重力の利用 儲かるメーカー改善の急所101項(その59)

更新日

投稿日

生産マネジメント

5、設備改善の基本

◆ 重力の利用

 ものづくりの職場で使う機器は進歩していて、いろいろな部分が自動化され便利になっています。しかし設備の導入にばかり目を向けていると、自然が持つ本来の力を活用しきれず、ムダな投資や動きをしてしまうこともあるのです。

 例えば、離れている二つの設備をコンベアやAGV(自動搬送機)でつなぐことで運搬作業を楽にするというアイデアですが、設備を移動して設備間の距離をなくすことができれば不要かもしれません。もとは「運搬のムダ」があることが問題なのですから、運搬そのものをなくすことがベストの改善です。ただ、AGVの導入で運搬がなくなったわけではありません。人による運搬がなくなっただけで相変わらず運搬そのものは存在しています。

 

 同様の観点で現場を見るといろいろなアイデアが生まれてきます。
 ものづくりは、原材料から加工が進むほど取り扱いに慎重さが求められます。原材料の時は大きなハコや袋にドカンと入れられていたものが、最終製品になって出荷される時には瓶詰めや箱詰めにして、荷造りした商品がトラックに積まれて運ばれていく姿を見れば一目瞭然です。

 取り扱いが最も簡単なのは材料です。もし複数階ある工場であれば、材料を一番上の階に運んで、工程ごとに下の階に降ろしていくといいでしょう。上から下への移動であれば、重力を生かしてタダで運ぶこともできる可能性があります。材料の入庫から順に下から上へと運搬している工場を見たことがありますが、エレベーターでの運搬はとても大変そうでした。

 

 ワンフロアの工場でも工程の順に下に移動するということができないかを考えるといいと思います。トラックへの荷積みも傾斜を利用できれば大いに人手が助かります。
 今回は重さとか...

生産マネジメント

5、設備改善の基本

◆ 重力の利用

 ものづくりの職場で使う機器は進歩していて、いろいろな部分が自動化され便利になっています。しかし設備の導入にばかり目を向けていると、自然が持つ本来の力を活用しきれず、ムダな投資や動きをしてしまうこともあるのです。

 例えば、離れている二つの設備をコンベアやAGV(自動搬送機)でつなぐことで運搬作業を楽にするというアイデアですが、設備を移動して設備間の距離をなくすことができれば不要かもしれません。もとは「運搬のムダ」があることが問題なのですから、運搬そのものをなくすことがベストの改善です。ただ、AGVの導入で運搬がなくなったわけではありません。人による運搬がなくなっただけで相変わらず運搬そのものは存在しています。

 

 同様の観点で現場を見るといろいろなアイデアが生まれてきます。
 ものづくりは、原材料から加工が進むほど取り扱いに慎重さが求められます。原材料の時は大きなハコや袋にドカンと入れられていたものが、最終製品になって出荷される時には瓶詰めや箱詰めにして、荷造りした商品がトラックに積まれて運ばれていく姿を見れば一目瞭然です。

 取り扱いが最も簡単なのは材料です。もし複数階ある工場であれば、材料を一番上の階に運んで、工程ごとに下の階に降ろしていくといいでしょう。上から下への移動であれば、重力を生かしてタダで運ぶこともできる可能性があります。材料の入庫から順に下から上へと運搬している工場を見たことがありますが、エレベーターでの運搬はとても大変そうでした。

 

 ワンフロアの工場でも工程の順に下に移動するということができないかを考えるといいと思います。トラックへの荷積みも傾斜を利用できれば大いに人手が助かります。
 今回は重さとか距離についてお話しをしましたが、改めてそういう目で見てみると改善できるところが見つかるものです。

今回の言葉   

*************
 材料は上に、製品は下に。
*************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

 日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
課題解決と組織内の人間関係 人材育成・組織・マネジメント(その8)

  【人材育成・組織・マネジメントの考察 連載目次】 1. 間接部門のプロセス改善とは 2. 現場は全てを物語る 3. 明日の仕...

  【人材育成・組織・マネジメントの考察 連載目次】 1. 間接部門のプロセス改善とは 2. 現場は全てを物語る 3. 明日の仕...


QCDの意義と限界 儲かるメーカー改善の急所101項(その86)

  7、これからのモノづくり経営 ◆ 顧客 >QCD : 要求に沿った開発を  時代の変化がとても速いので、私にとってはほんの少し前の...

  7、これからのモノづくり経営 ◆ 顧客 >QCD : 要求に沿った開発を  時代の変化がとても速いので、私にとってはほんの少し前の...


小さなことでも徹底的に形にしてみる 現場改善:発想の転換(その11)

   工場の経営者から現場の従業員の方を対象として、現場改善:発想の転換をテーマに連載で解説します。固定観念を打ち崩しながら現場改善に留(...

   工場の経営者から現場の従業員の方を対象として、現場改善:発想の転換をテーマに連載で解説します。固定観念を打ち崩しながら現場改善に留(...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
「生産性底上げ時代」のモノづくり戦略 - 協働型スマート工場で、勝ち筋の見える三位一体の製造DXを ―

  生産性向上に取り組まなければ、生き残れない時代に 早稲田大学 研究院教授 藤本 隆宏 氏 【目次】 付加価値の良...

  生産性向上に取り組まなければ、生き残れない時代に 早稲田大学 研究院教授 藤本 隆宏 氏 【目次】 付加価値の良...


現場の見える化

       1. 現場マネジメントの精度    私は、中小製造業の現場に立って、現場リーダー...

       1. 現場マネジメントの精度    私は、中小製造業の現場に立って、現場リーダー...


管理の見える化 伸びる金型メーカーの秘訣 (その10)

 単工程としての機械加工業の中でも、比較的大きなロットサイズの旋盤加工を事業の中心とするメーカーが今回の事例企業です。こういった旋盤加工事業は、一見同じよ...

 単工程としての機械加工業の中でも、比較的大きなロットサイズの旋盤加工を事業の中心とするメーカーが今回の事例企業です。こういった旋盤加工事業は、一見同じよ...