ポストコロナSDGs経営戦略:<空>からのアプローチ(その1)L社の事例

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ポストコロナとSDGs

ただいま新型コロナは日本では収束の様相をみせておりますがヨーロッパは再拡大の状況にあり、この度のコロナ危機を “ものづくりとビジネスと社会の常識を劇的に変えてしまうパラダイムシフト” と認識して、これに対応する必要があります。一方、2030 SDGs(2030年までに達成すべき17の持続可能な開発目標)が喫緊の課題となっており、ものづくり.comにも多くの事例が紹介されておりますが、企業経営の観点からはパラダイムシフトの激変する環境下での持続的発展(継続的に収益を上げる体質づくり)が基本になります。

 

ポストコロナとSDGsでの持続的発展

持続的発展を可能にするには先ず2つのことが重要です。1つは、今の経営状況を上手に見える化すること、例えば多種多様な商品あるいは得意先の中で、どれが売れていて、どれは売れていないのか、見える化することによって、より効果的に売上高を上げることが出来ます。これは<空>からのアプローチとして、今の経営状況を<タカの目>で見ることです。2つは、環境の変化を正しく捉え、自社の強みを正しく認識し、これをパラダイムシフトの激変する環境下で活かすことです。これは<空>からのアプローチとして、ずっと高い位置からタカの目というより<宇宙飛行士の目>で世界的に何が起っているかを観ることです。

 

<空>からのアプローチ(その1)L社の事例(A・Z分析)

経営戦略は大きな課題ですが、手っ取り早い入口として ‟今の経営状況を<タカの目>で見る” L社のA・Z分析を紹介しましょう。L社は全国的に展開している販売会社で得意先開拓に力を入れて2000社を超す得意先を持つまでに発展してきたが、近年は売上高が伸び悩んでいた。<タカの目>で得意先全体の売上高を見える化したところ、上位1000社で売上高の95%を占めており下位1000社でたったの5%だと分かって「目からウロコ」。ケンケンがくがく議論して、これまでの新規得意先開拓主義の販売戦略を、下位1000社のZクラス得意先から手を引き、その余力を上位100社のAクラス得意先とZクラスの中でこれから大きく伸びそうな得意先の販売強化に充てる選択と集中の戦略に変更することにより、セールスマンの士気が向上し売上高15%アップに成功した、というものです。

 

温故知新といいますが、この事例はポストコロナSDGsの激変する環境下で、先ず自社の経営実態の現在地を知って変化に対応する戦略を立てる入口として、入りやすくかつ重要なものだと思います。

 

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A・Z分析とは;ABC分析を‟選択と集中の戦略用”にアレンジしたもの

 

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一般的に、項目数5%の上位商品(A)が売上高の4割以上を占め、項目数85%の下位商品(C)の売上高は4割以下なのだ、というABC分析はよく知られている。上の表は得意先が200の簡単な例です。

 

ここで、その他を項目数100までと101~200とに分け101~200を(Z)としていますが、この項目数50%の得意先が売上高では5%しかないというのが大きな問題で、A・Z分析はこれを扱います。すなわち、(Z)の得意先50%から手を引いて、そのリソースを(A)の得意先の販売強化に使う、と同時に、(Z)の中からこれから育つ若木を見付けて育てる、という「経営戦略」への入口なのです。

 

L社のA・Z分析による経営戦略への入口

それでは、2,000社を超す得意先に対して、2012年の売上高で上の表と同じようにしてA・Z分析したものを紹介しましょう(ただしデータは分り易いようアレンジしています)。初めての試みだったのでデータを整えるまでに1ヶ月、分析のやり方を教えて貰って分析するのに半月掛かりました。(Z)の得意先から手を引く(諦める)と口で言うのは簡単なのですが実行はそう簡単ではないのです。担当の営業マンから得意先それぞれの状況をつぶさに聞いて、最終的には社長の(Z)の得意先は‟営業訪問しない方針”という決断で「得意先が自然に離れていくようにして、その余力を(A)の得意先と(Z)の中からこれから大きく伸びそうな若木得意先の営業に力を入れる」ということを決めて、関係者に周知するのに2ヶ月近くを費やしました。

 

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A・Z分析の後の施策の結果

 

(Z)の得意先は、社長の‟営業訪問しない方針”を実行して自然に離れていくようにし、その余力を(A)の得意先と(Z)の若木得意先の営業に力を入れることに決めて関係者がワンチームで取り組んだ結果、少しずつ成果が表れてきて1年半後には表3のように(Z)の得意先を諦めた売上高5%の減は(A)得意先と(Z)若木の販売強化策が実って20%増になり、合せて売上高増加率が115%になりました。

 

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次回は、<地>からのアプローチ(その1)T社の事例(品質安定化)です。

 


この記事の著者

鈴木 甫

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