OJCCとは(2) 【快年童子の豆鉄砲】(その102)

投稿日

 人的資源マネジメント

 

◆企業が社員に求める能力10項目

1. 「OJCC」の特徴

この「OJCC」には下記2つの特徴があります。

1)「企業が社員に求める能力10項目」の明示

従前のOJTの場合、この点が漠然としているため、具体的な育成内容が育成者の裁量によることになり、結果的に育成内容にばらつきが生じる点が問題です。その点に関し、OJCCでは、下記の表84-1でご紹介するような「企業が社員に求める能力10項目」を明示していますので。育成者により育成スピードの差は生じても内容的なばらつきはなくなります。

 

2)上記10項目それぞれに対する「育成ステップ」の明示

育成内容が明確になっても、どのようなステップを踏んで育成するかが問題で、その点を育成者に任せたのでは的確な育成が出来ない心配があります。その点に関しては、各項目に対する育成ステップ例を順次ご紹介します。このステップは、極力普遍性を持たせたつもりですが、各社の事情に合わせて不十分な点は適宜補正追加してご活用願えればと思います。

 

2.「企業が社員に求める能力10項目」とは

社員育成で最も大切なことは、企業が社員にどんな能力を求めているかを明確にすることです。一般的には、社是、社訓、創業者の経営理念などが育成目的のベースになるのですが、漠然としているため、受け取り方が様々となり、思うように機能しないのが実情ではないでしょうか。その点、OJCCでは、上述しましたように「企業が社員に求める能力10項目」を明示し、その10項目それぞれに対する「育成ステップ」を設定することにより、効果ある社員育成を目指しています。この弾以降では「企業が社員に求める能力10項目」と、その10項目それぞれに対する「育成ステップ」のご説明をします。

 

表84-1 企業が社員に求める能力10項目

人的資源マネジメント

上記は、一般的なものですが、各項目に対するウエイト付けをすることにより、企業独自の理念と考えを明示・強調することが出来ます。

 

3. 育成ステップ

表84-1で、企業が社員に求める能力の全貌と、ウエイト付けにより、企業が重視している項目が分かるのですが、各項目をどのように育成するのかが次の問題になります。その点に対するOJCCの回答が「各項目に対する育成ステップ」です。育成ステップは、各項目毎に順次表形式でご紹介しますが、使い方については此処でご説明しますので、活用に際して参考にして頂ければと思います。

 

4. 育成ステップの使い方

色々な使い方があると思いますが、此処では標準的な使い方をご提案しますので、参考にして頂き、職場事情に合わせて適宜修正追加の上ご活用願えればと思います。

 

1)ステップ内容の補足

上記ステップ内容は、あらゆる職場を想定し普遍性を持たせたものですので、職場事情に合った具体例を挙げるなど、育成対象者の理解を得やすいような内容にするための補足説明を準備します。

 

2)育成者による育成対象者の各項目に対するステップ評価

咀嚼できたステップをもとに育成対象者の各項目に対する現ステップを評価します。ただ、目的は、育成対象者のCC(コア・コンピタンス:得意な才能)の把握ですので、今までとは違う視点で改めて育成対象者を観察する必要があります。

 

3)育成対象者の各項目に対するステップ自己評価

咀嚼された内容のステップで、各項目に対するステップを自己評価してもらいます。

 

4)双方を持ち寄っての面接で各項目に対するステップ最終評価

各項目に対する双方の評価結果を比較し、ステップが違った場合、それぞれの評価に対する背景を説明し合...

 人的資源マネジメント

 

◆企業が社員に求める能力10項目

1. 「OJCC」の特徴

この「OJCC」には下記2つの特徴があります。

1)「企業が社員に求める能力10項目」の明示

従前のOJTの場合、この点が漠然としているため、具体的な育成内容が育成者の裁量によることになり、結果的に育成内容にばらつきが生じる点が問題です。その点に関し、OJCCでは、下記の表84-1でご紹介するような「企業が社員に求める能力10項目」を明示していますので。育成者により育成スピードの差は生じても内容的なばらつきはなくなります。

 

2)上記10項目それぞれに対する「育成ステップ」の明示

育成内容が明確になっても、どのようなステップを踏んで育成するかが問題で、その点を育成者に任せたのでは的確な育成が出来ない心配があります。その点に関しては、各項目に対する育成ステップ例を順次ご紹介します。このステップは、極力普遍性を持たせたつもりですが、各社の事情に合わせて不十分な点は適宜補正追加してご活用願えればと思います。

 

