【快年童子の豆鉄砲】(その22)理念経営基本体系の設計(10)

事業戦略

 

7 理念経営基本体系図の設計

下図の図13-2 理念経営基本体系(2次迄)の1次展開項目「企業の存在価値」を受けた2次展開項目3つ、「社員満足」「社会満足」「顧客満足」について、(その14~21)にかけて課題まで展開し、最後に、課題解決手段を注記付きで記載しました。以上の展開結果を、理念経営基本体系としてまとめたものが図23-1です。

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その21)理念経営基本体系の設計(9)へのリンク】

 

事業戦略

 

もう一つの1次展開項目「継続安定した利益」を受けた2次展開項目2つ(「現製品の安定受注」「確実に利益を生む新製品開発」)の展開はしなくてもよいのかとの疑問をお持ちだと思いますが、実は、この2項目の展開結果は、「顧客満足」の展開結果に含まれているのです。

 

要するに、「企業の永続性」と言った社会現象に関わるような複雑なテーマの場合、逐次二項目展開の前提である“展開項目相互の独立性”が担保できないためにこのようなことが起こるわけで、逐次二項目展開には相応しくないテーマと言えるのです。

 

ただ、逐次二項目展開を三次まで忠実に実施したことにより、「社員満足」が重要な展開項目としてクローズアップできたわけで、そう言った意味で逐次二項目展開は有用であったと言えます。このことから、たとえ逐次二項目展開に相応しくないと思われるような複雑なテーマであっても、展開項目相互の独立性が確保できる次元までは、逐次二項目展開することにより、漏れのない体系を手に入れることが出来ることを念頭に置いておく必要があります。

 

事業戦略

図23-1 理念経営基本体系図

 

図23-1の理念経営基本体系には、これまでの展開結果と違う所が3点あります。

 

一つは、「社会満足」に対する展開が、「文化的文明的社会貢献」で片づけられている点です。

 

この点は、(その19)で既にご説明していますが、展開対象の“社会”は、中小企業の場合“所属自治体”になるのですが、その目指すところは千差万別で、とても基本を語ることが出来ないからです。ただ、“所属自治体”に対する「文化的文明的社会貢献」をどのようにすればよいのかの展開事例は必要と考え、お手伝いをした会社が所属自治体(S市)を対象に展開した「社会満足(SS)充足体系図」(図20-1)を(その19)でご紹介していますので、参考にして頂ければと思います。

 

二つ目は、展開が課題までで、課題解決手段が入っていない点です。

 

これは、あくまで基本体系図だからで、展開された各課題にどう取り組むかは各企業により様々だからです。ただ、筆者の経験では、中小企業規模経営資源に相応しい手段が見当たりませんでしたので、(その18)の社員満足、(その19)の社会満足、(その20~21)の顧客満足の展開において、筆者が行き着いた解決手段を記載し、それぞれ今後機会を設けてご説明しますので、参考にして頂ければと思います。

 

三つ目は、経営体系における実施項目に至る展開が二つのグループに分けられている点です。

 

これは、体系図には、企業の永続性を堅持するために必要な企業活動内容が漏れなく展開されているのですが、その内容は、現在の市場に対する企業活動の維持改善活動(レッドオーシャン戦略)と、新たな市場を切り開くための挑戦管理活動(ブルーオーシャン戦略)の二つのエリアに分けることが出来るのですが、それを意識した企業活動が必要なことから体系図に□印で明示してあります。

 

“挑戦管理”と言う言葉は筆者の造語で、この基本体系の右端に展開されている課題に対し、図19-1:3976や、図21-1:3993 にあるような適切な課題解決手段を適用すれば、“挑戦”という言葉の持つ“やってみないと分からない”という一般認識とは対極の“管理”に近い活動が可能という思いが込められています。

 

後、両活動の後の括弧で...

