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QUESTION 質問No.559

DX活用による自働化判断基準

生産生産マネジメント |投稿日時:
早速ですが掲題の件、生産ライン自働化判断の基準についての質問です。以前に自動化レベルの質問をさせていただき、その中でも少し話がありましたが、設備投資に見合う利益が得られない自働化投資は行えません。そこで、まず、生産タクトと生産物量から自働化すべき領域と簡便自働化、手組みの領域の目安を付けています。
これに対し、いま話題のDXを用いることで、この目安がどう変化するか、しないのか、何か事例があれば併せてご教授をお願いいたします。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

東京都日野市でFA自動化と関連する工場改善のコンサルティングを専門としていますアルス機械設計技術士事務所の森内と申します。東京都のデジタル技術専任アドバイザーもしております。
 DXの視点から見た自動化は、まず工場のデジタル化がなされていること。そして、デジタル化により工程、工場設備のデータの収集・蓄積、さらにそれらのデータを分析・加工して、実際の生産性向上や業務効率化につなげていることです。工場のDX化は、最低限ここまで実現していかなければなりません。デジタル化によってデータを収集・蓄積するだけではダメです。この段階で留まっている工場は非常に多いです。
DXの目的は、生産性の向上にあります。さらに、新製品・新技術・サービス・ビジネスモデルの変革、創出につなげていきます。
 製造業にとってのDXの目標は、スマートファクトリーの実現です。
デジタル化によって「見える化」されたデータに基づく投資判断は、間違いが少なく、ステークホルダーに対しての説明責任を果たす上でも説得力を持つことでしょう。
 しかし、投資コストがかかります。自動化された設備により得られた情報を、生産計画、生産管理、設計、営業、購買、保全などの各部門との情報の共有・連携、さらに、これらを統合的、一元的に集中管理する基幹システムの構築が必要です。
DXの視点から自動化を検討する要件は、以下の通りです。
・機械や設備からのデータの取得ができるか
・データ活用のための一元管理
・データを分析、評価できるスキルを持つ人材の育成、体制づくり
・データは各部門で連携できるか

生産性向上の手段は、DXだけでなく他にもあります。いろいろ検討されたら良いと思います。しかし、アナログ的発想では、対処療法的な対策に留まりやすく、変化の激しい社会環境に対応しきれずに、製造現場の柔軟な対応力は育ちにくいでしょう。
製造現場のDXでどういうことができるのか、少し紹介します。
DXで特徴的なのは、データの驚異的な収集・蓄積・分析・予測、そしてデータによる制御・最適化です。有益な情報を抽出し、見える化することで、得られた気づきをノウハウ化・知見化することです。
 たとえば、検査を自動化することで大量のデータを収集し、グラフや図などによって整理していきます。そして、膨大な情報を分析・学習することで、現象の因子の特定や事象のモデル化、将来予想を行います。
 統計解析による因子分析や、人工知能による機械学習などによって、データを分析することができます。さらに、分析結果や予測結果に基づき、最適な判断・実行を行います。これにより、分析によって発見された不具合を改善していくことができます。
 
 DX化、スマートファクトリーの実現には「データ」が非常に重要です。従来の「自動化」では、寸法や重さなどの数値データだけでしたが、DX化で扱える「データ」はより広い対象を指すようになってきています。数値データだけではなく、画像や音、人の動きなど「生産システムで発生している事柄」を定量化したものです。
 私が指導したある機械加工工場では、100台以上のマシニングセンタや研削盤などの工作機械をネットワークでつなぎ、加工状態の確認や加工終了を知らせる機能を持たせました。いわゆるIoT化です。これにより、1人で複数台の工作機械を担当することができるようになりました。
MES(製造実行システム)を導入し、工場の生産ラインの各製造工程と工作機械の稼働状況を生産管理システムと連携できるようにしました。
  
DXは、製造現場の自動化だけでなく、場合によっては、組織構造やプロセス、企業風土から抜本的に見直す必要もあります。DXを実現できた企業は少ないですが、確かに存在はしています。しかし、DXによって企業が得られるメリットは非常に大きなものです。ぜひ、計画的、段階的に取り組んでいってください。

以下の資料 参考にしてください。
中小規模製造分野におけるDX事例集
000087633.pdf (ipa.go.jp)
以上




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

ビッグマウント様

>> いまは経営に直結するデータの収集・見える化までできるようにはな>> っています。ただ、やはりそこからが課題であり、見える化を先行し>> ている工場もそこから先にはなかなか進めていないのが実状です。

御社では設備情報単体の可視化ができているようですので、まずは取得したデータを使って工程の改善ができます。生産物の瑕疵やバラツキ等の自動検出等や分析・対策(改善)を行うことで生産物の品質を高めることができます。

次のDXの段階は工場全体をデジタル化することです。設計から生産にまつわる様々なデータを効果的に、適切なタイミングで活用・分析する事で、製造品質のトレーサビリティ、予防保全、稼働監視を実現することができます。

DX の最終的な段階として、それらのデータを使って経営改善を行います。製品ラインサイクルにおける各プロセスをつなぎ、企業全体のスループットの向上を目指します。またメンテナンス効率を高めた工場全体のスマート化を図ります。