【快年童子の豆鉄砲】(その27)品質保証(QA)活動の停滞理由

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◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

◆品質保証(QA)活動の停滞理由

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その26)へのリンク】

1.はじめに

この弾から、表2-1にある「喫緊の課題」の3番目「QA活動の停滞」についてのご説明に入ります。

 

表2-1 中小企業が抱える喫緊の課題12と課題発生要因17に対する解決策の概要

事業戦略

 

この「QA活動の停滞」には、表にありますように、2つの発生要因が存在しており、課題解決には、それぞれに対する的確な解決手段が必要なのですが、その的確な解決手段が、世の中に見当たらず、悪戦苦闘の挙句行き着いた筆者なりの結論をご紹介しますので参考にして頂ければと思います。詳細は後述しますが、基本的な考えを下記致しますので、詳細説明ご理解の一助にして頂ければと思います。

 

2.要因その1:活動対象を絞り込めず人手が足りない → 「品質保証度評価法」による絞り込み

これは、目標「クレームゼロ」達成には、活動対象が全品質保証項目になり、ちょっとした規模の企業であれば、数百項目になりますので、中小企業の限られたマンパワーでは計画立案のしようがないと言う要因です。仕方なく、重要品質項目などに絞り込まざるを得ないのですが、結果として、それ以外の項目のクレームを経験することになります。

 

この件に対する解決策は、全品質保証項目の品質保証度を数値化し、クレームが発生しない保証度を把握して活動対象項目を絞り込むというものです。ところが、品質保証項目の保証度には、掴みどころのない“人間的要素”が大きく影響しますので、保証度の数値化は不可能と言うのが一般常識です。その不可能に挑戦して7年がかりで開発した「品質保証度評価法」を次弾からご紹介しますので、ご活用願えればと思います。

 

3.要因その2:残存不具合の本質を把握できていない → 「体質系不具合」原因の把握と対策

ここで言う“残存不具合”とは、現存するQA・QC活動を通じて、クレーム率がシングルppmになったところで停滞している職場が、ゼロを目指して活動する際取り組むべき不具合のことです。この件は、本題に行き着くまでにかなり長い過程の説明をすることになりますが、次のようなことです。

 

発生した不具合の再発防止のための原因追及の際、不具合現象を調査追及していると、比較的早い段階に、かなり明快な根本原因(大抵の場合ハードがメイン)に行き着く場合と、根本原因としてヒューマンエラーに行き着く場合とがあります。

 

前者の場合、手に入れた根本原因に対する対策をすることでかなり信頼性の高い再発防止が可能なのですが、後者の場合、行き着いた根本原因が、人に関わる“ヒューマンエラー”ですので、ヒューマンエラーを遮断できるポカヨケが可能な場合はともかく、最終的に、本人の注意力の強化策に頼らざるを得ないことになり、結果として、再発、又は、同種のクレーム発生につながることが多いのです。

 

実は、この“要因その2”が話題になる職場の場合、大抵がクレーム率がシングルppmなのですが、そのクレームの殆どが後者で、この事態打開のために、後者に属するクレームについて調査研究を重ねた結果、筆者が行き着いた結論は次のようなものです。

 

「ヒューマンエラーは、確かに本人に寄るところが大きいことは確かだが、その発生率は極めて低く、本人の注意力も、フェーズ理論にあるように、通常極めて高い信頼性を期待できるものと言える。従って、その高い信頼性を低下させるような“環境の変化”こそが根本原因であり、その根本原因である環境の変化は、その職場の“体質”が生み出すものではないか」

 

この問題に取り組む都合上、前者と後者に名前を付けようとして、探したのですが、世の中に相応しい言葉を見つけることが出来ませんでしたので、筆者の造語で恐縮ですが、前者を「現象系不具合」、後者を「体質系不具合」と呼ぶことにしたのです。

 

要するに、ここで言う“残存不具合”とは、上述の「体質系不具合」であり、この体質系不具合を発生させる根本原因である“職場の体質”が、“残存不具合原因の本質”と言えるのです。

 

この“職場の体質”の把握は、言語データ解析七つ道具(L7)の「連関図法」を用い、把握した体質改善策は、同じくL7の「親和図法」を用います。

 

4.まとめ

以上のことから、喫緊の課題「QA活動の停滞」への取り組みは、「品質保証度評価法」の活用により、クレーム発生の可...

