中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善(その5)

更新日

投稿日

 

中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善

 

 中国人の作業者は、日本人が考えているよりも何も知りません。特に、入社したでの作業者は、それくらい何も知らない子たちです。知らないこと、教えられていないことは出来ないので、やって欲しいことはきちんと教える必要があるということです。

【第2章 中国工場の実状を知る】

 前回のその4に続いて解説します。

【目次】

    【作業者について】

     中国工場で働いている作業者とは、いったいどんな人だちなのでしょうか。

    (1)作業者は何も知らない人たち

     中国工場の作業者は、地元の子もいますが、内陸から出稼ぎに来ている子たちが今でもたくさんいます。みんな若く、何もない田舎から来ている子だちと考えてよいでしょう。それ故に以前は、水洗トイレやシャワーの使い方から教えることも必要でした。

     中国人作業者に対して作業のやり方や品質管理の知識などを教えるときは、小学生に教えるつもりで行うことがポイントです。それくらい何も知らない子だちと認識しておく必要があります。このような話をすると中国経験者は「そんなことはわかっている」と言うのですが、頭の中で理解していても実際の行動が、それを前提としたものになっていないことがあります...

     

    中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善

     

     中国人の作業者は、日本人が考えているよりも何も知りません。特に、入社したでの作業者は、それくらい何も知らない子たちです。知らないこと、教えられていないことは出来ないので、やって欲しいことはきちんと教える必要があるということです。

    【第2章 中国工場の実状を知る】

     前回のその4に続いて解説します。

    【目次】

      【作業者について】

       中国工場で働いている作業者とは、いったいどんな人だちなのでしょうか。

      (1)作業者は何も知らない人たち

       中国工場の作業者は、地元の子もいますが、内陸から出稼ぎに来ている子たちが今でもたくさんいます。みんな若く、何もない田舎から来ている子だちと考えてよいでしょう。それ故に以前は、水洗トイレやシャワーの使い方から教えることも必要でした。

       中国人作業者に対して作業のやり方や品質管理の知識などを教えるときは、小学生に教えるつもりで行うことがポイントです。それくらい何も知らない子だちと認識しておく必要があります。このような話をすると中国経験者は「そんなことはわかっている」と言うのですが、頭の中で理解していても実際の行動が、それを前提としたものになっていないことがあります。このような人たちによく起こるのが、「知らないと言ってもこれくらいは知っているだろう」とか「これくらいはわかるだろう」と思ってしまうことです。

       実際中国人の作業者は、我々日本人が考えているより何も知りません。例えば、品質の「ひ」の字も知りません。でもこれはあたり前のことで、学校では教わってこないのですから。規律を守ることも知りません。場合によっては現在でも宿舎での集団生活や施設の使い方など生活面の指導からやらなくてはならないこともあります。

       これが日本の工場だと、長年生産をしてきたこともあり、男性でも女性でもある程度の経験を持っています。そんな人たちは、一言説明をすれば内容を理解し、こちらの意図通りにやってくれます。新人が入ってきても、ベテランがきちんと教え面倒を見ることができます。

       中国で工場を立ち上げて、そんな日本と同じようなつもりで作業者を考えてはいけません。1回の説明でこちらの意図を理解してくれるとは考えないことです。何回も確認をしながら繰り返し説明することが大事です。高校生レベルと考えると失敗します。

       

      (2)整理・整頓の概念がない

       中国人の作業者には、整理・整頓という概念がないと思ってください。これは良い悪いの問題ではなく、育ってきた環境が日本人とは違うことから来ているのです。読者のみなさんは、小さい頃から両親に「自分の机の上や中を整理整頓しなさい」と口を酸っぱくして言われてきたと思います。ですから自然に整理整頓という概念が醸成されているのです。ところが、中国人の場合、特に田舎の農村で育った人たちは、家にものがありません。ですから整理整頓の必要がないのです。これでは整理・整頓の概念がないのも当然です。

       余談になりますが、中国工場の指導をしていてわかったのは、中国人は、物のしまい方や片付け方を知らないということです。

       ある工場でのことなのですが、製品を段積みにするとき製品同士が当たらないように段ボールを敷くようにしていました。当然使用する段ボールを用意しておく必要があるのですが、その段ボールを寝かせて積み重ねて置いているのです。これでは余分な場所が必要になり、寝かせて置くとどうしてもばらけて乱雑になってしまいます。この場合であれば、段ボールは箱の中に立てて置くようにすれば、すっきり片付きます。教えるまで、立てて置くという発想がなかったのです。

       繰り返しますが、中国人の作業者は、日本人が考えているよりも何も知りません。特に、入社したでの作業者は、それくらい何も知らない子たちです。知らないこと、教えられていないことは出来ないので、やって欲しいことはきちんと教える必要があるということです。

       次回の(3) 中国人作業者の良い点に続きます。

      【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行  筆者のご承諾により、抜粋を連載

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      根本 隆吉

      中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

      中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


      「人的資源マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      技術士第二次試験対策:“書くこと”をキーワードとした試験対策

      1. “書くこと”をキーワードとした内容    技術士の試験は択一式試験と記述式試験で行われます。この記述式試験の対...

      1. “書くこと”をキーワードとした内容    技術士の試験は択一式試験と記述式試験で行われます。この記述式試験の対...


      技術企業の高収益化: 好業績こそ、危機感のある意思決定を

        ◆ 技術戦略を「いつやるか」が経営者の危機感の現れだ  「次の成長につながる基盤を作りたいのです」。私が技術戦略策定コンサルティング...

        ◆ 技術戦略を「いつやるか」が経営者の危機感の現れだ  「次の成長につながる基盤を作りたいのです」。私が技術戦略策定コンサルティング...


      社会人基礎力とは、社会人基礎力の意味をわかりやすく解説

      【目次】 今回は、「社会人基礎力」について解説します。 1. 社会人基礎力の定義 社会人基礎力の定義は『「基礎学力」「専門知識」...

      【目次】 今回は、「社会人基礎力」について解説します。 1. 社会人基礎力の定義 社会人基礎力の定義は『「基礎学力」「専門知識」...


      「人的資源マネジメント総合」の活用事例

      もっと見る
      提案件数を増やすコツ:提案について考える(その2)

        ◆提案件数を増やすコツ この提案制度は従業員自身のレベルアップにも有効な手段です。今の仕事の状況を客観的に分析し、それをどう変えたら...

        ◆提案件数を増やすコツ この提案制度は従業員自身のレベルアップにも有効な手段です。今の仕事の状況を客観的に分析し、それをどう変えたら...


      人的資源マネジメント:モチベーションを支える自律性とは(その4)

        ◆ 人生を決めるポジティブ感情と3:1の法則    ポジティブ感情を生む心の状態を「ポジティビティ (Positivity)...

        ◆ 人生を決めるポジティブ感情と3:1の法則    ポジティブ感情を生む心の状態を「ポジティビティ (Positivity)...


      人的資源マネジメント:褒める気持ちを伝えるには技術が必要(その1)

      1. 同時にやるシクミづくりとヒトづくり、やっと気づいた改革の本質    あなたは同僚や、部下、パートナーや子ども、そして周囲の人をちゃんと...

      1. 同時にやるシクミづくりとヒトづくり、やっと気づいた改革の本質    あなたは同僚や、部下、パートナーや子ども、そして周囲の人をちゃんと...