品が混在の多品種少量生産工場、改革案とは

        今回は、次のような課題を抱えた多品種少量生産の工場について、改革案を解説します。    多品種少量生産での (1) 管理工数大 ...

        今回は、次のような課題を抱えた多品種少量生産の工場について、改革案を解説します。    多品種少量生産での (1) 管理工数大 ...


信号を守らない-これも色管理ひとつ 中国企業の壁(その42)

        前回、色を識別表示の手段として工場内で統一して使うことが出来ていなかった中国工場を例に挙げ、色の意味の理解を深めるために信号の色の意...

        前回、色を識別表示の手段として工場内で統一して使うことが出来ていなかった中国工場を例に挙げ、色の意味の理解を深めるために信号の色の意...


プレス事故、労働災害の根本要因 中国企業の壁(その39)

        前回の中国企業の壁(その38)は、中国企業の工場で起きた作業中の事故の状況について書きました。    この工場は、作業者には出来...

        前回の中国企業の壁(その38)は、中国企業の工場で起きた作業中の事故の状況について書きました。    この工場は、作業者には出来...