キレイな職場とは 儲かるメーカー改善の急所101項(その14)

更新日

投稿日

生産マネジメント

2.モノづくり〈現場改善の基本〉

◆ キレイな職場とは

 今、この文章をお読み下さっている皆様が使っている机の引き出しの中に、全く同じ黒の新品のボールペンが3本入っていたとしてください。さて、ここで皆様に質問です。

 「皆さん、ご自分のボールペンは何本必要ですか? 」

 一番多い回答は1本でしょう。両手で文字は書きませんから1本あれば十分ですね。

 次に多いのは2本でしょうか。一本分のスペアがあった方が便利という考え方でしょう。

 次が3本か0本になります。3本とも自分で使うからとか、鉛筆は使うけれどボールペンは使わないからといった理由でしょうね…。

 さて、こうなるとそれぞれの方にとって、要るボールペンの数は0本から3本まで4通りの答があるということになります。人によって使い方も考え方も違いますのでこれが正解という答はありません。

 さてここで整理整頓の整理の話をします。整理の定義としてよくあるのが「要るモノと要らないモノを分けて、要らないモノを捨てること」なのですが、このボールペンの場合、要る本数は何本で、要らない本数は何本でしょうか? この答は人によってばらつきますね。これではみんなでキチンとした整理をするのは困難です。それぞれの人がバラバラな判断をするからです。

 このように人によって違う答が出るような指示をすると5Sのような全社活動はうまくいきません。誰もがそうだと思える分かり易い指示が欲しいのです。

 そこで私は5S実行の場合、「要る・要らない」ではなく、「使う・使わない」で分ける基準を決めています。多くの場合はひと月以内に使う・使わないで分けますし、すごくレベルが高い職場では、今使う・使わないで分けることもあります。

 いずれにしても、すぐ使うモノ以外何もない職場はキレイで、誰が見てもすっきりとして使いやすいことは間違いあり...

生産マネジメント

2.モノづくり〈現場改善の基本〉

◆ キレイな職場とは

 今、この文章をお読み下さっている皆様が使っている机の引き出しの中に、全く同じ黒の新品のボールペンが3本入っていたとしてください。さて、ここで皆様に質問です。

 「皆さん、ご自分のボールペンは何本必要ですか? 」

 一番多い回答は1本でしょう。両手で文字は書きませんから1本あれば十分ですね。

 次に多いのは2本でしょうか。一本分のスペアがあった方が便利という考え方でしょう。

 次が3本か0本になります。3本とも自分で使うからとか、鉛筆は使うけれどボールペンは使わないからといった理由でしょうね…。

 さて、こうなるとそれぞれの方にとって、要るボールペンの数は0本から3本まで4通りの答があるということになります。人によって使い方も考え方も違いますのでこれが正解という答はありません。

 さてここで整理整頓の整理の話をします。整理の定義としてよくあるのが「要るモノと要らないモノを分けて、要らないモノを捨てること」なのですが、このボールペンの場合、要る本数は何本で、要らない本数は何本でしょうか? この答は人によってばらつきますね。これではみんなでキチンとした整理をするのは困難です。それぞれの人がバラバラな判断をするからです。

 このように人によって違う答が出るような指示をすると5Sのような全社活動はうまくいきません。誰もがそうだと思える分かり易い指示が欲しいのです。

 そこで私は5S実行の場合、「要る・要らない」ではなく、「使う・使わない」で分ける基準を決めています。多くの場合はひと月以内に使う・使わないで分けますし、すごくレベルが高い職場では、今使う・使わないで分けることもあります。

 いずれにしても、すぐ使うモノ以外何もない職場はキレイで、誰が見てもすっきりとして使いやすいことは間違いありません。その見方で改めて現場を見てみてください。カイゼンのヒントが見つかるかもしれません。

今回の言葉  

*************************
  要るものしかない職場をキレイな職場という。
*************************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
モノを素早く動かそう レイアウトと物流(その2)

  1.モノには足がないので自ら動けない 在庫は諸悪の根源などと良く言われますが、その在庫や仕掛りになっているモノが動かないのは何故でし...

  1.モノには足がないので自ら動けない 在庫は諸悪の根源などと良く言われますが、その在庫や仕掛りになっているモノが動かないのは何故でし...


中国と日本企業の違いとは 中国工場の品質改善(その57)

 前回のその56に続いて解説します。 【第4章】中国新規取引先選定のポイント 4.2 意識のずれを解消する  中国企業との取り引きにあたっては、...

 前回のその56に続いて解説します。 【第4章】中国新規取引先選定のポイント 4.2 意識のずれを解消する  中国企業との取り引きにあたっては、...


中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善(その43)

 前回のその42に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方 【3.10 品質課題解決の順序】 (2)どの不良から手をつけ...

 前回のその42に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方 【3.10 品質課題解決の順序】 (2)どの不良から手をつけ...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
クリーンルームの停電復帰後対応とは

        今回は、クリーンルームの停電復帰後対応を解説します。停電が発生するとクリーン度を維持できなくなり、クリーンルームの停電復帰後対応には...

        今回は、クリーンルームの停電復帰後対応を解説します。停電が発生するとクリーン度を維持できなくなり、クリーンルームの停電復帰後対応には...


品質改善、現場との関係とは

        今回は、改善活動、定着の初期段階のことです。    生産部門の品質が悪く品質部門で現場改善を行っていて、品質リスクアセスメントで...

        今回は、改善活動、定着の初期段階のことです。    生産部門の品質が悪く品質部門で現場改善を行っていて、品質リスクアセスメントで...


副資材管理システム構築の事例

1.副資材をどう捉え、改善に繋げればいいのか   工場の規模の大小を問わず副資材は種類が多くかつ現場に散在してあり、システム化は困難をきわめます。ま...

1.副資材をどう捉え、改善に繋げればいいのか   工場の規模の大小を問わず副資材は種類が多くかつ現場に散在してあり、システム化は困難をきわめます。ま...