モノの数え方 儲かるメーカー改善の急所101項(その18)

更新日

投稿日

生産マネジメント

2.モノづくり〈現場改善の基本〉

◆ モノの数え方

 材料を投入する、生産したモノを容器に移す、完成品を検査する、といった作業を観察していると、「数を数える」という場面に頻繁に出会います。出荷の直前になって数が合わないとか、最終確認とかいって複数の人たちが慌てた様子で何度も数えなおしているということも珍しくありません。

 「数を数える」ということは日常生活中にも頻繁にあることです。私は数を数えることがあまり得意でなく、ちゃんと数えて用意したはずのお土産が渡す段になって一個足りない…といったことがときどき起きます。いや、頻繁に起きています。

 しかし、これは私だけのことでなく、人間は数を数えるのが得意ではないと思います。ひと目で見て数を判断できるのは5つまでだと聞いたことがあります。10を超える数を正確に数えようとするととたんに難しくなります。仕事では数を正確に数える機会が多いのですが、得意でないことを間違えないように緊張して続けるのは大変です。

 そこで今回の言葉の「数えるな、形にして見よ」を使いましょう。毎回、10個の部品が必要なら10の仕切りがある箱を用意して、その仕切りにすべて入れれば9個でも11個でもない、10個ぴったりの数が数えないででき上ります。箱を積むにも、決まった置き方と順番を決めておけば、形を見ただけで何箱かが分かります。

 一般的に工場の品質不具合の統計を見ると、品質そのものの不具合よりも、異品混入とか数量間違いといった残念な不具合が非常に多いものです。繰り返しの仕事...

生産マネジメント

2.モノづくり〈現場改善の基本〉

◆ モノの数え方

 材料を投入する、生産したモノを容器に移す、完成品を検査する、といった作業を観察していると、「数を数える」という場面に頻繁に出会います。出荷の直前になって数が合わないとか、最終確認とかいって複数の人たちが慌てた様子で何度も数えなおしているということも珍しくありません。

 「数を数える」ということは日常生活中にも頻繁にあることです。私は数を数えることがあまり得意でなく、ちゃんと数えて用意したはずのお土産が渡す段になって一個足りない…といったことがときどき起きます。いや、頻繁に起きています。

 しかし、これは私だけのことでなく、人間は数を数えるのが得意ではないと思います。ひと目で見て数を判断できるのは5つまでだと聞いたことがあります。10を超える数を正確に数えようとするととたんに難しくなります。仕事では数を正確に数える機会が多いのですが、得意でないことを間違えないように緊張して続けるのは大変です。

 そこで今回の言葉の「数えるな、形にして見よ」を使いましょう。毎回、10個の部品が必要なら10の仕切りがある箱を用意して、その仕切りにすべて入れれば9個でも11個でもない、10個ぴったりの数が数えないででき上ります。箱を積むにも、決まった置き方と順番を決めておけば、形を見ただけで何箱かが分かります。

 一般的に工場の品質不具合の統計を見ると、品質そのものの不具合よりも、異品混入とか数量間違いといった残念な不具合が非常に多いものです。繰り返しの仕事は、緊張しないですむ楽で安全な仕事のやり方に改善しましょう。

今回の言葉  

*************
 数えるな、形にして見よ。
*************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
外部の刺激を利用する 現場改善:発想の転換(その8)

   工場の経営者から現場の従業員の方を対象として、現場改善:発想の転換をテーマに連載で解説します。固定観念を打ち崩しながら現場改善に留(...

   工場の経営者から現場の従業員の方を対象として、現場改善:発想の転換をテーマに連載で解説します。固定観念を打ち崩しながら現場改善に留(...


中国工場の実状を知る、日本人駐在員について 中国工場の品質改善(その18)

  【第2章 中国工場の実状を知る】   【機械・設備について】  前回のその17に続いて解説します。  3Mの二つ目は...

  【第2章 中国工場の実状を知る】   【機械・設備について】  前回のその17に続いて解説します。  3Mの二つ目は...


工場の立地 儲かるメーカー改善の急所101項(その91)

  7、これからのモノづくり経営  前回の儲かるメーカー改善の急所101項(その90)作業着の役割に続いて、解説します。 ◆ 工場の立...

  7、これからのモノづくり経営  前回の儲かるメーカー改善の急所101項(その90)作業着の役割に続いて、解説します。 ◆ 工場の立...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
【ものづくりの現場から】多品種少量の生産管理(飛騨産業)(その2)

  【特集】ものづくりの現場から一覧へ戻る ものづくりを現場視点で理解する「シリーズ『ものづくりの現場から』」では、現場の課題や課題解消に向...

  【特集】ものづくりの現場から一覧へ戻る ものづくりを現場視点で理解する「シリーズ『ものづくりの現場から』」では、現場の課題や課題解消に向...


金型メーカーにおける「多能工化」の真の目的とは

   今回は、私が金型メーカーでよくお話しをさせていただく「多能工化」の本当の目的についてまとめてみたいと思います。まず前提として、金型メーカ...

   今回は、私が金型メーカーでよくお話しをさせていただく「多能工化」の本当の目的についてまとめてみたいと思います。まず前提として、金型メーカ...


品質管理 中国工場管理の基本事例(その22)メッキ厚不具合が発見できなかった理由

  【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「生産マネジメント」に関するセミナーはこちら! 1. メッキ厚マイナス不良の発生、出荷...

  【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「生産マネジメント」に関するセミナーはこちら! 1. メッキ厚マイナス不良の発生、出荷...