業者の規模による評価の違いとは 中国企業の壁(その51)

投稿日

 
  生産マネジメント
 
 日本品質を目指している中国企業A社では、前年の製品品質データをまとめたところ、大きな損失を出した3件の顧客クレームの主要因が外部から購入した部材にあったという結果になりました。
 
 その結果を受けて社長は、今年度の最重点課題の1つに外部購入品の品質をいかに確保するかという問題を取り上げました。外部購入品の品質がテーマですから、当然購買部、そして品管部がメインとして取り組むことになるはずでした。
 
 購買部の経理はとても優秀な人だったので、購買部だけで外注品質を改善する能力はないと冷静に見ていました。そこで関係部門の力を結集して会社の総力でよくしようと動きました。
 

◆ 外注業者の評価

 まず取り組んだのが、外注業者を正しく評価することでした。それは既存の業者の再評価という部分と、新規開拓する際に適正に評価を行い、自社の眼鏡にかなった業者から購入する仕組みを作りたかったのです。
 
 それまでも新規業者開拓においては、購買部と品管部が評価を行っていました。しかし、その評価項目は一律で規模の大きい一流企業から社員20人程度の小企業でも同じでした。
 
 しかも、評価内容は、ISO9000の要求事項をベースにしたもので、大企業の評価には向いているが、小企業をこれで評価すると購入可という判断にはなりにくい傾向にあり、小企業の評価には向いていないものでした。
 
 購買部の経理は、品管部に企業の規模に応じた評価をすること、そして、業種ごとに適正な評価となるよう評価項目を変えるように要求しました。また、その企業の技術面の評価を正しく行うために、開発部にも技術面及び設備面の評価を依頼しました。
 
 開発部はそれまでそのような観点で外注業者を見たことがなかったので、どのように評価すればよいのかわか...
 
  生産マネジメント
 
 日本品質を目指している中国企業A社では、前年の製品品質データをまとめたところ、大きな損失を出した3件の顧客クレームの主要因が外部から購入した部材にあったという結果になりました。
 
 その結果を受けて社長は、今年度の最重点課題の1つに外部購入品の品質をいかに確保するかという問題を取り上げました。外部購入品の品質がテーマですから、当然購買部、そして品管部がメインとして取り組むことになるはずでした。
 
 購買部の経理はとても優秀な人だったので、購買部だけで外注品質を改善する能力はないと冷静に見ていました。そこで関係部門の力を結集して会社の総力でよくしようと動きました。
 

◆ 外注業者の評価

 まず取り組んだのが、外注業者を正しく評価することでした。それは既存の業者の再評価という部分と、新規開拓する際に適正に評価を行い、自社の眼鏡にかなった業者から購入する仕組みを作りたかったのです。
 
 それまでも新規業者開拓においては、購買部と品管部が評価を行っていました。しかし、その評価項目は一律で規模の大きい一流企業から社員20人程度の小企業でも同じでした。
 
 しかも、評価内容は、ISO9000の要求事項をベースにしたもので、大企業の評価には向いているが、小企業をこれで評価すると購入可という判断にはなりにくい傾向にあり、小企業の評価には向いていないものでした。
 
 購買部の経理は、品管部に企業の規模に応じた評価をすること、そして、業種ごとに適正な評価となるよう評価項目を変えるように要求しました。また、その企業の技術面の評価を正しく行うために、開発部にも技術面及び設備面の評価を依頼しました。
 
 開発部はそれまでそのような観点で外注業者を見たことがなかったので、どのように評価すればよいのかわかりませんでした。それでもやらなければならないので、必死に考えました。人は少し困らせるくらいの方が成長します。
 
 購買部としては業種によっては、企業規模の小さな会社から購入せざるを得ない場合も当然出てきます。そうした企業のどこを見ればよいのか、そのポイントの明確化を品管部に要求した訳です。
 
 工程や検査でどのように品質が担保されているか、ここを見極めることが大事なポイントです。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
工程能力の理解【連載記事紹介】

  工程能力の理解 連載が無料でお読みいただけます!   ◆ 工程能力とは 工程能力とは安定した工程における品質特性値の状...

  工程能力の理解 連載が無料でお読みいただけます!   ◆ 工程能力とは 工程能力とは安定した工程における品質特性値の状...


マスカスタマイゼーションとは

  第3次産業革命と第4次産業革命とは何が違うのでしょうか?それはインターネットを活用した連携があるかないかです。第3次までは自社内の生産...

  第3次産業革命と第4次産業革命とは何が違うのでしょうか?それはインターネットを活用した連携があるかないかです。第3次までは自社内の生産...


科学的調達基準によるモノづくり調達革新

 モノづくり企業の資材調達担当者が抱える“調達価格基準が不明”に、一つのヒントを提示します。生産資材を外部調達する場合に、1.調達品の材質・形状・寸法など...

 モノづくり企業の資材調達担当者が抱える“調達価格基準が不明”に、一つのヒントを提示します。生産資材を外部調達する場合に、1.調達品の材質・形状・寸法など...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
【ものづくりの現場から】多品種少量の生産管理(飛騨産業)(その2)

  【特集】ものづくりの現場から一覧へ戻る ものづくりを現場視点で理解する「シリーズ『ものづくりの現場から』」では、現場の課題や課題解消に向...

  【特集】ものづくりの現場から一覧へ戻る ものづくりを現場視点で理解する「シリーズ『ものづくりの現場から』」では、現場の課題や課題解消に向...


生産管理の課題解決 伸びる金型メーカーの秘訣 (その13)

 今回、紹介する金型メーカーは、プレス板成形の金型製作の専門メーカー、S金型です。   1. コアコンピタンス    同社の強...

 今回、紹介する金型メーカーは、プレス板成形の金型製作の専門メーカー、S金型です。   1. コアコンピタンス    同社の強...


中国工場、出来高制給与の問題点とは

   以前開催したセミナーで講師の先生から自身が関わった2つの中国工場を比較した結果、中国では従業員の給料は、日給月給制よりも出来高制の方...

   以前開催したセミナーで講師の先生から自身が関わった2つの中国工場を比較した結果、中国では従業員の給料は、日給月給制よりも出来高制の方...