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QUESTION 質問No.438

MT法の拡張

設計・開発  | 投稿日時:
宇宙/ロボット用途等の材料を設計する際、MT法が有効と考えております。
元々少ない設計データから、量産、顧客使用時にトラブルが起きないよう、極端なデータも振って品質設計をするというのがMT法かと考えています。
最近、スパースモデリングなる手法が出てきており、これはMT法の拡張かと思うのですが、如何でしょうか?
特定の条件を極端なものに振ったりする中で選び出すコンセプトといい、原理的には共通と感じました。このスパースモデリング法で確立した設計データを転移学習により量産データにも拡張できると考えました。FPGA/GPUで半導体に実装できればブラックボックス化した上でのエッジコンピューティングもできますし、かなり有望と考えますが如何でしょうか?


ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

Ventureさま、重ね重ねご質問ありがとうございます。宇宙/ロボット用途等の材料の設計ということですので、ロバスト設計と最適化に関する質問と理解しました。

MT法は、判別分類(Classification)手法の一つとして、正常値を示す入出力データからモデルを作って、正常・異常の判別に使う手法だと私は理解していました。ロバスト設計や最適化に使うというよりも、異常検出などに使うものだと思っていました。日進月歩の分野なので、私の理解が間違っているかもしれません。そのため、以下はMT法のTの部分、タグチ・メソッドについて記したいと思います。

新たな材料や新たな複雑なシステムを設計しようとする際、まずその対象を理解し、その上で対象を最適な状態に持っていく必要があります。

対象を理解するということは、数値モデルを作るということです。物理や化学を使って対象を説明できる場合は、物理式や化学式から数値モデルを作ります。何だかよく分からない対象については、入力データと出力データの関係を分析して、数値モデルを作ります。満足できる数値モデルができれば、それを使って、出力が最適になるように入力データを調整(最適化)するだけです(つまりロバスト設計)。

入力データと出力データの関係から数値モデルを作る方法の一つが回帰分析(Regression)でありスパースモデリングなのですが、少ないデータ数(サンプル数)を使って上手に満足できる数値モデルを作るためには、入力データを工夫する必要があります(例えば、極端にデータ値を振る)。その入力データを工夫する方法の一つがタグチ・メソッドであり、実験計画法(Design of Experiments: DOE)です。

つまりスパースモデリングは、与えられたデータから主要因を少なく選んで対象を推定(モデル化)しますが、タグチ・メソッドやDOEは少ないデータからでも対象が推定(モデル化)できるように、収集する入力データを工夫します。つまりスパースモデリングとタグチ・メソッド(またはDOE)は目的が異なります。

先のご質問への回答として、最適化の基本的な流れは、(1)データ取得(2)データクレンジング(3)スクリーニング(4)モデリング(5)シミュレーション(6)最適化(7)検証、であると書きましたが、タグチ・メソッドやDOEは(0)データ設計、またはデータ取得計画に当たります。(0)があることで、(2)データクレンジングがいらなくなったり、少ないデータでも(3)スクリーニングや(4)モデリングの精度が上がります。

「このスパースモデリング法で確立した設計データを転移学習により量産データにも拡張できると考えました。」この意味は、設計データとスパースモデリング法を用いて最適化したモデルに、量産データを入力して、その入力データ範囲や出力値から量産品の品質等をコントロールしたり、正常・異常を判別する(MT法)、ということでしょうか。もしそうであれば、スパースモデリング法はともかくとして、そのようなアプローチは実際の製造現場では広く行われています。FPGA/GPUだけでなく、PLC(Programmable Logic Controller)なども広く使われています。

繰り返しになりますが、データ解析の世界は急拡大し、動きも早くてついていけません。もし内容に誤りがあれば、お許し下さい。とにかく新しい手法でも古い手法でも何でも色々と試してみてることだけはお勧めします。

以上、少しでも参考になれば幸いです。