2.「企業が社員に求める能力10項目」とは

社員育成で最も大切なことは、企業が社員にどんな能力を求めているかを明確にすることです。一般的には、社是、社訓、創業者の経営理念などが育成目的のベースになるのですが、漠然としているため、受け取り方が様々となり、思うように機能しないのが実情ではないでしょうか。その点、OJCCでは、上述しましたように「企業が社員に求める能力10項目」を明示し、その10項目それぞれに対する「育成ステップ」を設定することにより、効果ある社員育成を目指しています。この弾以降では「企業が社員に求める能力10項目」と、その10項目それぞれに対する「育成ステップ」のご説明をします。

 

表84-1 企業が社員に求める能力10項目

人的資源マネジメント

上記は、一般的なものですが、各項目に対するウエイト付けをすることにより、企業独自の理念と考えを明示・強調することが出来ます。

 

3. 育成ステップ

表84-1で、企業が社員に求める能力の全貌と、ウエイト付けにより、企業が重視している項目が分かるのですが、各項目をどのように育成するのかが次の問題になります。その点に対するOJCCの回答が「各項目に対する育成ステップ」です。育成ステップは、各項目毎に順次表形式でご紹介しますが、使い方については此処でご説明しますので、活用に際して参考にして頂ければと思います。

 

4. 育成ステップの使い方

色々な使い方があると思いますが、此処では標準的な使い方をご提案しますので、参考にして頂き、職場事情に合わせて適宜修正追加の上ご活用願えればと思います。

 

1)ステップ内容の補足

上記ステップ内容は、あらゆる職場を想定し普遍性を持たせたものですので、職場事情に合った具体例を挙げるなど、育成対象者の理解を得やすいような内容にするための補足説明を準備します。

 

2)育成者による育成対象者の各項目に対するステップ評価

咀嚼できたステップをもとに育成対象者の各項目に対する現ステップを評価します。ただ、目的は、育成対象者のCC(コア・コンピタンス:得意な才能)の把握ですので、今までとは違う視点で改めて育成対象者を観察する必要があります。

 

3)育成対象者の各項目に対するステップ自己評価

咀嚼された内容のステップで、各項目に対するステップを自己評価してもらいます。

 

4)双方を持ち寄っての面接で各項目に対するステップ最終評価

各項目に対する双方の評価結果を比較し、ステップが違った場合、それぞれの評価に対する背景を説明し合い、最終的な評価結果を決めます。決め終わったところで、育成対象者のステップが最も高かった項目をCCとします。

 

5)育成方針と育成計画の策定

最終評価結果をもとに、育成対象者のCCをベースにした「育成方針」と、それを活かした「育成計画」を策定します。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上10項目に共通する内容を取りまとめてご説明しましたが、各項目のご説明の際、項目の特徴に合わせた注意点をそれぞれ明示しますので、その点を参考にして頂き、各社の事情に合わせた効果的なご活用をして頂ければと思います。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
読み手の立場に立って文書を書くとは

1. 読み手の立場に立って文書を書く  これまでに掲載した記事の中で以下のことを何度も書きました。    わかりやすい文書を書くうえで最も重要な...

1. 読み手の立場に立って文書を書く  これまでに掲載した記事の中で以下のことを何度も書きました。    わかりやすい文書を書くうえで最も重要な...


“技術文書を書くこと”について考える(その1)

  1.技術者にとって「技術文書を書くこと」は重要 「技術者のための内容が“明確に”伝わる技術文書 注1)の書き...

  1.技術者にとって「技術文書を書くこと」は重要 「技術者のための内容が“明確に”伝わる技術文書 注1)の書き...


内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その20)

  「6つのルールと18の書き方」に関し「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説しています。「6つのルールと18の書き方」...

  「6つのルールと18の書き方」に関し「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説しています。「6つのルールと18の書き方」...


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
自部門の数値把握:物流管理者の育て方(その2)

  ◆ 自部門の数値把握 現場に入りがちな管理者はそれが管理者として当たり前の仕事、かつ褒められてしかるべき行為だと考えている節があります。もし管...

  ◆ 自部門の数値把握 現場に入りがちな管理者はそれが管理者として当たり前の仕事、かつ褒められてしかるべき行為だと考えている節があります。もし管...


‐能力開発のシステム創り 製品・技術開発力強化策の事例(その46)

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その45に続いて解説します。                               (...

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その45に続いて解説します。                               (...


コストを明確にして、評価できる人材を育成する(その1)

 コストを明確にして、評価できる人材を育成する過程を、次のS社を例に、二回に分けて解説します。   1.S社の背景  S社は、印刷機械の受注の窓...

 コストを明確にして、評価できる人材を育成する過程を、次のS社を例に、二回に分けて解説します。   1.S社の背景  S社は、印刷機械の受注の窓...