中国工場の品質改善(その20) 中国工場の実状を知る、日本人駐在員について

 

生産マネジメント

【第2章 中国工場の実状を知る】

【設備ノウハウの落し込み】

 前回のその19に続いて解説します。

(3)中国人にどこまで求めるのか

 機械の微調整などのオペレーションノウハウだけでなく、作業のスキルやノウハウも含めて、日本の工場には匠や職人と言われる人たちがいます。では、中国の工場でも日本と同じような匠や職人さんを作るのでしょうか、また、育成できるのでしょうか。

 中国に工場進出するときには、日本で培った自社技術や生産技術をどこまで中国人に習得させるのか、つまり、中国人をどのレベルまで育成するのかを事前にある程度はきめておいてもらいたいのです。

 日本工場と同じように匠や職人と言われるレベルまで中国人を育成するということでももちろん構いませんOそれを目標として決めたならば、どのようにして育成していくかを考えることになります。

 逆に、次の(4)に記した事例のように中国人には高いレベルの技術は求めないで、必要な技術はすべて機械に組み込み自動化するという考え方もあります。この二つの中間的な考え方として、中国人にはそこそこの技術レベルまでの習得とし、適度に自動化した装置とで生産をするやり方があります。

 しかしながら、多くの日系工場では、中国人にどのレベルまで習得させるかを進出時に決めずに技術指導を行った結果、中程度の技術レベルにまで達したとか、中程度の技術レベルにも達しなかったという具合です。現在の自社工場の中国人の技術レベルは、指導した結果にすぎないのです。

(4)スキル養成を諦めた日系工場

 ある日系工場では、作業者の離職による入れ替りなどで作業に必要なスキルが思うように定着しないことに悩んでいました。スキルのバラツキは、製品の出来栄えに影響するので、何とかしなくてはいけませんでした。

 この工場では、作業者のスキルの定着を諦め、そのスキルを機械化する方向に舵を切りました。機械化できる作業は徹底的に機械化するこ...

 

生産マネジメント

【第2章 中国工場の実状を知る】

【設備ノウハウの落し込み】

 前回のその19に続いて解説します。

(3)中国人にどこまで求めるのか

 機械の微調整などのオペレーションノウハウだけでなく、作業のスキルやノウハウも含めて、日本の工場には匠や職人と言われる人たちがいます。では、中国の工場でも日本と同じような匠や職人さんを作るのでしょうか、また、育成できるのでしょうか。

 中国に工場進出するときには、日本で培った自社技術や生産技術をどこまで中国人に習得させるのか、つまり、中国人をどのレベルまで育成するのかを事前にある程度はきめておいてもらいたいのです。

 日本工場と同じように匠や職人と言われるレベルまで中国人を育成するということでももちろん構いませんOそれを目標として決めたならば、どのようにして育成していくかを考えることになります。

 逆に、次の(4)に記した事例のように中国人には高いレベルの技術は求めないで、必要な技術はすべて機械に組み込み自動化するという考え方もあります。この二つの中間的な考え方として、中国人にはそこそこの技術レベルまでの習得とし、適度に自動化した装置とで生産をするやり方があります。

 しかしながら、多くの日系工場では、中国人にどのレベルまで習得させるかを進出時に決めずに技術指導を行った結果、中程度の技術レベルにまで達したとか、中程度の技術レベルにも達しなかったという具合です。現在の自社工場の中国人の技術レベルは、指導した結果にすぎないのです。

(4)スキル養成を諦めた日系工場

 ある日系工場では、作業者の離職による入れ替りなどで作業に必要なスキルが思うように定着しないことに悩んでいました。スキルのバラツキは、製品の出来栄えに影響するので、何とかしなくてはいけませんでした。

 この工場では、作業者のスキルの定着を諦め、そのスキルを機械化する方向に舵を切りました。機械化できる作業は徹底的に機械化することで、作業者のスキルに依らない安定した品質の製品を作ることを目指しました。この会社は、中国に進出して20年も経っていますが、20年中国で工場をやってきた結論として、このような方法を選びました。これも一つの考え方です。

 次回は、(5)勝手にやり方を変える中国人、から続けます。

【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行 筆者のご承諾により、抜粋を連載

  残り20% 続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「生産マネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
作業標準書について(その3)

作業標準書について、前回のその2に続いて解説します。   6.作業標準書の使い方 (1)作業標準書は現場リーダーと作業者が使用。  作業標...

作業標準書について、前回のその2に続いて解説します。   6.作業標準書の使い方 (1)作業標準書は現場リーダーと作業者が使用。  作業標...


中国工場の品質改善(その63) 中国と日本企業の違いとは

 前回のその62に続いて解説します。 【第4章】中国新規取引先選定のポイント ◆ 新規取引先を選ぶときのポイント 3、どのような顧客を持っている...

 前回のその62に続いて解説します。 【第4章】中国新規取引先選定のポイント ◆ 新規取引先を選ぶときのポイント 3、どのような顧客を持っている...


人材育成・組織・マネジメント(その8)課題解決と組織内の人間関係

   工場の経営者から現場の従業員の方を対象として「人材育成・組織・マネジメント」をテーマに連載で解説します。今回はその第8回目となります...

   工場の経営者から現場の従業員の方を対象として「人材育成・組織・マネジメント」をテーマに連載で解説します。今回はその第8回目となります...


「生産マネジメント」の活用事例

もっと見る
伸びる金型メーカーの秘訣 (その10)管理の見える化

 単工程としての機械加工業の中でも、比較的大きなロットサイズの旋盤加工を事業の中心とするメーカーが今回の事例企業です。こういった旋盤加工事業は、一見同じよ...

 単工程としての機械加工業の中でも、比較的大きなロットサイズの旋盤加工を事業の中心とするメーカーが今回の事例企業です。こういった旋盤加工事業は、一見同じよ...


中国企業の壁(その17)中国工場・指示内容の実施確認は必須の管理事項

          立ち上げて2年が経過した日系の中国工場での事例です。この工場は、日本人総経理を頂点として、その下に同じく日本人の副総経理、中国人...

          立ち上げて2年が経過した日系の中国工場での事例です。この工場は、日本人総経理を頂点として、その下に同じく日本人の副総経理、中国人...


現場主義の一例 技術者の対応

 現場主義に関するお話、今回は技術者(技術・品質等)の対応の事例を紹介します。  現場で技術的な問題や品質問題が発見され、技術者(技術、品質)に連絡が入...

 現場主義に関するお話、今回は技術者(技術・品質等)の対応の事例を紹介します。  現場で技術的な問題や品質問題が発見され、技術者(技術、品質)に連絡が入...