MPMの基本的な考え方 【快年童子の豆鉄砲】(その68)

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  生産マネジメント

 

1.MPM導入実施のための基本ステップ

これ以降は、MPM導入実施のための基本ステップの説明に入ります。

 

この基本ステップは、中小企業規模の経営資源、特に、マンパワーでやりおおせる設備管理システムを追及して行き着いた結論を、品質経営のお手伝いをした中小企業に導入する際に、試行錯誤を重ねて修正したもので、MPMの基本理念を具現する上で、大いに参考にして頂けるものと思います。

 

ただ、何事もそうですが、新しい制度を効果的に導入するには、実施上の細部を鵜呑みにすることなく、基本理念を具現するための手段と捉え、自社の強みを活かす形に修正を加える必要があります。

 

その際重要なのが、基本理念の背景にあるMPM開発を支えた考え方や前提条件に対する的確な理解ですので、その点について次項でご説明しますのでMPMご理解の参考にして頂きたいと思います。

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その67)へのリンク】

【連載記事】・新QC七つ道具 連関図法の使い方

【連載記事】・新QC七つ道具 親和図法の使い方

 

2.MPM開発を支えた前提と基本的な考えの説明

1)TPM活動の成果が前提

MPM開発の契機となったのは、世の中にオーソライズされた設備管理が、与えられたマンパワーでやりおおせない状況への対処だったのですが、マンパワーの補強申請も対処の一つだったのです。

 

そうしなかったのは、検討を開始して改めて手元の設備状況を確認して気づいたのは、手にする設備が、昔と違って、初期点検(給油、点検、清掃)を確実にすれば、殆ど故障することがないということで、この現状をベースに検討を重ねれば、的確で高効率設備管理が可能なのではないかと考えたからです。

 

こういった設備の現状は、設備は故障するものであるという認識のもと、故障し難い設備管理を起点にしたTPM活動が、生産現場では、ロスゼロを目指した設備改善が、設備メーカーにおいては、メンテナンスフリー設備への挑戦がなされた結果といえますので、MPMは、TPM活動の成果が前提と言うことになります。

 

2)高効率

ここで言う高効率は、一般的な、現在のやり方、即ち、手段に対する改善による高レベルの効率化ではなく、現在のやり方の目的の本質を的確に把握した上で、その目的達成手段を、その時点の最高レベルの技術を使って最も望ましい手段を再構築することによって手に入れることのできる“本質的高効率”を意味しています。

 

要するに、活動対象を手段ではなく、目的に置き、現在の諸技術を生かした最高の達成手段を再構築すれば、画期的な高効率化が手に入るという考え方です。

 

3)設備保全の目的

現在オーソライズされている設備保全内容の実施を目的とするのではなく、原点に立ち返って、設備の機能を安定的に発揮できる状態を維持継続することを目的とします。

 

4)設備機能の捉え方

ここで言う設備とは、物づくり(加工、組み立て、検査など)に関わる機械や装置の事で、その機能とは、一般的には、目的とする物づくりができること、即ち、故障のない稼働を意味しますが、ここで言う機能とは、その出来栄え、それも、量ではなく質(求める品質)を手に入れることのできる能力という捉え方をすることにしています。

 

5)設備の捉え方

設備には、いろんな種類がありますが、同じ種類の設備に対しては、同じ取り扱いをするのが一般的です。

 

でも、実際に設備に深くかかわってみて感じるのは、同じ種類の設備でも、設備機能を“品質の作り込み”という観点からみると、設備一つ一つに個性があり、それぞれの個性に対応した面倒見が必要であるという点で乳幼児に例えることが出来ます。そういった発想から、MPMにおける、設備管理の対象としての設備の捉え方は、同じ設備を十把一絡げにして把握する“物”ではなく、一つ一つに個性があり、それぞれに合った管理を必要とするという点で“生き物”としてとらえるべきという考え方です。

 

6)設備管理の在り方

設備を上述のような考え方から“生き物”と捉えますと、それぞれに相応しい設備管理をすることが、設備機能を安定的に維持する上で最もふさわしく、結果的に、最も効率のいい設備管理になると言えるのですが、そのための必須条件は“常時密着型&rd...

