注文別モノづくりの視点 儲かるメーカー改善の急所101項(その66)

更新日

投稿日

生産マネジメント

 

6. 強いモノづくり

◆ マーケットインからユーザーインの時代へ

 世の中で、一人ひとりのお客様に向けてモノづくりをしているところは決して多くありません。それは、製造工程やラインを見れば一目瞭然でしょう。

 しかし部品でも完成品でも、買って下さる会社や人がいるから作られるのです。注文がないのに作ってしまえば不良在庫の山となり、会社は倒産してしまいます。注文があるから作るという原点に立てば、モノづくりは製品別ではなく、お客様ごとに作るのが当然だといえるでしょう。

 例えば、お寿司屋の板前さんが注文ごとに一つずつ握って出すようなモノづくりです。クルマも車種や色、様々なオプションがありますが、オーダーごとに製造ラインを流れて新車が納入されるようになっています。規模の大小ではありません、モノづくりの強さの現れだといえるでしょう。3万点の部品が必要な自動車でできるのですから、他でできない理由はありません。

 

 2020年11月22日の日本経済新聞朝刊「theSTYLE/Fashion 」のページで、ファッションデザイナーの中里唯馬さんについて「針も糸も使わない 私のための一点物」というタイトルで紹介されています。中里さんは新素材や新工法を使い、個々の体形に合わせた独自のデザインの服を安価に作れる準備をしていて「やがて衣服は一点物しか存在しなくなる」と主張されています。

 2014年に出版されたアンソニー・フリン著『カスタマイズ』(cccメディアハウス)には「大量生産から、低コストの“特注量産時代”へ」というサブタイトルが付いています。

 時代はマーケットインからユーザーインへと移行しつつあるといわれています。既にその傾向はみえてきています。準...

生産マネジメント

 

6. 強いモノづくり

◆ マーケットインからユーザーインの時代へ

 世の中で、一人ひとりのお客様に向けてモノづくりをしているところは決して多くありません。それは、製造工程やラインを見れば一目瞭然でしょう。

 しかし部品でも完成品でも、買って下さる会社や人がいるから作られるのです。注文がないのに作ってしまえば不良在庫の山となり、会社は倒産してしまいます。注文があるから作るという原点に立てば、モノづくりは製品別ではなく、お客様ごとに作るのが当然だといえるでしょう。

 例えば、お寿司屋の板前さんが注文ごとに一つずつ握って出すようなモノづくりです。クルマも車種や色、様々なオプションがありますが、オーダーごとに製造ラインを流れて新車が納入されるようになっています。規模の大小ではありません、モノづくりの強さの現れだといえるでしょう。3万点の部品が必要な自動車でできるのですから、他でできない理由はありません。

 

 2020年11月22日の日本経済新聞朝刊「theSTYLE/Fashion 」のページで、ファッションデザイナーの中里唯馬さんについて「針も糸も使わない 私のための一点物」というタイトルで紹介されています。中里さんは新素材や新工法を使い、個々の体形に合わせた独自のデザインの服を安価に作れる準備をしていて「やがて衣服は一点物しか存在しなくなる」と主張されています。

 2014年に出版されたアンソニー・フリン著『カスタマイズ』(cccメディアハウス)には「大量生産から、低コストの“特注量産時代”へ」というサブタイトルが付いています。

 時代はマーケットインからユーザーインへと移行しつつあるといわれています。既にその傾向はみえてきています。準備を始めましょう。

今回の言葉   

**********************
 商品は製品別でなく、お客様ごとに作れ。
**********************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

 日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
習熟曲線効果からみるコストダウンの着眼点(その3)

  【習熟曲線効果からみるコストダウンの着眼点 連載記事】 1.習熟曲線効果は効果的なコストダウンツールか 2.習熟曲線効果とコス...

  【習熟曲線効果からみるコストダウンの着眼点 連載記事】 1.習熟曲線効果は効果的なコストダウンツールか 2.習熟曲線効果とコス...


ポカヨケと不良 品質を考える(その6)

  【目次】 ◆ ポカヨケを導入しても不良は減りません 1.品質を考える:ポカミスを防止するのがポカヨケです 人は誰...

  【目次】 ◆ ポカヨケを導入しても不良は減りません 1.品質を考える:ポカミスを防止するのがポカヨケです 人は誰...


中国工場の実状を知る、部品・材料について 中国工場の品質改善(その23)

【第2章 中国工場の実状を知る】 【部品・材料】  前回のその22に続いて解説します。  3Mの三つ目は、部品・材料です。中国工場の部品・材料に...

【第2章 中国工場の実状を知る】 【部品・材料】  前回のその22に続いて解説します。  3Mの三つ目は、部品・材料です。中国工場の部品・材料に...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
生産管理ソフトの選択とは

        今回は、次の事例から、自社の生産システムにあった生産管理ソフトの選択をどうすべきかを解説します。 1. 想定事例  電気...

        今回は、次の事例から、自社の生産システムにあった生産管理ソフトの選択をどうすべきかを解説します。 1. 想定事例  電気...


金型メーカーにおける3次元設計がうまくいかなかった事例(その2)

【目次】 ◆ 3次元設計導入がうまくいかなかった要因は何だったのか -----< 事例、その1で記述済 >--------------...

【目次】 ◆ 3次元設計導入がうまくいかなかった要因は何だったのか -----< 事例、その1で記述済 >--------------...


現場主義の一例 技術者の対応

 現場主義に関するお話、今回は技術者(技術・品質等)の対応の事例を紹介します。  現場で技術的な問題や品質問題が発見され、技術者(技術、品質)に連絡が入...

 現場主義に関するお話、今回は技術者(技術・品質等)の対応の事例を紹介します。  現場で技術的な問題や品質問題が発見され、技術者(技術、品質)に連絡が入...