魅力品質の向上 儲かるメーカー改善の急所101項(その84)

更新日

投稿日

IE

 

7、これからのモノづくり経営

◆ 日本が目指すモノづくり

 日本の製品が世界を席巻していた時には「Made in Japan」はとにかく性能が良く、壊れないことを示す品質表示であったといえます。

 40年も前の話になりますが、私は家族でアメリカに2年間住むことになり、基本的な家財道具を現地でそろえる必要がありました。まず近所の巨大なスーパーマーケットでアメリカブランドのテレビを買ったのですが、一目見て「映りがくっきりはっきりしていないなぁ…」という印象を持つようなものであり、その上ひと月しないうちに壊れてしまいました。

 仕方なく中古の日本製テレビに買い替えたところ「映りは良いし壊れない」という大きな違いがありました。それ以外にも、現地で買う子供服は洗濯機で洗うとすぐにほつれが出てくるけれど、日本から持ってきた子供服は全く問題が起きないなど「やはり日本のモノはいいなあ…」と実感したものでした。そして驚いたことに、現地のアメリカ人の友人なども同様に「日本製のモノは品質が良い」と口をそろえて言っていたのを覚えています。

 すなわち、その時は壊れないに代表される「機能品質」で評価されて売れていたことが分かります。ところが、今では機能品質というレベルなら、世界中のどこでも達成できるようになり、それが当たり前となっています。供給過剰で価格下落が止まらないデジタル製品はその最たる例でしょう。製品の機能性で戦っているうちは、世界を相手にした価格競争を強いられることになるのです。

 中小メーカーが目指すべきことは、スペックや機能といったものを越えて「魅力があるから買う」と言われる次のステージのモノづくりに転換していくことでしょう。小さくてもブランドを育てれば魅力で売れるようになるからです。

 自分たちが作っている製品をお客様がど...

IE

 

7、これからのモノづくり経営

◆ 日本が目指すモノづくり

 日本の製品が世界を席巻していた時には「Made in Japan」はとにかく性能が良く、壊れないことを示す品質表示であったといえます。

 40年も前の話になりますが、私は家族でアメリカに2年間住むことになり、基本的な家財道具を現地でそろえる必要がありました。まず近所の巨大なスーパーマーケットでアメリカブランドのテレビを買ったのですが、一目見て「映りがくっきりはっきりしていないなぁ…」という印象を持つようなものであり、その上ひと月しないうちに壊れてしまいました。

 仕方なく中古の日本製テレビに買い替えたところ「映りは良いし壊れない」という大きな違いがありました。それ以外にも、現地で買う子供服は洗濯機で洗うとすぐにほつれが出てくるけれど、日本から持ってきた子供服は全く問題が起きないなど「やはり日本のモノはいいなあ…」と実感したものでした。そして驚いたことに、現地のアメリカ人の友人なども同様に「日本製のモノは品質が良い」と口をそろえて言っていたのを覚えています。

 すなわち、その時は壊れないに代表される「機能品質」で評価されて売れていたことが分かります。ところが、今では機能品質というレベルなら、世界中のどこでも達成できるようになり、それが当たり前となっています。供給過剰で価格下落が止まらないデジタル製品はその最たる例でしょう。製品の機能性で戦っているうちは、世界を相手にした価格競争を強いられることになるのです。

 中小メーカーが目指すべきことは、スペックや機能といったものを越えて「魅力があるから買う」と言われる次のステージのモノづくりに転換していくことでしょう。小さくてもブランドを育てれば魅力で売れるようになるからです。

 自分たちが作っている製品をお客様がどう評価してくれているかに着目して、魅力品質の向上を行いましょう。

今回の言葉   

******************
 製品作りから魅力づくりに転換せよ。
******************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

 日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
化学産業のE-BOM、M-BOMについて

1.乖離の問題が顕在化するE-BOMとM-BOM  今回は、設計部品表と製造部品表について、中小規模の化学産業にあてはめて解説します。E-BOMとは...

1.乖離の問題が顕在化するE-BOMとM-BOM  今回は、設計部品表と製造部品表について、中小規模の化学産業にあてはめて解説します。E-BOMとは...


チームとして改善を進める:現場改善のヒント(その2)

【改善のヒント連載目次】 1. 儲かる現場づくりとは 2. チームとして改善を進める 3. 現場から人を抜く 4. からくり改善とは 5...

【改善のヒント連載目次】 1. 儲かる現場づくりとは 2. チームとして改善を進める 3. 現場から人を抜く 4. からくり改善とは 5...


工場のリンパ液をきちんと流そう レイアウトと物流(その5)

  1.工場のリンパ液も人間と同様に停滞しやすい 人間の体内を流れる血液は、体に必要な栄養分や酸素などを運ぶ働きを持っています。しかも血...

  1.工場のリンパ液も人間と同様に停滞しやすい 人間の体内を流れる血液は、体に必要な栄養分や酸素などを運ぶ働きを持っています。しかも血...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
上長、意識改革のアクションプランとは

        今回は、上長役職に 職場や部門内外のマネジメント状況に於ける 現状の課題認識 や 働き方改革の取り組みに対して前向きに対峙し、会社と...

        今回は、上長役職に 職場や部門内外のマネジメント状況に於ける 現状の課題認識 や 働き方改革の取り組みに対して前向きに対峙し、会社と...


シミュレーションを使ったプロセス改善

   前回の事例ではシミュレーションを使った実験計画法(Design of Experiments: DOE)が今や主流になっていることを述べ...

   前回の事例ではシミュレーションを使った実験計画法(Design of Experiments: DOE)が今や主流になっていることを述べ...


中国企業・工法変更の結末 中国企業の壁(その33)

        ある中国企業では、鉄材の曲げ加工とプレス加工を主にやっています。曲げ加工は特殊なローラーを多数通すことで加工しており簡単な加工ではな...

        ある中国企業では、鉄材の曲げ加工とプレス加工を主にやっています。曲げ加工は特殊なローラーを多数通すことで加工しており簡単な加工ではな...