中国工場での従業員教育の進め方 中国工場の品質改善(その52)

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中国工場

 前回のその51に続いて解説します。

【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方

【3.14 中国工場での従業員教育の進め方】

◆ 管理者育成の要点

(2) 科長にはさらなる役割がある

 現場の科長には、組長・班長とはまた違った多くの重要な役割があります。現場の日常管理を任せることになる訳で、日々の生産が問題なく行われること、何か問題や異常が発生した時の対処など生産品の品質確保という重要な役目を持っています。

 生産品の品質確保という点では、継続的な改善を進める担い手としての役割もあります。生産や工程の問題点は、常に現場にいるスタッフが一番よく分かっているはずですので、これらスタッフに改善を進める意識や力がないと改善は出来ません。

 また現場の管理の他にも作業者や組長・班長に対しての教育係として役割を担ってもらわなくてはなりません。人に教えるためには、まず本人が理解していることが必要です。現場の科長にこれらを担ってもらうことが工場のレベルアップにつながりますし、そうした科長の中から優秀な人がさらに上のポジションに就くことが現地化にもつながっていきます。

 科長の教育も現地化を進めたいのですが、正直中々難しいといえます。必要に応じて日本人駐在員、本社または外部の力を借りて進めることも検討する必要があると思います。

 ※教育を行う前に、工場の各階層(作業者、班長、科長)に求める役割を明確にすることが重要です。役割が明確になれば、その役割を果たすために必要な知識やスキルが明確になるので、教育でそれらを身に付けさせるようにしていくのです。

 【管理者教育を実施して感じていること】

 これまで支援した中国工場で現場管理者や検査員への教育を行ってきましたが、作業者に直接教育をすることは基本的にありません。なぜ教育の対象を管理者や検査員にしているかといいますと、教育の効果を最大にするためです。私は「工場のQCDを支えているのは、現場の管理者」という考えを持っています。つまり現場の管理者が、品質を確保するためのキーパーソンなのです。

 キーパーソンである彼ら彼女らの意識を変えることが必要かつ重要なのです。管理者の意識が変わらなければ、作業者の意識を変えることはできません。日々、工程の作業や作業者を監督し指導しているのは現場管理者ですから、彼ら彼女らの意識が低いままでは、作業者が変わるはずがありません。教育をする目的は、これらの人たちに品質管理の基礎知識を修得してもらうことと、管理者・検査員として仕事に対する意識を高めることです。

 他の理由として、作業者は入れ替りがありますが、管理者はそれに比べると定着率が高い傾向にあるので、継続した教育ができることがあります。

 教育では、教育内容を記したテキストを配布することはしていません。なぜかといいますと、テキストを配るとそれを見ただけで理解したつもりになって話を聞かないことがあるからです。また、毎回冒頭に前回の内容に関するテストを実施しています。テストがあるということで出席者の多くは一生懸命ノートを取ってくれます。話す側として、とてもうれしいことです。

 私が教育を実施して感じたのは、管理者や検査員たちの多くは、きちんと系統だった教育を受けたことがないということです。日系の工場で働いた経験のある人は、品質教育を受けたことがある割合が比較的高いのですが、中国企業でしか働いたことのない人の多くは教育を受けた経験はないようです。

 もう一つ感じたことは、言葉は知っていてもその中身や本当のところまでは理解していないということです。例えば「記録を付けるには...

中国工場

 前回のその51に続いて解説します。

【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方

【3.14 中国工場での従業員教育の進め方】

◆ 管理者育成の要点

(2) 科長にはさらなる役割がある

 現場の科長には、組長・班長とはまた違った多くの重要な役割があります。現場の日常管理を任せることになる訳で、日々の生産が問題なく行われること、何か問題や異常が発生した時の対処など生産品の品質確保という重要な役目を持っています。

 生産品の品質確保という点では、継続的な改善を進める担い手としての役割もあります。生産や工程の問題点は、常に現場にいるスタッフが一番よく分かっているはずですので、これらスタッフに改善を進める意識や力がないと改善は出来ません。

 また現場の管理の他にも作業者や組長・班長に対しての教育係として役割を担ってもらわなくてはなりません。人に教えるためには、まず本人が理解していることが必要です。現場の科長にこれらを担ってもらうことが工場のレベルアップにつながりますし、そうした科長の中から優秀な人がさらに上のポジションに就くことが現地化にもつながっていきます。

 科長の教育も現地化を進めたいのですが、正直中々難しいといえます。必要に応じて日本人駐在員、本社または外部の力を借りて進めることも検討する必要があると思います。

 ※教育を行う前に、工場の各階層(作業者、班長、科長)に求める役割を明確にすることが重要です。役割が明確になれば、その役割を果たすために必要な知識やスキルが明確になるので、教育でそれらを身に付けさせるようにしていくのです。

 【管理者教育を実施して感じていること】

 これまで支援した中国工場で現場管理者や検査員への教育を行ってきましたが、作業者に直接教育をすることは基本的にありません。なぜ教育の対象を管理者や検査員にしているかといいますと、教育の効果を最大にするためです。私は「工場のQCDを支えているのは、現場の管理者」という考えを持っています。つまり現場の管理者が、品質を確保するためのキーパーソンなのです。

 キーパーソンである彼ら彼女らの意識を変えることが必要かつ重要なのです。管理者の意識が変わらなければ、作業者の意識を変えることはできません。日々、工程の作業や作業者を監督し指導しているのは現場管理者ですから、彼ら彼女らの意識が低いままでは、作業者が変わるはずがありません。教育をする目的は、これらの人たちに品質管理の基礎知識を修得してもらうことと、管理者・検査員として仕事に対する意識を高めることです。

 他の理由として、作業者は入れ替りがありますが、管理者はそれに比べると定着率が高い傾向にあるので、継続した教育ができることがあります。

 教育では、教育内容を記したテキストを配布することはしていません。なぜかといいますと、テキストを配るとそれを見ただけで理解したつもりになって話を聞かないことがあるからです。また、毎回冒頭に前回の内容に関するテストを実施しています。テストがあるということで出席者の多くは一生懸命ノートを取ってくれます。話す側として、とてもうれしいことです。

 私が教育を実施して感じたのは、管理者や検査員たちの多くは、きちんと系統だった教育を受けたことがないということです。日系の工場で働いた経験のある人は、品質教育を受けたことがある割合が比較的高いのですが、中国企業でしか働いたことのない人の多くは教育を受けた経験はないようです。

 もう一つ感じたことは、言葉は知っていてもその中身や本当のところまでは理解していないということです。例えば「記録を付けるには、いくつか理由がありますのでその理由を書いてください」という問題を出すと、書くことが出来る人の方が少ないのです。記録を付けることが必要だというのは、なんとなく分かっていても、その理由まできちんと説明できる人は多くありません。

 テストをやってみると、しっかり覚えてくれた人とそうでない人がいることも分かりました。やる前から「1回の教育だけで身に付くのは難しい」ことは覚悟していましたが、それが実証された形となりました。中国工場の場合、何事も一足飛びにはよくなりませんので、一歩一歩前進できるように継続することが大事だと日頃から自分自身に言い聞かせています。

 次回は、作業者への教育は、管理者に先生をやらせる。から解説を続けます。

 【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行、筆者のご承諾により抜粋を連載 

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この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

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