品質保証度評価法とは(9) 【快年童子の豆鉄砲】(その36)

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QC

 

 

◆CAL値(品質保証度の値)の使い方

1.通常使うCAL値 

CAL値は、次の表33-2にありますように、保証項目を保証する母体(仕入先、自社、客先)によって3種類存在するのですが、通常使用するのは「保証母体が自社の場合のもの」で、保証先である客先に対する保証度“Y”は、下記の式に、【快年童子の豆鉄砲】(その34)    (その35)でご説明した要領で算出した係数の値を代入して手に入れたものになります。

表33-2 QAL値の求め方一覧表

品種マネジメント

 

Y=α×A×B×C×D×E×F×10(表33-2 の自社の欄)、最後の10は、(その35)でご説明していますが、致命度係数“G”の最大値です。

 

あと、上式にある係数を求めるための表にある“係数”の値に対し、何故この値なのかと言う疑念をお持ちになるのではないかと思いますが、(その33)でご説明しています通り、7年間の検証を経て決定したものであると同時に、3つの職場で機能していますので、ひとまずこの数値を受け入れて頂き、矛盾が発生したときは、計画レベルや管理難度の判定を見直されることをお勧めします。

 

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その35)へのリンク】

2.CAL値の使い方

1)クレーム防止目標CAL値“k”を求める

過去のクレームについて、クレームが発生した時のシステムのCAL値を求めます。

 

その中で、最も保証度の高いCAL値は、その時点の職場のHG(Humanware Goodness:ヒューマンウエア、即ち、 関係する人の良さ加減) が前提ですが、クレーム発生の可能性のある保証度ですので、その値より保証度の高いクレーム防止目標CAL値“k”を設定し、QA活動において次のように活用します。

 

2)CAL値“k”の使い方

QA活動の目標を、CAL値を使って次表のように設定します。

 

表37-1 QA活動の目標の設定

QC

 

No.2の場合、すべての保証項目について“Y≦k”をクリアして、クレームゼロが達成された場合、目標CAL値のレベルを上げることにより、モチベーションを落とすことなくQAレベル向上活動を推進することができます。

 

その場合、目標CAL値のレベルアップは、未達項目数が20~30位になるように設定するのがお勧めです。この場合、職場によっては、活動対象項目がなくなる場合も出てくるのですが、そういったときは、職場ごとに、目標CAL値を設定することになります。

 

あと、重要品質項目については、CALの“質”向上を活動目標にする必要があります。具体的には、次の表33-1の係数E(検査方法)に頼って目標CAL値をクリアしている場合、A~Dによるクリアを目指すことにより、品質保証のレベルアップを図るということです。

 

表33-1 品質保証度評価の構成因子と係数

品種マネジメント

 

3)CAL値“k”を使ったクレーム対策ステップ

全保証項目について“Y≦k”をクリアしても、クレームが発生することがあります。その場合、従前と同様の取り組みをするのではなく、品質保証度評価法に則った、次ページの図37-1に示すステップを踏んだクレーム対策を進めることにより、対象クレーム項目に対する対策だけでなく、品質保証度評価法そのもののチェックとレベルアップを図ることができます。

 

QC

図37-1 QAL評価法を使ったクレーム対策ステップ...

QC

 

 

◆CAL値(品質保証度の値)の使い方

1.通常使うCAL値 

CAL値は、次の表33-2にありますように、保証項目を保証する母体(仕入先、自社、客先)によって3種類存在するのですが、通常使用するのは「保証母体が自社の場合のもの」で、保証先である客先に対する保証度“Y”は、下記の式に、【快年童子の豆鉄砲】(その34)    (その35)でご説明した要領で算出した係数の値を代入して手に入れたものになります。

表33-2 QAL値の求め方一覧表

品種マネジメント

 

Y=α×A×B×C×D×E×F×10(表33-2 の自社の欄)、最後の10は、(その35)でご説明していますが、致命度係数“G”の最大値です。

 

あと、上式にある係数を求めるための表にある“係数”の値に対し、何故この値なのかと言う疑念をお持ちになるのではないかと思いますが、(その33)でご説明しています通り、7年間の検証を経て決定したものであると同時に、3つの職場で機能していますので、ひとまずこの数値を受け入れて頂き、矛盾が発生したときは、計画レベルや管理難度の判定を見直されることをお勧めします。

 

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その35)へのリンク】

2.CAL値の使い方

1)クレーム防止目標CAL値“k”を求める

過去のクレームについて、クレームが発生した時のシステムのCAL値を求めます。

 

その中で、最も保証度の高いCAL値は、その時点の職場のHG(Humanware Goodness:ヒューマンウエア、即ち、 関係する人の良さ加減) が前提ですが、クレーム発生の可能性のある保証度ですので、その値より保証度の高いクレーム防止目標CAL値“k”を設定し、QA活動において次のように活用します。

 

2)CAL値“k”の使い方

QA活動の目標を、CAL値を使って次表のように設定します。

 

表37-1 QA活動の目標の設定

QC

 

No.2の場合、すべての保証項目について“Y≦k”をクリアして、クレームゼロが達成された場合、目標CAL値のレベルを上げることにより、モチベーションを落とすことなくQAレベル向上活動を推進することができます。

 

その場合、目標CAL値のレベルアップは、未達項目数が20~30位になるように設定するのがお勧めです。この場合、職場によっては、活動対象項目がなくなる場合も出てくるのですが、そういったときは、職場ごとに、目標CAL値を設定することになります。

 

あと、重要品質項目については、CALの“質”向上を活動目標にする必要があります。具体的には、次の表33-1の係数E(検査方法)に頼って目標CAL値をクリアしている場合、A~Dによるクリアを目指すことにより、品質保証のレベルアップを図るということです。

 

表33-1 品質保証度評価の構成因子と係数

品種マネジメント

 

3)CAL値“k”を使ったクレーム対策ステップ

全保証項目について“Y≦k”をクリアしても、クレームが発生することがあります。その場合、従前と同様の取り組みをするのではなく、品質保証度評価法に則った、次ページの図37-1に示すステップを踏んだクレーム対策を進めることにより、対象クレーム項目に対する対策だけでなく、品質保証度評価法そのもののチェックとレベルアップを図ることができます。

 

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図37-1 QAL評価法を使ったクレーム対策ステップ

 

次回に続きます。

 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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