「プロジェクトマネジメント」とは
1.プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントとは、その名前のとおりプロジェクトを管理する方法です。
プロジェクトとは、(1)新しい目的を有し、(2)限定されたリソースで遂行し、(3)決められた期間内で終了する活動ですが、なかなか計画どおりには進まないものです。
製造業におけるプロジェクトマネジメントは、少量多品種生産への移行、開発サイクルの短縮などにより、重要性が増大している一方で、その進め方を体系的に学習している組織は多くありません。宇宙開発など大規模プロジェクトを成功させる必要があった米国は、複合民族という国民性もありそのマネジメント体系化に一歩先行しています。日本でももっと普及させる必要があります。
2.プロジェクトマネジメントの方法
管理者がプロジェクトマネジメントを行う際に知っておいた方が良い管理手法を4つ解説します。
これらの管理手法を上手に活用するためには、管理手法の特徴を知ったうえで活用することが大事です。
2.1 ガントチャート
ガントチャートとは、世の中の多くのプロジェクトでも使用されていると思われている手法です。
管理手法の中でも歴史が長く「スケジューリング手法」と呼ばれることもあります。プロジェクトの進捗状況や作業工程を表形式で表現することが出来ます。
現状をすぐに確認しやすいのがメリットです。また、ガントチャートの活用は単体で行うのではなく、後述するWBSと並行したり組み合わせたりして使用するのがおススメです。WBSを作成した時に一緒にガントチャートも行うことで効率が上がります。
ガントチャートを行う際は、表の上からタスクを順番に書き込んでいき、縦欄にタスク、横欄に日時(日付)を並べていくことにより、一つ一つののタスクに作業する期間をチャート形式でで表現します。
2.2 WBS
WBS(WorkBreakdownStructure)という方式とはす、「作業分解構成図」を意味します。WBSでは、プロジェクトを完成させるために必要な全体の作業を細分化し、説明していきます。
この手法を行うのは、詳細な作業をプロジェクトで行う際に明確化するためです。詳細の作業を更に明確にすることで、何をするべきか・どの作業者か・期限はいつなのかと、詳細なスケジュールを把握することができるようになるだけでなく、図で作業全体を確認することにより、作業を行う際に漏れが無いかを確認し、作業範囲の共有できるというメリットが挙げられます。
WBSを作成の際の注意点としては、プロジェクトの計画を立てる際にずいぶん先の予定すぎてどんな作業項目を用意しないといけないか分からないケースもあります。このケースは無理やり作業項目の細分化を行わず、前段階の作業をこなしながら徐々に作業内容を選別していきます。
WBSはプロジェクトごとに作成し直すようなことはせず、元々作成していたものを参照して書き換えていきます。それにより、作業の洗い出しミスを防いだり、作成時間を大幅に短縮することができます。
WBSを作成するツールとしては、webなどのツールやオフィスソフトであるExcelなどを利用して作成することができます。
2.3 PERT
PERT(Program Evaluation and Review Technique)とは、図表化し作業やタスクの処理順序の関係を把握する手法のことです。作業時間やタスク、作業の開始日や終了日を図表に記入を行っていきます。
そして、矢印でタスク同士を繋ぐことで関係性を明確にできるため、プロジェクトが煩雑になってしまっている時に主に使用されることが多いです。
プロジェクトのどこに重点を置くべきポかを把握することや、プロジェクトの抱えている問題点が分かりやすくなります。
2.4 進捗管理
プロジェクトの進進行具合を把握する手法を進捗管理と言います。作業チームや作業メンバーの作業進捗状況も可視化でき、各作業タスクの進捗具合を確認することができるようになります。
作業担当者と現状の進捗状況を一目で分かりやすくできるので、管理も全体行き届きやすくなり、管理自体もスムーズに行えます。
そしてメリットとしては、進捗状況の表示はパーセント(%)で表示されるケースが殆どなので、作業がどれくらい残っていて、完成までにどのくらいのタスクが必要なのかを理解しやすい事です。
3.プロジェクトマネジメントを行う目的
品質や予算、納期などを守ることは、プロジェクト管理を行っていくうえで当たり前に達成する事です。しかし、その達成自体がプロジェクト管理の最終目的と勘違いしてしまっているケースも多いです。
品質や予算、納期などを守ることを最終目的にせず、プロジェクトで本来達成するべきビジネス的成果(ビジネスとしての成功)が必ずあります。
本来の最終目的は、ビジネス的成果を上げるための目的も意識して進めていくことがプロジェクトマネジメントを行う目的です。
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