格子欠陥と転位 金属材料基礎講座(その5)

更新日

投稿日

 

【目次】

    ◆ 格子欠陥と転位

     金属原子は結晶構造に従って規則的に配列しているわけですが、全ての金属原子が規則的に配列しているわけではありません。

     そこには必ず一定の乱れや欠陥が存在します。これを図1に模式的に示します。大部分の金属原子は(a)のように配列した状態ですが、一部の原子は(b)のようにあるべき場所に金...

     

    【目次】

      ◆ 格子欠陥と転位

       金属原子は結晶構造に従って規則的に配列しているわけですが、全ての金属原子が規則的に配列しているわけではありません。

       そこには必ず一定の乱れや欠陥が存在します。これを図1に模式的に示します。大部分の金属原子は(a)のように配列した状態ですが、一部の原子は(b)のようにあるべき場所に金属原子が存在せずにすき間ができます。これを格子欠陥と呼びます。格子欠陥には主に次の3種類があります。

      •  点欠陥:金属原子が1個単位で抜けたり、余分に入り込んでいる状態。
      •  線欠陥:金属原子が線状に抜けている状態。転位などがあります。
      •  面欠陥:金属原子が面状に抜けている状態。積層欠陥などがあります。

      金属材料

        図1. 金属原子の並びには欠陥

       この中でも転位は金属の強度や変形を扱うために非常に重要な概念です。

       転位には主に刃状転位とらせん転位の2種類があります。その模式図を図2に示します。刃状転位は結晶構造中に余分な原子面が入り込むような構造になります。らせん転位は結晶構造がねじれるようにずれます。実際の転位構造としては刃状転位とらせん転位が混在した混合転位となります。

      金属材料

       図2. 刃状転位とらせん転位

       次回に続きます。

       

      ◆【関連解説:金属・無機材料技術】

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      福﨑 昌宏

      金属組織の分析屋 金属材料の疲労破壊や腐食など不具合を解決します。

      金属組織の分析屋 金属材料の疲労破壊や腐食など不具合を解決します。


      「金属・無機材料技術」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      アルミニウムの腐食、原因と対策

          金属材料は建築物、自動車、電子機器など身近なところに使用されています。金属材料を用いて製品を設計する場合、金属の特徴、...

          金属材料は建築物、自動車、電子機器など身近なところに使用されています。金属材料を用いて製品を設計する場合、金属の特徴、...


      偏晶組織の量的計算:金属材料基礎講座(その172) わかりやすく解説

        ◆ 偏晶組織の量的計算 偏晶状態図の偏晶組成における凝固、偏晶反応、析出過程を見ていきます。図1に偏晶反応状態図の模式図を示します。...

        ◆ 偏晶組織の量的計算 偏晶状態図の偏晶組成における凝固、偏晶反応、析出過程を見ていきます。図1に偏晶反応状態図の模式図を示します。...


      ダイカスト(ダイキャスト)とは

        金属材料は身近な材料であり、自動車、鉄道、建設など高い強度が求められる機械や構造物には欠かせない材料です。金属材料の種類は鉄鋼、ステン...

        金属材料は身近な材料であり、自動車、鉄道、建設など高い強度が求められる機械や構造物には欠かせない材料です。金属材料の種類は鉄鋼、ステン...


      「金属・無機材料技術」の活用事例

      もっと見る
      ゾルゲル法による反射防止コートの開発と生産

       15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...

       15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...


      金代替めっき接点の開発事例 (コネクター用貴金属めっき)

       私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...

       私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...