中国工場の品質改善(その71) 新規開拓のどこを見ればよいか

中国

 前回のその70に続いて解説します。

【第4章】中国新規取引先選定のポイント

【仕様書記述方法の注意点】

(1)図・写真を駆使する

 図や写真は共通言語なので、間違った理解となる可能性が減ります。これらを有効に活用してください。特に外観基準は文字だけのもので理解をすることは難しいですから、図や写真でビジュアル化してください。

(2)複雑な文にしない

 一つの文章に複数の意味を持たせた複雑な文にすると、誤った理解となる可能性が高くなります。文は単純明快にすることが望ましいといえます。複雑な文は作成者の自己満足に過ぎません。

 例えば、次のような文章があります。

 「最初に寸法検査を行うが、その際に寸法以外の不良項目を発見したら、当該品は不良品と判定し、不良品箱に入れること。」

 これは、次のように分解した文にします。

  • 最初に寸法検査を行う
  • その際に寸法以外の不良項目を発見した場合は、その製品は不良品と判定する
  • その不良品は、不良品箱に入れる

(3)否定文を肯定文に変える

 「あいまいな表現は厳禁」の項で「誰が読んでも違う解釈とならないこと」と記述しました。日本人同士なら問題ない文ですが、中国人を相手にする時は問題があります。特にこの文は2重否定となっています。2重否定は誤訳の原因になりますので、間違った解釈になる可能性大です。この場合「誰が見ても同じ解釈となるようにする」のような単純な肯定文に書き換えます。

(4)カタカナは使わない

 日本語ができる中国人でもカタカナまで理解する人は少ないものです。また、辞書で調べようとしても調べられないことも多いので、カタカナは使わず別の言葉に置き換えるか、元の英語表記にした方が分かり易くなります。

(5)用語集を作る

 これは、とても有効な手段です。自社と取引先とで同じ言葉を使うことは間違いを減らし、理解の共通化につながります。元々用語集は、日系企業が自社中国工場の指導用に、そして日本本社と言葉のずれをなくすために作ったものです。それを取引先向けにも展開するということです。

 次回は、初回生産への立ち合いと量産後の不良率を見る。から解説を続けます。

 【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行、筆者のご承諾により抜粋を連載 


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...

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