事業戦略

 

7 理念経営基本体系図の設計

下図の図13-2 理念経営基本体系(2次迄)の1次展開項目「企業の存在価値」を受けた2次展開項目3つ、「社員満足」「社会満足」「顧客満足」について、(その14~21)にかけて課題まで展開し、最後に、課題解決手段を注記付きで記載しました。以上の展開結果を、理念経営基本体系としてまとめたものが図23-1です。

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その21)理念経営基本体系の設計(9)へのリンク】

 

事業戦略

 

もう一つの1次展開項目「継続安定した利益」を受けた2次展開項目2つ(「現製品の安定受注」「確実に利益を生む新製品開発」)の展開はしなくてもよいのかとの疑問をお持ちだと思いますが、実は、この2項目の展開結果は、「顧客満足」の展開結果に含まれているのです。

 

要するに、「企業の永続性」と言った社会現象に関わるような複雑なテーマの場合、逐次二項目展開の前提である“展開項目相互の独立性”が担保できないためにこのようなことが起こるわけで、逐次二項目展開には相応しくないテーマと言えるのです。

 

ただ、逐次二項目展開を三次まで忠実に実施したことにより、「社員満足」が重要な展開項目としてクローズアップできたわけで、そう言った意味で逐次二項目展開は有用であったと言えます。このことから、たとえ逐次二項目展開に相応しくないと思われるような複雑なテーマであっても、展開項目相互の独立性が確保できる次元までは、逐次二項目展開することにより、漏れのない体系を手に入れることが出来ることを念頭に置いておく必要があります。

 

事業戦略

図23-1 理念経営基本体系図

 

図23-1の理念経営基本体系には、これまでの展開結果と違う所が3点あります。

 

一つは、「社会満足」に対する展開が、「文化的文明的社会貢献」で片づけられている点です。

 

この点は、(その19)で既にご説明していますが、展開対象の“社会”は、中小企業の場合“所属自治体”になるのですが、その目指すところは千差万別で、とても基本を語ることが出来ないからです。ただ、“所属自治体”に対する「文化的文明的社会貢献」をどのようにすればよいのかの展開事例は必要と考え、お手伝いをした会社が所属自治体(S市)を対象に展開した「社会満足(SS)充足体系図」(図20-1)を(その19)でご紹介していますので、参考にして頂ければと思います。

 

二つ目は、展開が課題までで、課題解決手段が入っていない点です。

 

これは、あくまで基本体系図だからで、展開された各課題にどう取り組むかは各企業により様々だからです。ただ、筆者の経験では、中小企業規模経営資源に相応しい手段が見当たりませんでしたので、(その18)の社員満足、(その19)の社会満足、(その20~21)の顧客満足の展開において、筆者が行き着いた解決手段を記載し、それぞれ今後機会を設けてご説明しますので、参考にして頂ければと思います。

 

三つ目は、経営体系における実施項目に至る展開が二つのグループに分けられている点です。

 

これは、体系図には、企業の永続性を堅持するために必要な企業活動内容が漏れなく展開されているのですが、その内容は、現在の市場に対する企業活動の維持改善活動(レッドオーシャン戦略)と、新たな市場を切り開くための挑戦管理活動(ブルーオーシャン戦略)の二つのエリアに分けることが出来るのですが、それを意識した企業活動が必要なことから体系図に□印で明示してあります。

 

“挑戦管理”と言う言葉は筆者の造語で、この基本体系の右端に展開されている課題に対し、図19-1:3976や、図21-1:3993 にあるような適切な課題解決手段を適用すれば、“挑戦”という言葉の持つ“やってみないと分からない”という一般認識とは対極の“管理”に近い活動が可能という思いが込められています。

 

後、両活動の後の括弧で括った戦略は、フランスの欧州経営大学院の教授であるW・チャン・キムとレネ・モボルニュの著書『ブルー・オーシャン戦略』の中で提唱されているもので、内容的にぴったりなので、体系図には括弧なしで記載してあります。

 

上記経営体系が、機能するためには、上述した種々の課題解決手段を含めた諸活動が的確に行える組織体系が必要となりますので、その点を次弾でご説明します。

次回に続きます。

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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