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◆品質保証(QA)活動の停滞理由

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その26)へのリンク】

1.はじめに

この弾から、表2-1にある「喫緊の課題」の3番目「QA活動の停滞」についてのご説明に入ります。

 

表2-1 中小企業が抱える喫緊の課題12と課題発生要因17に対する解決策の概要

事業戦略

 

この「QA活動の停滞」には、表にありますように、2つの発生要因が存在しており、課題解決には、それぞれに対する的確な解決手段が必要なのですが、その的確な解決手段が、世の中に見当たらず、悪戦苦闘の挙句行き着いた筆者なりの結論をご紹介しますので参考にして頂ければと思います。詳細は後述しますが、基本的な考えを下記致しますので、詳細説明ご理解の一助にして頂ければと思います。

 

2.要因その1:活動対象を絞り込めず人手が足りない → 「品質保証度評価法」による絞り込み

これは、目標「クレームゼロ」達成には、活動対象が全品質保証項目になり、ちょっとした規模の企業であれば、数百項目になりますので、中小企業の限られたマンパワーでは計画立案のしようがないと言う要因です。仕方なく、重要品質項目などに絞り込まざるを得ないのですが、結果として、それ以外の項目のクレームを経験することになります。

 

この件に対する解決策は、全品質保証項目の品質保証度を数値化し、クレームが発生しない保証度を把握して活動対象項目を絞り込むというものです。ところが、品質保証項目の保証度には、掴みどころのない“人間的要素”が大きく影響しますので、保証度の数値化は不可能と言うのが一般常識です。その不可能に挑戦して7年がかりで開発した「品質保証度評価法」を次弾からご紹介しますので、ご活用願えればと思います。

 

3.要因その2:残存不具合の本質を把握できていない → 「体質系不具合」原因の把握と対策

ここで言う“残存不具合”とは、現存するQA・QC活動を通じて、クレーム率がシングルppmになったところで停滞している職場が、ゼロを目指して活動する際取り組むべき不具合のことです。この件は、本題に行き着くまでにかなり長い過程の説明をすることになりますが、次のようなことです。

 

発生した不具合の再発防止のための原因追及の際、不具合現象を調査追及していると、比較的早い段階に、かなり明快な根本原因(大抵の場合ハードがメイン)に行き着く場合と、根本原因としてヒューマンエラーに行き着く場合とがあります。

 

前者の場合、手に入れた根本原因に対する対策をすることでかなり信頼性の高い再発防止が可能なのですが、後者の場合、行き着いた根本原因が、人に関わる“ヒューマンエラー”ですので、ヒューマンエラーを遮断できるポカヨケが可能な場合はともかく、最終的に、本人の注意力の強化策に頼らざるを得ないことになり、結果として、再発、又は、同種のクレーム発生につながることが多いのです。

 

実は、この“要因その2”が話題になる職場の場合、大抵がクレーム率がシングルppmなのですが、そのクレームの殆どが後者で、この事態打開のために、後者に属するクレームについて調査研究を重ねた結果、筆者が行き着いた結論は次のようなものです。

 

「ヒューマンエラーは、確かに本人に寄るところが大きいことは確かだが、その発生率は極めて低く、本人の注意力も、フェーズ理論にあるように、通常極めて高い信頼性を期待できるものと言える。従って、その高い信頼性を低下させるような“環境の変化”こそが根本原因であり、その根本原因である環境の変化は、その職場の“体質”が生み出すものではないか」

 

この問題に取り組む都合上、前者と後者に名前を付けようとして、探したのですが、世の中に相応しい言葉を見つけることが出来ませんでしたので、筆者の造語で恐縮ですが、前者を「現象系不具合」、後者を「体質系不具合」と呼ぶことにしたのです。

 

要するに、ここで言う“残存不具合”とは、上述の「体質系不具合」であり、この体質系不具合を発生させる根本原因である“職場の体質”が、“残存不具合原因の本質”と言えるのです。

 

この“職場の体質”の把握は、言語データ解析七つ道具(L7)の「連関図法」を用い、把握した体質改善策は、同じくL7の「親和図法」を用います。

 

4.まとめ

以上のことから、喫緊の課題「QA活動の停滞」への取り組みは、「品質保証度評価法」の活用により、クレーム発生の可能性のある「現象系不具合」を撲滅し、残存した「体質系不具合」発生の根本原因である“ヒューマンエラーを誘発する職場の体質”を把握して、対処することにより、クレームゼロを達成できる、ということになります。

 

説明の順序は、先ず、「現象系不具合」撲滅のための「品質保証度評価法」の説明から入り、次に、「体質系不具合」撲滅のための「連関図法」並びに「親和図法」の説明をさせて頂きます。

 

次回に続きます。

 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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