 
  生産マネジメント

 

1.MPM導入実施のための基本ステップ

これ以降は、MPM導入実施のための基本ステップの説明に入ります。

 

この基本ステップは、中小企業規模の経営資源、特に、マンパワーでやりおおせる設備管理システムを追及して行き着いた結論を、品質経営のお手伝いをした中小企業に導入する際に、試行錯誤を重ねて修正したもので、MPMの基本理念を具現する上で、大いに参考にして頂けるものと思います。

 

ただ、何事もそうですが、新しい制度を効果的に導入するには、実施上の細部を鵜呑みにすることなく、基本理念を具現するための手段と捉え、自社の強みを活かす形に修正を加える必要があります。

 

その際重要なのが、基本理念の背景にあるMPM開発を支えた考え方や前提条件に対する的確な理解ですので、その点について次項でご説明しますのでMPMご理解の参考にして頂きたいと思います。

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その67)へのリンク】

【連載記事】・新QC七つ道具 連関図法の使い方

【連載記事】・新QC七つ道具 親和図法の使い方

 

2.MPM開発を支えた前提と基本的な考えの説明

1)TPM活動の成果が前提

MPM開発の契機となったのは、世の中にオーソライズされた設備管理が、与えられたマンパワーでやりおおせない状況への対処だったのですが、マンパワーの補強申請も対処の一つだったのです。

 

そうしなかったのは、検討を開始して改めて手元の設備状況を確認して気づいたのは、手にする設備が、昔と違って、初期点検(給油、点検、清掃)を確実にすれば、殆ど故障することがないということで、この現状をベースに検討を重ねれば、的確で高効率設備管理が可能なのではないかと考えたからです。

 

こういった設備の現状は、設備は故障するものであるという認識のもと、故障し難い設備管理を起点にしたTPM活動が、生産現場では、ロスゼロを目指した設備改善が、設備メーカーにおいては、メンテナンスフリー設備への挑戦がなされた結果といえますので、MPMは、TPM活動の成果が前提と言うことになります。

 

2)高効率

ここで言う高効率は、一般的な、現在のやり方、即ち、手段に対する改善による高レベルの効率化ではなく、現在のやり方の目的の本質を的確に把握した上で、その目的達成手段を、その時点の最高レベルの技術を使って最も望ましい手段を再構築することによって手に入れることのできる“本質的高効率”を意味しています。

 

要するに、活動対象を手段ではなく、目的に置き、現在の諸技術を生かした最高の達成手段を再構築すれば、画期的な高効率化が手に入るという考え方です。

 

3)設備保全の目的

現在オーソライズされている設備保全内容の実施を目的とするのではなく、原点に立ち返って、設備の機能を安定的に発揮できる状態を維持継続することを目的とします。

 

4)設備機能の捉え方

ここで言う設備とは、物づくり(加工、組み立て、検査など)に関わる機械や装置の事で、その機能とは、一般的には、目的とする物づくりができること、即ち、故障のない稼働を意味しますが、ここで言う機能とは、その出来栄え、それも、量ではなく質(求める品質)を手に入れることのできる能力という捉え方をすることにしています。

 

5)設備の捉え方

設備には、いろんな種類がありますが、同じ種類の設備に対しては、同じ取り扱いをするのが一般的です。

 

でも、実際に設備に深くかかわってみて感じるのは、同じ種類の設備でも、設備機能を“品質の作り込み”という観点からみると、設備一つ一つに個性があり、それぞれの個性に対応した面倒見が必要であるという点で乳幼児に例えることが出来ます。そういった発想から、MPMにおける、設備管理の対象としての設備の捉え方は、同じ設備を十把一絡げにして把握する“物”ではなく、一つ一つに個性があり、それぞれに合った管理を必要とするという点で“生き物”としてとらえるべきという考え方です。

 

6)設備管理の在り方

設備を上述のような考え方から“生き物”と捉えますと、それぞれに相応しい設備管理をすることが、設備機能を安定的に維持する上で最もふさわしく、結果的に、最も効率のいい設備管理になると言えるのですが、そのための必須条件は“常時密着型”と言うことになります。

 

7)設備管理の主役はオペレーター

設備管理の必須条件が“常時密着型”ということになりますと、その条件を満たすことができるのは、完全自動設備はともかく“オペレーター”であり、オペレーターが主役と言うことにならざるを得ません。従って、MPMが考える設備管理は、常時密着が可能なオペレーターを“主役”にしたものになっています。

 

以上が、MPMの開発を支えた前提と基本的な考えの説明なのですが、次弾以降でご説明するMPM導入のステップご理解の参考にして頂ければと思います。

 

 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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