設備管理におけるMPMと生技の分担 【快年童子の豆鉄砲】(その69)

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生産マネジメント

 

1.MPMの役割分担とは

MPM導入実施のための基本ステップの説明に入る前に、設備管理におけるMPMの役割分担を明確にしておきたいと思います。

 

先ず、MPMを支える組織は、生産技術部門のみで、保全部門がすでにある場合は、生産技術の傘下に統合することが前提になります。その上で、設備管理内容をどのようにとらえ、それらを、MPMと生産技術がどのように分担するのかを次項でご説明します。

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その68)へのリンク】

【連載記事】・新QC七つ道具 連関図法の使い方

【連載記事】・新QC七つ道具 親和図法の使い方

 

2.設備管理におけるMPMと生産技術(略称:生技)の役割分担

1)MPMが求める設備管理能力とは

MPMは、その基本理念「設備は生き物であり、その生死のカギを握るのは“オペレーター”である、と言う認識に立ち、目指す設備管理(メンテナンス)を“オペレーターによる完全自主保全”とする」が示す通り、設備管理全般をカバーしているわけではありませんので、設備管理全般を生技との分担でカバーすることになります。

 

その場合、分担の基準となる「設備管理能力」は下表のように8つに分類しています。

 

表51-1 分担の基準となる「設備管理能力」

 

MPMが最終的に目指す「オペレーターによる完全自主保全体制」は、上表で示されている設備管理能力a~g(能力hは、機能・設備能力そのものの改良・向上ですので、専門保全の専権能力です。)を身につけたオペレーターの存在が必須となります。

 

2)設備管理におけるMPM(現場)と生産技術の役割分担

設備管理能力を上表のように分類した場合、MPMと生産技術の役割分担は下表のようになります。

 

表51-2 設備管理におけるMPM(現場)と生産技術の役割分担(a~hは、表51-1参照)

 

3)設備の状態把握

設備管理能力と、それをベースにした設備管理の分担を明らかにしたところで、管理対象である設備をどのように把握するのかの説明に入ります。

 

MPMでは、設備は、顧客の要求する「製品の質」を具現する手段として捉え、その具現手段としての適不適、対応能力レベルと...

生産マネジメント

 

1.MPMの役割分担とは

MPM導入実施のための基本ステップの説明に入る前に、設備管理におけるMPMの役割分担を明確にしておきたいと思います。

 

先ず、MPMを支える組織は、生産技術部門のみで、保全部門がすでにある場合は、生産技術の傘下に統合することが前提になります。その上で、設備管理内容をどのようにとらえ、それらを、MPMと生産技術がどのように分担するのかを次項でご説明します。

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その68)へのリンク】

【連載記事】・新QC七つ道具 連関図法の使い方

【連載記事】・新QC七つ道具 親和図法の使い方

 

2.設備管理におけるMPMと生産技術(略称:生技)の役割分担

1)MPMが求める設備管理能力とは

MPMは、その基本理念「設備は生き物であり、その生死のカギを握るのは“オペレーター”である、と言う認識に立ち、目指す設備管理(メンテナンス)を“オペレーターによる完全自主保全”とする」が示す通り、設備管理全般をカバーしているわけではありませんので、設備管理全般を生技との分担でカバーすることになります。

 

その場合、分担の基準となる「設備管理能力」は下表のように8つに分類しています。

 

表51-1 分担の基準となる「設備管理能力」

 

MPMが最終的に目指す「オペレーターによる完全自主保全体制」は、上表で示されている設備管理能力a~g(能力hは、機能・設備能力そのものの改良・向上ですので、専門保全の専権能力です。)を身につけたオペレーターの存在が必須となります。

 

2)設備管理におけるMPM(現場)と生産技術の役割分担

設備管理能力を上表のように分類した場合、MPMと生産技術の役割分担は下表のようになります。

 

表51-2 設備管理におけるMPM(現場)と生産技術の役割分担(a~hは、表51-1参照)

 

3)設備の状態把握

設備管理能力と、それをベースにした設備管理の分担を明らかにしたところで、管理対象である設備をどのように把握するのかの説明に入ります。

 

MPMでは、設備は、顧客の要求する「製品の質」を具現する手段として捉え、その具現手段としての適不適、対応能力レベルと言う観点から見た設備の状態を、下表に示すように、4種類に分類します。

 

表51-3 設備の状態別分類

 

3.おわりに

以上で、MPM導入ステップをご説明する上で必要な基本的な情報のご説明が終わりましたので、次弾から、MPM導入ステップのご説明に入ります。

 

 

 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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