コンパクト物流センターとしての薬局を考える(その1)

 「日本の高齢化社会をこのように活用すれば、新しいビジネスチャンスはある」と申し上げたいので、この連載はコンサルタントから見た、「高齢化社会になった今、見方を変える事で事業も変えなければならない、その見方なら物流事業者の新規事業も考えられる」という観点から、コンパクト物流センターとしての薬局を考えます。
 

1.高齢化社会になって何が変わるか

 高齢化社会になったらではなく、もうその時代に入っています。もう始まっています。生活者、消費者の高齢化と一言でいっても、男女、年齢、体質、病歴、持病、生活習慣などなど、それこそ趣向や生活事情は千差万別です。
 
 我々は高度成長期の頃、大量生産大量消費で事業をしてきました。それがネット社会になってから、多品種少量の個別化 が事業繁栄につながるようになりました。 学習塾、フィットネスジム、飲食店、薬局はコンパクト物流センターです。
 
 商品販売、いずれも繁栄しているのは個別化を意識して尖った商品(あるいはサー ビス)を持っています(高齢化社会では図表1のテーマそれぞれが個別化した要求 になります)
 
                
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 そう考えると高齢化社会ほど個別化要求が必要な市場はありません。高齢化という市場を見る時には個別化というキーワードが重要だと気が付きます。今回は高齢化社会と縁の切れない薬局と医薬品(処方薬)について物流ビジネスの観点から考えます。
 

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2.誰が治療してくれているのか

 人は誰しも年を取ると増えるのは診察券と医薬品だそうです。それが高齢の証の うなものです。私も2年前、還暦を目の前にして初めての入院生活を経験しました。半年間はヨロヨロしたリハビリ生活でしたが、今では現役復帰したバリバリのシニアです。しかし、診察の結果は不思議な事にこれからもずっと死ぬまで薬は飲み続けなければならないそうです。身体はバリバリな のに、なんで、いつまで、と言う疑問が当然出てきます。
 
 「くすり」は反対から読むと「リスク」になります。飲み続ける体へのリスクと経 済的負担からやめたい、減らしたいと考え る様になりました。他の高齢者も私と同じように、個別の要求は違うでしょうが、医薬業界は「この病気ならこの薬を続ける」 と言う一律対応になっているのではないでしょうか。
 
 2011年の医薬分業の規制緩和で薬局は 急激に増加し、今ではコンビニ以上の展 開を示しています。タウンページのデータ ベースでは、2012年の薬局の登録件数は 56,516件です。
 
 素人の私が思うに病院の主治医は診察・診断(身体を見るのではなくデータを見て いる)はするが治療はしていないのと同然 に思えます。それなら治療は誰がしてくれ るのか?薬と言うのが今の答えに思えます。 東洋医学は自然治癒力を高める、というこ とを聞いたことがありますが、西洋医学は 薬の選択が治療のように思えてなりません。
 
 そしてこの患者の病歴や体質から、この 薬よりも別の薬を主治医と患者に提言する。これが薬剤師(国家資格の有資格者 で医薬品の調剤・供給および薬事業務を 司る人)の役割ではないか、医師と薬剤師の関係が逆転しているかのように思えてな りません。
 
  というのは、私は主治医の名前も顔も知っ ているが、肝心の薬の名前も薬剤師の名前 も知らない。薬剤師もまた私の名前も知ら ないし、私の食生活や生活習慣も聞かない が、薬の説明だけはしてくれる。これで本当に治療になっているのかが疑問です。
 
  実はある時、私の加入している健康保 険協会から「この薬にはジェネリック製品 (特許の切れた医薬品を同一成分・同一効 用で製薬された薬)があります」という手 紙が来たので、主治医にジェネリックに変 えて欲しいと要望したところ、当医院では 扱っていないと断られ、また薬局でも同様 に断られたのです。せっかく低価格のジェネリック製品が成 分も薬効も同じなら、ジェネリックに変え てくれる薬局に変更したいと最近は思っているのです。主治医と同様に、私に薬を調合してくれ る薬剤師も「私の担当、かかりつけ薬剤師」 を決めたく思うのは、私だけでしょうか?
 
  厚生労働省が推進しているのは「かかりつけ薬局」、私が提言しているのは「かかりつけ薬剤師」です。 特に高齢者の治療をしてくれる薬剤師 が、患者の食生活・生活習慣も知らずに 本当に治療できるのでしようか? 処方箋以外の医薬品(2類、3類)はド ラックストアでもネットでも販売出来る様 になりました。処方箋薬の規模はその10倍(6.7兆円)もあるそうです。日本の薬 の消費量は世界2位です。残薬(他界された時に自宅に残っている薬)も400~ 500億円あると言われています。患者に 対して薬が効果的に処方、服薬されてい るとは思えない実態です。
 
 クスリの流通も図表2のように左から右に押し 出している、高度成長期の大量流通の構造になっているように思えます。
 
      
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 次回は、コンパクト物流センターとしての薬局を考える(その2)でこの続きを解説します。
 

この記事の著者

細木 和茂

SCM時代は、私のモットー「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない ものづくり」を推進する事で儲けさせます、成長させます。

成長している企業には攻めのSCMをつくります。ネット事業のように急激な変化も対応できる体制をつくります。赤字事業や赤字企業の立て直しは工場、センターを集約します。 30年近く経営コンサルティングをしています。ご支援した企業は日本・韓国を…

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