中国と日本企業の違いとは 中国工場の品質改善(その61)

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中国

 前回のその60に続いて解説します。

【第4章】中国新規取引先選定のポイント

◆ 新規取引先を選ぶ際のポイント

1、会社の経営方針やトップの考え方を確認する

 3Mのところで解説したように、中国の場合特に経営者の姿勢・考え方で会社が大きく左右されます。品質を重視する姿勢・意思があるかないかで決まります。品質重視の姿勢があれば、その企業は1、2年で急速に良くなることが期待できます。

 逆に短期的な利益を求めている場合、取り引きは慎重に判断すべきと私は思います。

 中国企業の場合、トップの言うことは絶対ですから品質重視という姿勢を打ち出せば、従業員はそれを目指した動きをします。我々の指導も素直に受け入れ、力を付けていきますが目先の利益だけを求めている企業は「品質管理や改善には費用がかかる」と考えるのでやりません。次の6点が、確認項目です。

  • (1) 経営者の考え方や姿勢   →  必ず会って確かめる
  • (2) 従業員を大事にしているか →  賃金、福利厚生、労働時間・労働環境、離職率
  • (3) どのような顧客を持っているか →  どのような業界と取引しているか、どのような国の顧客を持っているか
  • (4) 技術力 →  求めるものを作る能力があるか
  • (5) 生産能力 →  どのような設備を持っているか、生産能力・生産余力の状況
  • (6) どの程度のシステム・仕組みがあリ機能しているか →  全体を見るにはISOのチェック項目を使うとよい

 次回は、2...

中国

 前回のその60に続いて解説します。

【第4章】中国新規取引先選定のポイント

◆ 新規取引先を選ぶ際のポイント

1、会社の経営方針やトップの考え方を確認する

 3Mのところで解説したように、中国の場合特に経営者の姿勢・考え方で会社が大きく左右されます。品質を重視する姿勢・意思があるかないかで決まります。品質重視の姿勢があれば、その企業は1、2年で急速に良くなることが期待できます。

 逆に短期的な利益を求めている場合、取り引きは慎重に判断すべきと私は思います。

 中国企業の場合、トップの言うことは絶対ですから品質重視という姿勢を打ち出せば、従業員はそれを目指した動きをします。我々の指導も素直に受け入れ、力を付けていきますが目先の利益だけを求めている企業は「品質管理や改善には費用がかかる」と考えるのでやりません。次の6点が、確認項目です。

  • (1) 経営者の考え方や姿勢   →  必ず会って確かめる
  • (2) 従業員を大事にしているか →  賃金、福利厚生、労働時間・労働環境、離職率
  • (3) どのような顧客を持っているか →  どのような業界と取引しているか、どのような国の顧客を持っているか
  • (4) 技術力 →  求めるものを作る能力があるか
  • (5) 生産能力 →  どのような設備を持っているか、生産能力・生産余力の状況
  • (6) どの程度のシステム・仕組みがあリ機能しているか →  全体を見るにはISOのチェック項目を使うとよい

 次回は、2、従業員を大事にしているか。から解説を続けます。

 【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行、筆者のご承諾により抜粋を連載

 

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この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

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