中国工場の実状を知る、部品・材料について 中国工場の品質改善(その26)

更新日

投稿日

生産マネジメント

【第2章 中国工場の実状を知る】

【日本工場と中国工場の違い】

 前回のその25に続いて解説します。

 ここでは、3M(人、設備、材料)それぞれについて、中国工場と日本工場との違いを再確認します。

【日本工場の作業者】

  • ベテラン(熟練者)が多い 
  • ノウハウを持っている
  • ベテランが教えることができる
  • 一定レベルの意識、知識

【中国工場の作業者】

  • 熟練者がいない、少ない
  • ノウハウがない
  • 教えることができるベテランがいない
  • 何も知らないレベル

【日本工場、機械】

  • 使いこなす
  • 予防保全もできる

【中国工場、機械】

  • 使いこなせない
  • 予防保全は苦手

【日本工場、材料】 

  • 中国企業部材の品質に困っている

【中国工場、材料】

  • 同じように困っている

(1)作業者

 人(MAN)では作業者に着目します。

 中国工場と日本工場では、作業者が持っている素養が大きく違います。日本の工場作業者は一定レベルの意識や知識を持っていますが、中国ではそうではありません。また、日本工場ではベテランの作業者が多くいて、その人たちがノウハウを持っています。中国の作業者は、まだまだそうした域に達しません。教育面では、日本でも中小企業は教育の仕組みはありませんが、ベテランが若手に教えることでそれをカバーしています。

 

(2)設備・機械

 日本と同じ機械を持っていても使いこなすスキルがまだまだ中国は不十分です。日本は機械を買ったら自社で使い易いようにカスタマイズすることをしますが、中国はそのノウハウがありません。買ったまま使っていますし、場合によっては機械の性能を十分に活かしていません。設備保全の面では、中国人は予防保全が非常に苦手です。問題が...

生産マネジメント

【第2章 中国工場の実状を知る】

【日本工場と中国工場の違い】

 前回のその25に続いて解説します。

 ここでは、3M(人、設備、材料)それぞれについて、中国工場と日本工場との違いを再確認します。

【日本工場の作業者】

  • ベテラン(熟練者)が多い 
  • ノウハウを持っている
  • ベテランが教えることができる
  • 一定レベルの意識、知識

【中国工場の作業者】

  • 熟練者がいない、少ない
  • ノウハウがない
  • 教えることができるベテランがいない
  • 何も知らないレベル

【日本工場、機械】

  • 使いこなす
  • 予防保全もできる

【中国工場、機械】

  • 使いこなせない
  • 予防保全は苦手

【日本工場、材料】 

  • 中国企業部材の品質に困っている

【中国工場、材料】

  • 同じように困っている

(1)作業者

 人(MAN)では作業者に着目します。

 中国工場と日本工場では、作業者が持っている素養が大きく違います。日本の工場作業者は一定レベルの意識や知識を持っていますが、中国ではそうではありません。また、日本工場ではベテランの作業者が多くいて、その人たちがノウハウを持っています。中国の作業者は、まだまだそうした域に達しません。教育面では、日本でも中小企業は教育の仕組みはありませんが、ベテランが若手に教えることでそれをカバーしています。

 

(2)設備・機械

 日本と同じ機械を持っていても使いこなすスキルがまだまだ中国は不十分です。日本は機械を買ったら自社で使い易いようにカスタマイズすることをしますが、中国はそのノウハウがありません。買ったまま使っていますし、場合によっては機械の性能を十分に活かしていません。設備保全の面では、中国人は予防保全が非常に苦手です。問題が起きれば生産ができないので対処しますが、予防保全は問題が起きていないときに起きるのを防ぐために対処することです。中国人は、起きていない問題に対して何かするという考えがあまりありません。

 次回は、(3)部品・材料から続けます。

【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行 筆者のご承諾により、抜粋を連載

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
強いモノづくりに必要なこと 儲かるメーカー改善の急所101項(その79)

  6、強いモノづくり ◆ 人も設備も多能工化  プロダクトアウトと呼ばれ、同じものを作れば作っただけすべて売れてしまう時代がありまし...

  6、強いモノづくり ◆ 人も設備も多能工化  プロダクトアウトと呼ばれ、同じものを作れば作っただけすべて売れてしまう時代がありまし...


中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善(その37)

 前回のその36に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方   【3.6 中国工場での人材マネジメント】 ◆...

 前回のその36に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方   【3.6 中国工場での人材マネジメント】 ◆...


強い工場とは何か

 前回の、多品種少量、部品加工工場の生産効率化の検討に続いて解説します。 ◆関連解説『生産マネジメントとは』    図1の、スマイルカーブ...

 前回の、多品種少量、部品加工工場の生産効率化の検討に続いて解説します。 ◆関連解説『生産マネジメントとは』    図1の、スマイルカーブ...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
作業者をどう捉えるか

◆中国人作業者はまじめ、それともいい加減  今回は、中国人作業者をどう捉えるかを考えてみることにします。これに関して以前相談をいただいたのでアドバイ...

◆中国人作業者はまじめ、それともいい加減  今回は、中国人作業者をどう捉えるかを考えてみることにします。これに関して以前相談をいただいたのでアドバイ...


ITシステムの高度化 伸びる金型メーカーの秘訣 (その30)

 今回紹介する機械加工メーカーは、富山県にある株式会社Tです。同社は、総従業員数1200名を超え、国内7社・海外4社からなるT科学グループの機械加工部門と...

 今回紹介する機械加工メーカーは、富山県にある株式会社Tです。同社は、総従業員数1200名を超え、国内7社・海外4社からなるT科学グループの機械加工部門と...


多品種少ロット生産現場の人材育成と納期管理

1. 多能工化    多能工化、進めないといけないのはわかているけど、なかなかうまく進まないな、という企業は多いと思います。私自身、金型設計...

1. 多能工化    多能工化、進めないといけないのはわかているけど、なかなかうまく進まないな、という企業は多いと思います。私自身、金型設計...