これからの日本企業の5S 儲かるメーカー改善の急所101項(その100)

更新日

投稿日

5S

 

7、これからのモノづくり経営

 前回の儲かるメーカー改善の急所101項(その99)仕事の評価基準に続いて、解説します。

◆ これからの日本企業の5S

 だいぶ以前に、5Sのルーツを調べてみようとして頑張って調べたたことがありますが、はっきりしたことは分かりませんでした。ただアルファベットが使われていますが日本で生まれたことは明らかです。何しろ5つのSは「整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)」の頭文字ですから。

 そしてこの日本で生まれた「5S活動」は、製造業のみならずサービス業にも浸透していて、社員の行動規範として掲げられて大きな成果を上げてきています。

 5Sは職場環境を美しく保ち、従業員のモラルを向上させることにとても役立ちます。業務効率も上がり、不良を減らし、安全性が上がることにも大きく貢献します。「日本の高品質のモノづくり」を支える原動力として認められ、海外の工場にも広まっています。

 

*********************************

 

(閑話休題)日本語では整理と整頓の違いは?と聞かれると答えられなかったりします。日本語のそれぞれのSは結構説明が難しいです。ところが私が以前アメリカの工場で見た5Sの説明は分かりやすく感心しました。一般的な日本語の説明とは多少の違いがありますが、いいと思いました。ちょっとご紹介します。

  • Seiri: Separate and Scrap  (分けて捨てろ)
  • Seiton: Straighten     (まっすぐに置け)
  • Seisou: Scrub        (磨くようにきれいにしろ)
  • Seiketsu: Stretch       (拡大しろ)
  • Situke: Standardize     (標準化しろ)

*********************************

 

 しかし5Sの内容は時代の変化とともに変わっていくべき点もあると思います。高品質の製品をたくさんの作業者で金太郎飴のように大量生産する時代、つまり作業者を一列に並べてベルトコンベアでモノづくりした時代の最適な標語であったことも事実です。例えば躾という言葉も当時は普通だったのでしょうが、今ではなじまない言葉です。日本のモノづくりが世界と戦うためにはもう一段階上に進まなければいけない時を迎えています。

 オンリーワンのモノづくり企業には、会社も従業員も幸せになる仕組みがあります。そこで私は新しい5Sを提案しています。「整理・整頓・清掃・仕組み・幸せ」の新しい5...

5S

 

7、これからのモノづくり経営

 前回の儲かるメーカー改善の急所101項(その99)仕事の評価基準に続いて、解説します。

◆ これからの日本企業の5S

 だいぶ以前に、5Sのルーツを調べてみようとして頑張って調べたたことがありますが、はっきりしたことは分かりませんでした。ただアルファベットが使われていますが日本で生まれたことは明らかです。何しろ5つのSは「整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)」の頭文字ですから。

 そしてこの日本で生まれた「5S活動」は、製造業のみならずサービス業にも浸透していて、社員の行動規範として掲げられて大きな成果を上げてきています。

 5Sは職場環境を美しく保ち、従業員のモラルを向上させることにとても役立ちます。業務効率も上がり、不良を減らし、安全性が上がることにも大きく貢献します。「日本の高品質のモノづくり」を支える原動力として認められ、海外の工場にも広まっています。

 

*********************************

 

(閑話休題)日本語では整理と整頓の違いは?と聞かれると答えられなかったりします。日本語のそれぞれのSは結構説明が難しいです。ところが私が以前アメリカの工場で見た5Sの説明は分かりやすく感心しました。一般的な日本語の説明とは多少の違いがありますが、いいと思いました。ちょっとご紹介します。

  • Seiri: Separate and Scrap  (分けて捨てろ)
  • Seiton: Straighten     (まっすぐに置け)
  • Seisou: Scrub        (磨くようにきれいにしろ)
  • Seiketsu: Stretch       (拡大しろ)
  • Situke: Standardize     (標準化しろ)

*********************************

 

 しかし5Sの内容は時代の変化とともに変わっていくべき点もあると思います。高品質の製品をたくさんの作業者で金太郎飴のように大量生産する時代、つまり作業者を一列に並べてベルトコンベアでモノづくりした時代の最適な標語であったことも事実です。例えば躾という言葉も当時は普通だったのでしょうが、今ではなじまない言葉です。日本のモノづくりが世界と戦うためにはもう一段階上に進まなければいけない時を迎えています。

 オンリーワンのモノづくり企業には、会社も従業員も幸せになる仕組みがあります。そこで私は新しい5Sを提案しています。「整理・整頓・清掃・仕組み・幸せ」の新しい5Sです。

今回の言葉   

******************************************

これからの日本の製造業に必要なのは、「整理・整頓・清掃・仕組み・幸せ」の新5Sである。

******************************************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」 

日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
カイゼン文化の醸成は、稼働の見える化から

   「設備の稼働の割合は如何ほどでしょうか?」との問いに、「想像で大体〇〇%程度でしょうか」などと、根拠ある数値で答えられない中小製造業は多...

   「設備の稼働の割合は如何ほどでしょうか?」との問いに、「想像で大体〇〇%程度でしょうか」などと、根拠ある数値で答えられない中小製造業は多...


ものづくり工場の日常管理のしくみ(その5)

◆信賞必罰制度を導入するには(製造業の工場品質改善の進め方・事例の解説)    信賞必罰とは、手柄のあった者には必ず賞を与え、あやまちを犯し...

◆信賞必罰制度を導入するには(製造業の工場品質改善の進め方・事例の解説)    信賞必罰とは、手柄のあった者には必ず賞を与え、あやまちを犯し...


通箱の工夫で工数と経費削減 レイアウトと物流(その10)

  1.搬送自体の付加価値はないが、経費は発生する 生産工程における付加価値というお金を生む工程は、加工や組立工程のみになります。しかも...

  1.搬送自体の付加価値はないが、経費は発生する 生産工程における付加価値というお金を生む工程は、加工や組立工程のみになります。しかも...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
完全3次元設計 伸びる金型メーカーの秘訣 (その11)

   今回、紹介する金型メーカーは、株式会社Hの工場、金型課です。同課のスタッフは12名。扱う主要製品は、自動車部品が中心であり、製作している...

   今回、紹介する金型メーカーは、株式会社Hの工場、金型課です。同課のスタッフは12名。扱う主要製品は、自動車部品が中心であり、製作している...


経営者には、現場は謎のベールで包まれている

  ◆ 現場は謎のベールで包まれている  今回は経営者、加工現場の部下を持つ管理者の方に読んでいただきたい内容でタイトルを「現場は謎のベ...

  ◆ 現場は謎のベールで包まれている  今回は経営者、加工現場の部下を持つ管理者の方に読んでいただきたい内容でタイトルを「現場は謎のベ...


現場主義・実践主義で改善を推進し、現場のムダを儲けの宝に

        今回は、製造現場で改善を推進し、現場のムダを儲けの宝にする話題です。製造現場を見学すると整理...

        今回は、製造現場で改善を推進し、現場のムダを儲けの宝にする話題です。製造現場を見学すると整理...